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映画『アムステルダム』をネタバレ解説!復員兵と看護師の友情を脅かす、恐ろしい陰謀とは一体?

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映画『アムステルダム』をネタバレ解説!復員兵と看護師の友情を脅かす、恐ろしい陰謀とは一体?

https://youtu.be/GLs2xxM0e78



2022年10月7日にアメリカで公開された映画『アムステルダム』

実際に起こった事件と史実をもとに、3人の厚い友情を描いたアメリカのクライム・ストーリー。

キャッチコピーは「ありえないけど、ほぼ実話」

主演は、クリスチャン・ベール、マーゴット・ロビー、ジョン・デヴィッド・ワシントンといった豪華メンバー。

監督は『ザ・ファイター』『世界にひとつのプレイブック』『アメリカン・ハッスル』のデビッド・O・ラッセル。

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アムステルダムの船に乗ってみたいbeersyです!

本作は、内容はもとより豪華キャスト陣が魅力的な一作。

「ほぼ実話」という事で、そちらのほうもちょっと調べてみましたが…驚愕しました。

この記事では、映画『アムステルダム』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介いたします!

『アムステルダム』の評価&感想

Amsterdam | Official Trailer | 20th Century Studios

  • 感動度
    3
  • 脳トレ度
    2
  • 再鑑賞度
    3
  • サプライズ度
    4
  • 話題性
    5

主演の3人だけでもお腹いっぱいなのに、錚々たるキャスト陣に驚かされました!

事前情報を仕入れずに視聴したので、中盤に登場するレジェンドに大興奮。

どこを観ても主役級の俳優さんばかりで、コッテリしていました。笑

ストーリーは、実話や戦争の史実がベースとなっているものの、重くなりがちなテーマをコミカルに、ほんわかした映画に仕上げてあるのでとても視聴しやすい!

なんとなく黒幕も分かってしまうし、ひねりもそんなになかったので、少々肩透かしをくらいましたが、キャスト陣がその物足りなさをカバーしているという印象でした。

また、1900年代初頭の風景やファッションが、これまた素敵で見入ってしまう。

どちらかと言うとサスペンスよりも「友情」に焦点を当てた映画なので、スリルを求める人には向いていません。

しかしながら、名俳優達が魅せる激動の時代を楽しむのであれば、とても見応えがあるのでオススメです!

記事の最後のほうに実話についても少し触れていますので、興味のある方は読んでみてくださいね。

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映画『アムステルダム』で流れる11曲をシーン別にご紹介!

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以下より重要なネタバレを含みます。

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『アムステルダム』の主要キャスト(役名ネタバレあり)

  • クリスチャン・ベール(バート・ベレンゼン)
  • マーゴット・ロビー(ヴァレリー・ヴォーズ)
  • ジョン・デヴィッド・ワシントン(ハロルド・ウッドマン)
  • ラミ・マレック(トム・ヴォーズ)
  • アニヤ・テイラー=ジョイ(リビー・ヴォーズ)
  • テイラー・スウィフト(リズ・ミーキンズ)
  • エド・ベグリー・ジュニア(ミーキンズ将軍)
  • ロバート・デ・ニーロ(ギル・ディレンベック将軍)
  • ゾーイ・サルダナ(イルマ)
  • クリス・ロック(ミルトン)
  • マイク・マイヤーズ(ポール)
  • マイケル・シャノン(ヘンリー)
  • アンドレア・ライズボロー(ベアトリス・ファンデンフーヴェル)

『アムステルダム』のネタバレ

復員兵達と看護師の友情

1933年、ニューヨーク。

医師のバートは、第1次世界大戦で負傷し、義眼でコルセットが必需品だ。

彼は同じように傷を負った復員兵のために、未承認の薬を作ったり支払いを次回にしてあげたり、慈善的な病院を経営している。

ある日、戦友で弁護士のハロルドに呼び出されると、リズ・ミーキンズという女性と対面した。

彼女は、バートとハロルドが敬愛しているミーキンズ将軍の娘。

実は将軍は突然死亡してしまったのだが、その死に疑問を持っているリズが「遺体を埋葬する前に、解剖して死因を突き止めて欲しい」と医師であるバートに依頼する。

そこで、バートがイルマという女医と共に解剖すると、胃の中にたくさん残っている白い液体を発見。

詳しい血液検査は後日だが、一定期間謎の液体を投与され毒殺された可能性が浮上した。

ーー

バートとハロルドがリズに報告しようとすると、彼女は「友人のヴォーズが心配して、手を引けと忠告して来た」と言って怯えている。

そして「父は恐ろしい事を知り、それを公表しようとして…」と言いかけると、突然男が飛び出て来てリズを車道に突き飛ばした。

転んだリズは、運悪く通りかかったトラックに轢かれ即死。

男が「この二人が彼女を押した!」と叫んだ事により、バートとハロルドが警察に追われる羽目になってしまった。

「一体どういう事だ、何が起きたんだ?」バートは逃げながら、昔を思い出す。

ーー

1918年、バートは義両親に「戦地に行って勲章をもらえば、上流階級の一員になれる」と強引に勧められ、危険な場所へ派遣された。

そこには黒人兵がいたが、ハロルドを筆頭に差別を訴え、白人の言う事を聞こうとしていなかった。

騒ぎを聞きつけたミーキンズ将軍は「人種差別のない軍隊にする。それには部下を敬う上官が必要だ」と言って、バートを上官に指名。

ハロルドはバートにも突っかかったが、バートは「自分はただの開業医で、義両親に厄介払いされてここに来たんだ」と明かし、ハロルド達は彼を信用する事にした。

ーー

差別なく一つになった部隊だったが、戦争は激化。

バートとハロルドは大怪我をすると、互いに手を握り励まし合った。

そんな軍人達を必死で助けていたのが、看護師のヴァレリー。

バートは片目を失い、ハロルドは左頬に大きな傷を負ったが、彼女の懸命な措置により一命は取り留める。

そして3人は意気投合し、親友となった。

ヴァレリーは、アムステルダムに行けば友人が義眼をくれると言って、二人を連れてオランダへ。

そこで、義眼を作っているロンドンのガラス業者ポール・カンタベリー(実はMI6/英国秘密情報部の情報部員)、アメリカの財務省役人・ヘンリー(実は米海軍の情報官)に出会う。

二人の素性を知らぬまま、バートは無事に義眼を手に入れ、ハロルドはヴァレリーと恋人同士になり、現地の復員兵を助けながら幸せな日々を送った。

しかしバートは、愛する妻・ベアトリスの元へ戻ろうと帰国を決意。

ハロルドとヴァレリーは必死で止めたが、バートは「君たちとの友情は、僕の人生で最も大切なものだ」と言って帰って行った。

そして1919年。

バートは帰国したがやはり義両親とうまく行かず、家を出て小さな診療所を作り復員兵を助けていた。

しかし自身もモルヒネ中毒になってしまい、国に収容されてしまう。

ハロルドが家柄の良いヴァレリーに「君の家の力を頼って彼を助けよう」と言うと、家出して来た身のヴァレリーは難色を示したが、親友のためならと了承。

バートは釈放されたが、ヴァレリーは置き手紙を残しハロルドの元から消えてしまった。

その後、バートとハロルドは人々を助けて生きて来たが、今回の怪事件に至る。

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ハロルドとヴァレリーは恋仲になりましたが、戦争の後遺症だけでなく、黒人と白人の恋愛も大変な時代です。

しかし、なぜヴァレリーはMI6や情報官と仲が良いのか!?魅力的ですが、謎だらけの女性でもありますね。

 

再会

自宅に戻ったバートが、ベアトリスに事情を話して相談すると、リズが言っていた「ヴォーズ」が超一流の実業家「トム・ヴォーズ」の事だと知る。

そこへ、バートの治療を受けているレム刑事が来て「上を納得させるために、君達二人が無実だと言う証拠を提出するように」と言ったため、二人は何かを知っているであろうヴォーズ家へ向かった。

豪邸に入ると、なんとそこにはヴァレリーが。

彼女は神経症とてんかんを患ってしまったが、二人を守るためにアムステルダムを離れたあと、ここニュージャージーの豪邸で創作活動をしていた。

しかも、トム・ヴォーズは兄でありリズは友人で、リズから困っていると相談を受け、バートとハロルドを紹介したと言う。

ハロルドは、ヴァレリーと今でも変わらぬ気持ちを確認し合ったが、ヴァレリーは「この国では黒人と付き合えない。変わってしまった自分が恥ずかしい」と悲しい表情を浮かべた。

ーー

バートとハロルドは、トムにこれまでの事を話し「ミーキンス将軍がヨーロッパにいた際、同行していた者(毒物を投与出来る者)は誰ですか」と聞く。

3人から事情を聞いたトムは「協力はするが個人的な関与は出来ないし、軍隊とは無関係だから情報を知らない」と言いつつも、〝海兵隊史上最高の英雄〟と言われる、ミーキンス将軍の友人、ギル・ディレンベック将軍が同行者を知っているだろう、と教える。

会う人を選ぶと言うディレンベック将軍だが、バートとハロルド、ヴァレリーはなんとかして会おうと考えた。

しかしその最中、ハロルドとヴァレリーはリズを突き飛ばした赤ら顔の男を発見。

後を付けると、彼は黒人の強制不妊手術が行われている病院に入り、そこには至る所に退役軍人からなる「5人委員会」という団体のロゴマークがあった。

見つかって、命からがら逃げ出した二人はバートと合流し、アムステルダムでお世話になった、カンタベリーとヘンリーに再会。

彼らは、ある秘密結社がドイツの組織と手を組み、世界征服を狙っていると明かした。

そこでディレンベックに戦友会で演説をしてもらい、殺人犯と黒幕を誘き出そうとバートに提案。

実は、ディレンベックもミーキンス親子を殺した犯人探しをしていたため、バートから事情を聞き演説を引き受けることになった。

バートは彼をトムにも会わせ、レム刑事達も協力体制を取り、「5人委員会」の陰謀を阻止するために立ち上がる。

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テイラー・スウィフトにも驚きましたが、主役級の俳優さん達が続々出て来て大満足!

恐ろしい陰謀の解明にまた近づきましたが、デ・ニーロが味方ならなんでも出来そう。笑

レム・ゲトワイラー刑事役のマティアス・スーナールツも、『ロフト.』『闇を生きる男』『オールド・ガード』などで好演している、素敵な俳優さんです!

 

黒幕とその後

ニューヨークで復員兵のための戦友会が行われ、ディレンベックが演説を始める。

するとリズを殺した赤ら顔の男が壇上のディレンベックを狙撃しようとし、ハロルドとヴァレリーが間一髪で止めた。

その男が首謀者はトムだと明かし、トムは警官に逮捕される。

彼はヒトラーに傾倒し、自らも世界征服を目論んでおり、アメリカの実業家達からなる「5人委員会」のメンバーとなったのだ。

ミーキンスは演説を断ったために殺され、さらにトムが、ヴァレリーと母にも毒物を盛っていた事が判明。

3人は、大きな陰謀を阻止したのだった。

ーー

しかし、富豪であるトムはすぐに釈放され、5人委員会は罪に問われる事なく姿を消した。

その後はディレンベックの発言も非難され、彼は静かに暮らす事を余儀なくされてしまう。

このままだと危険が伴うため、ハロルドとヴァレリーは海外へ逃げる事に。

バートは残り、いつか親友達が戻れるように、戦う事を決意するのだった。

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バートは奥さんと別れ、イルマと生きる決意をしたようですね。

友情のために戦う姿は素敵ですが、敵があまりにも大きくて心配。

スッキリとしたラストではありませんでしたが、エンドクレジットで実際の会見の映像が流れ、デ・ニーロの一語一句違わないスピーチに感動しました!!

 

実話「ビジネス・プロット」について

ここでちょっと実際にアメリカで起こった「ビジネス陰謀事件」の事を書いておきます。

ビジネス・プロットとは、1933年、フランクリン・D・ルーズベルト大統領を失脚させるために、ヒトラーに傾倒した実業家達がファシスト退役軍人組織立ち上げ、当時英雄だったスメドレー・バトラー少佐を独裁者にしてしまおう!と企んだ政治的陰謀。

話を持ちかけられたバトラーは、壇上でこの黒い陰謀を暴露したんですね。カッコイイ!

彼はのちに反戦活動家になり、「War Is a Racket(戦争はいかがわしい商売だ)」という本も出しています。

色々過激な発言が物議を醸した方でもあるみたいですが、戦争に対しての考え方はずっと語り継がれるべきだと思いました!

エンドクレジットで流れた映像↓

Major General Smedley Butler bares plot by 'Fascists' in Newtown Square Pennsylva...HD Stock Footage

 

『アムステルダム』が好きな人にオススメの映画

映画『アムステルダム』が好きな人にオススメの映画をピックアップ!

ミッドナイト・ガイズ

映画『ミッドナイト・ガイズ』予告編

アル・パチーノ、クリストファー・ウォーケン、アラン・アーキンといった豪華キャストが贈る、おじさん達のクライムドラマ。

笑って泣ける王道の映画で「いつまでも変わらない友情ってあるんだな」と思わせてくれる、ほっこり温かい作品です!

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Netflix作品を中心に漁っている、ビール党のアラフォーで二児の母beersy(ビアシィ)。子ども就寝後、夜な夜なテレビを付けては夫婦で動画視聴。仕事や家事から意識を飛ばすのが得意技。アクション好きだが、雑食性で何でも鑑賞するタイプ。しかしその実態はただの筋肉好き。いつかシルヴェスター・スタローンに会うのが夢であり、それゆえ筋トレを欠かさない(嘘)