2024年11月16日公開の映画『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺』。監督は『カメラを止めるな!』で知られる上田慎一郎が務めます。原作は韓国ドラマ『元カレは天才詐欺師~38師機動隊~』です。
熊沢二郎(演;内野聖陽)が天才詐欺師の氷室(演:岡田将生)と手を組むのが物語の始まりとなります。
アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺
- 未体験
- 5
- 感情移入
- 4
- 再鑑賞
- 5
- 予測不可
- 5
- サウンド
- 4
主人公の成長がすごい!個性豊かな詐欺師たちにも引き込まれる中、もう一度見たくなる映画です!
評価は年間100作品以上を鑑賞する執筆者こでぃもの実体験をもとにしています。
『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺』は人気?どんな人が観ている?
土曜の昼の回に、川崎へ!映画館の席は8割ほど埋まってました。男女の割合は半々くらいで、30代以上の人が多そうでしたね。2人組以上の人も多く、上映開始までに会話を楽しむ人も!高齢の夫婦や1人で見に来る人も見受けられました。
中くらいの大きさのシアターで、人が多いのは久しぶりに見たかもしれません。邦画であり、映画『カメラを止めるな!』で知られる上田慎一郎の監督作品ということで人気もあるかもしれないな~と思いました。
以下より重要なネタバレを含みます。
ネタバレありで解説!
熊沢と橘
税務署に勤める熊沢は部下の望月さくらと共に仕事にあたっていました。望月は巨額の脱税者の橘を追い詰めたいと考え、チャリティーイベントへ。熊沢は仕方なく付き添い、橘に食ってかかる望月を止めようとしますが…橘は熊沢に危害を加えられたと訴えます。
熊沢は署長に相談し、橘に謝罪することでクビを免れましたが…望月は国税庁への栄転が取り消されました。熊沢は望月の許しを請いに橘の元へ。彼女は許されましたが、橘が6年前にも税務署員をクビに追い込んだことを知ります。
熊沢は同期の岡本のことだとわかり、自殺した彼のことを思い出すのでした。
熊沢と橘の一連の件が語られる一方で、詐欺師の氷室に騙されたりもしましたね。中古車を買うにあたり、氷室に騙されるのですが…彼はお金を返し、橘を詐欺にはめると言うのでした。
熊沢は橘に復讐するため、氷室と手を組むという展開はワクワクします。読めない展開がおもしろいです!
詐欺師の氷室
熊沢は詐欺の被害に遭う中、詐欺師の氷室を頼ることに…橘に詐欺を仕掛けるため、氷室は仲間を集めます。
演者の美来(みく)、印刷屋の丸(まる)、当たり屋の村井、闇金業者の五十嵐ルリ子とその娘…仲間を集めた氷室は熊沢に計画を伝えます。熊沢は訓練を積みその甲斐もあって、橘とのビリヤードの勝負に勝利。
その際に、熊沢は不動産取引に関する電話をし、橘の気を引きます。橘は熊沢のことを所長に黙っている代わりに不動産屋を紹介するよう言いました。
不動産屋を演じるのは氷室。つつがなく土地を紹介し、15億円の価値があると言いました。行政書士と共に登記などの確認を済ませた橘は土地購入の準備を進めます。
熊沢は詐欺に加担することを良しとしませんでしたが覚悟を決めましたね。ビリヤードの訓練や役作りに努める姿が印象的です。ビリヤードには磁力の仕掛けをしていたこともあり、100万円を掛けた勝負に勝つのがすごかったです!
訓練や準備、個性的な仲間たちの登場など、映画の尺に合わせた展開づくりが良かったとも思いました。元となっている韓国ドラマも見たくなりました。
取引
氷室は他人の土地を売る詐欺の計画を進めます。準備をしていると、熊沢の娘がアジトにやってきました。家族用GPSを追ってきたらしく、氷室は即席で劇団員のフリをします。熊沢も社会人劇団の練習をしていると娘と妻に説明。その際に氷室も一緒に夕飯の席を共にしたのです。
熊沢は氷室には警察の父がおり、刑務所にいると知りました。氷室は時折、父の面会に行っていたのです。
橘に売るための土地を見せ、契約者を演じる美来と会う日を迎えます。美来は見せられた写真は、すべて土地の写真だと言い当て、橘は地面師詐欺ではないと安心。そんな折、署長から連絡を受け、熊沢と岡本が同期だと知って氷室を怪しみます。
橘は不動産屋に急行。氷室がなりすましをしているとわかり、契約と同時に警察に付き出すことを目論みます。契約当日、外の車にいた熊沢は橘の不審な動きを確認し、氷室に連絡。橘が契約書に印鑑を押す直前、凶日を言い訳に逃げ出します。
外に出た氷室、美来、ルリ子ですが、他の仲間と共に捕まってしまいました。橘は警察に彼らを引き渡して安堵…と思いきや、14億円が偽札にすり替わっているのに気付きます。すり替えの細工がわかりましたが、大金は氷室たちが持ち逃げ…氷室は7人目の詐欺師と合流し、仲間たちと祝杯をあげました。
氷室の母が弁護士であると明かされていましたが、まさか橘と行動を共にしていた行政書士だったとは驚きでしたね!終盤にかけて、タイトルにある「七人の詐欺師」は誰を指すのか気になっていたため納得の展開でした。
氷室は父の面会時に「お母さんは面会に来ると泣いてしまう」と言っていたのも印象的…彼らの覚悟も伝わってきました。
橘から金をもらっていた署長の末路や、望月の活躍も良かったです。
詐欺師をテーマにした関連作品ならこちらもオススメ!
詐欺をテーマにしたリアルなドラマや、エンターテインメント性の高い映画なら以下の2作品もおすすめ!
地面師たち(Netflixドラマ)
『アングリースクワッド 公務員と7人の詐欺師』に心を奪われた方には、同じ詐欺をテーマにした『地面師たち』もオススメ!土地の所有者になりすます詐欺師「地面師」の活動を描いたもので、実際に起きた事件を元にしたストーリーが展開されます。
主要キャストは、詐欺グループの交渉役を演じる綾野剛、リーダー役の豊川悦司、手配役を担う小池栄子など。
『アングリースクワッド』の詐欺師たちの奇抜でエンターテインメント性あふれる手法とは異なり、『地面師たち』では、現実に基づいたリアルで緻密な詐欺の手口が描かれています。偽造された書類、巧みな演技、巧妙な連携プレイによってターゲットを追い込む過程は、息を飲む展開の連続です。特に交渉役や司法書士役の詐欺師たちが緻密に仕組んだ罠は、観る者を騙し、惹きつけます。
また、詐欺師たちの内面や人間関係が丁寧に描かれることで、犯罪劇でありながら人間ドラマとしても深みがあります。『アングリースクワッド』同様、詐欺の裏に隠れた人間の本性や社会の闇を考えさせられる作品です。
『アングリースクワッド』はエンターテインメント性のあるタイプでしたが、『地面師たち』では現実に基づいたリアルで緻密な詐欺の手口が見どころ!偽造書類、巧みな演技と連携プレイに見入ってしまうでしょう。
キャラクターたちの緻密な心理描写と、緊張感あふれる駆け引きや裏切りの連鎖…ドラマならではのじっくり描くのがポイントです。
コンフィデンスマンJP 英雄編
詐欺師エンターテインメント映画と言えば、『コンフィデンスマンJP 英雄編』もおすすめ。2022年公開のシリーズ最終章では、ダー子(演:長澤まさみ)、ボクちゃん(演:東出昌大)、リチャード(演:小日向文世)が再集結します。
東南アジアの架空の国で、伝説の秘宝を巡って詐欺師同士が激しい頭脳戦を繰り広げますよ。多彩なキャラクターが描く友情と裏切りの物語に注目です。
詐欺の醍醐味を存分に味わえる「どんでん返し」の連続が特徴!ダー子たち詐欺師チームは、シリーズ中でも最強のターゲットに挑み、精緻な計画と心理戦を駆使して戦います。
『アングリースクワッド』のような個性的なキャラクターによるコミカルな駆け引きと、仲間との絆が印象的な一方、裏切りが絡む緊張感は『コンフィデンスマンJP』ならではです。豪華で異国情緒あふれるロケーションが詐欺劇を引き立てるため、視覚的にも楽しめますよ。