2024年3月15日公開の映画『変な家』は、雨穴によるYouTube動画が原作のミステリー小説を映画化した作品。
動画配信者と設計士が、不可解な間取りを持つ家の謎を追う物語が描かれます。
監督は石川淳一、主演に間宮祥太朗と佐藤二朗、主題歌はアイナ・ジ・エンドが務めます。
この記事では、映画『変な家』を劇場鑑賞した筆者がネタバレ解説をご紹介です!
どんな映画?おすすめポイントを紹介!
変な家
- 未体験
- 4
- 感情移入
- 2
- 再鑑賞
- 5
- 予測不可
- 4
- サウンド
- 3
おかしな家の間取りに隠された秘密が明らかになっていくのにハラハラさせられる映画でした!
評価は年間100作品以上を鑑賞する執筆者こでぃもの実体験をもとにしています。
ストーリー
オカルト系の動画を投稿していた「雨男」こと、雨宮が変な家の間取りを見つけて状況が怪しくなっていくのにハラハラ!
死体遺棄事件が関わってくる中、他の物件の間取りも調べていくというストーリーに引き込まれました。紐解かれていくにつれて恐ろしさが増していきますよ!自分は好きでした。
演出
手持ちカメラで撮影した映像を使ったり、音の緩急がホラーっぽさをより強調してくれたり、演出も凄い!
ビックリさせられる演出というより、徐々に真実がわかっていく際の背筋が凍るような恐ろしさがありました。
その作品ならではの切り口
オカルトとホラーを合わせながらも、間取りと家をテーマにしているのは今作ならでは。図面を見ながらどんなストーリーが思い浮かぶか栗原の言葉に耳を傾けたくなりますね。
そんな栗原を演じる佐藤二朗の独特な演技にも注目ですよ。
この映画のおすすめポイント
ホラーからのゾクゾクするタイプのストーリーに変わっていくのは個人的に好みでした!一方で、コメディ要素は無いです。
佐藤二朗演じる栗原は変わった人ではありますが、いつものノリで笑わせてくることはありませんよ。なので、「もっと軽く楽しめるエンタメ映画かと思った」とならないよう気を付けてくださいね…!
以下より重要なネタバレを含みます。
ネタバレありで解説!
変な家
オカルト系の動画を投稿していた雨宮は、マンネリ化を防ぐための企画を探していました。そこにマネージャーの柳岡が引っ越しのために家を買おうかと考えていると言って、変わった図面を見せます。雨宮は栗原に相談すると、彼は一つのストーリーを語りました。
雨宮は殺人が行いやすい間取りだと解釈して動画を投稿。再生数も伸びました。
結局、柳岡は家を買うのを止めたとのこと。聞けば近くでバラバラ遺体が見つかったと知り驚きますが…とあるメッセージが届いてさらに状況が変わります。
「投稿された家に心当たりがある」と連絡してきた女性、柚希を家に招くことにした雨宮。彼女から「夫が行方不明になった、埼玉に似た物件があって調べて欲しい」と言われて栗原に相談しに行きます。
雨宮は間取りをもらって栗原に会いに行き、依頼人と共に検証を頼みます。そうして怪しい点がいくつか見つかる中、栗原は「これ以上は付き合いきれない」と言いました。
柳岡が持ってきた物件の間取りから始まる不気味な物語…栗原の変人ぷりと、彼が語る間取りから見えてくる物語に引き込まれていきますね。
一般的な生活をするにあたり不可解に思える間取りから、客を招いて秘密裏に殺しを行っているのではという物語…これを聞いた雨宮は信じられない面持ちだったので、同じ気持ちになりました。
正体
雨宮は柚希と埼玉の家を調査すると、推測通り子供部屋の棚の先に隠し通路が…すると、栗原から連絡が入り、「行方不明になった男性に結婚歴は無い」と言われました。柚希の正体を怪しみ、慌てて家から出る雨宮。近所の人に助けを求めると、依頼人は去っていきました。
雨宮は近所の人から柚希の正体は埼玉の家に住む夫婦の妹だと聞き、彼女が再び家を訪ねてきたため目的を聞きます。柚希は姉夫婦が行方不明なったこと、片淵の本家も妙な間取りをしているということから調査に向かいました。
そして、雨宮たちは片淵家は慣習で左手を捧げる儀式を行っていたと知ります。そして、柚希の母親もこれに加担しており、雨宮を襲ったという経緯も明らかに…雨宮たちは片渕家の本家に行くことします。
すると柚希の姉や片淵の家の者が雨宮たちを迎え、ゆっくりしていくよう言われました。しかし、気を失ってしまった雨宮たち…そうして目を覚ますと栗原がおり、薬が盛られていたのではと言われました。
片淵家が左手を祀るようになったのは、過去に当主がらみのいざこざがあったから…そこから、生まれてくる子に左手が無かったり、病や死者も発生して「呪いだ」とされていましたね。
片淵家が定期的に左手を収集しているとは恐ろしい…そうして、雨宮たちを家に迎えましたが無事に帰れないのではと冷や冷やします。
夫婦
本家は玄関から入って左に洗面所、右側は物置、廊下の奥に仏壇…そして6つの部屋がありました。仏壇の裏から続く通路の先では儀式が行われているようだとわかりますが、片淵に雇われていた清次が雨宮たちを拘束。柚希の姉夫婦がいた牢屋へ容れ、雨宮たちは夫婦から真相を聞きました。
姉夫婦は片淵家の当主となる子供を育てることになって、都内に一軒家を建てました。そこで心臓麻痺で亡くなった男の左手を送り、慣習に従っていましたが…夫婦は自分たちの子供が産まれて埼玉の家に引っ越したことで状況が変わります。何者かが本家に左手を送ったことなどが判明し、本家に呼ばれて牢屋に容れられたと語るのでした。
雨宮は当主に左手を切り落とされそうになりますが、姉夫婦の夫が助けてくれたことで慌てて逃走。片淵家の一族が襲ってくる中、隠れてやり過ごそうとしますが…清次がショットガンを突きつけて雨宮を殺そうとします。すると、片淵の祖父が清次を殺し、その左手を儀式用に持ち去り地下へと消えていきました。
その騒ぎの際に家は火事になり、多くの者が亡くなった…その後、儀式は終わったかと思われましたが、片淵によって洗脳された者たちは不穏な動きを見せて物語は幕を閉じます。
柚希の姉夫婦は殺人を行っていない一方で、片淵家や洗脳された人たちは殺人を簡単に行うのは恐ろしかったですね。カルト的なホラーが始まる映画の後半ですが、雨宮たちが無事に逃げられるのかハラハラしました。
全てが火に包まれるラストから、これで片淵家の儀式は終わったのではと思いましたが…炊き出しの女性たちが不穏な動きを見せて恐ろしく感じましたね。続編が作られるならぜひ、見たいですね。
※映画を観てから小説を買いました!読んだら改めて映画も鑑賞したいですね。
『変な家』のテーマが好きならこちら映画もオススメ!
家族や村の恐ろしい慣習と共に描かれる作品を2つご紹介!
鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
水木しげるの生誕100周年を記念して制作されたアニメ映画。謎の男(後の鬼太郎の父)や水木の出会いや、龍賀一族と村に関する真実を追っていく物語が描かれます。声優は関俊彦や木内秀信、監督は古賀豪が務めました。
鬼太郎の誕生にまつわる感動的なストーリーが見どころとなる作品。一方で、村の慣習などがわかっていく展開は冷や冷やさせられますよ。
妖怪やアクションを交えてアニメーション映画としても楽しみたい方におすすめです。
ヘレディタリー/継承
アリ・アスター監督による心理ホラー映画。ストーリーは、グラハム家のアニー(トニ・コレット)が母の死をきっかけに家族に隠された恐ろしい秘密を解き明かしていく過程を追います。
他の主要キャストにはガブリエル・バーン、アレックス・ウォルフ、ミリー・シャピロがいます。
家族にまつわる暗い秘密や超自然的な要素が、少しずつ明らかになるという点が挙げられるのにハラハラ!深い心理的な恐怖と家族間の複雑な関係、そして驚くべき展開が見どころです。
アスター監督の緻密な演出とトニ・コレットの圧倒的な演技が映画を一層引き立てているのに注目ですよ。より恐ろしいホラー映画が見たい人におすすめですね。