2023年11月17日公開の映画『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』。
元工作員となったジェームズ・ボンド(演:ダニエル・クレイグ)は、平穏な隠遁生活を送っていたが、要請を受け新たな任務へ。捜査は陰謀と復讐に絡む巨大な陰謀へと発展し、ボンドは愛と過去、そして運命を見つめ直すことになります。監督はキャリー・ジョージ・フクナガ、共演にはレア・セドゥ、ラミ・マレックなど。
この記事では、映画『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』で流れた音楽のうち16曲をご紹介します。※この記事はネタバレを含みます
『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』で流れた曲とは?
マドレーの母が音楽をかけているシーン
Dalida - Dans la ville endormie
マドレーの母が音楽をかけているシーンで流れた曲は、Dalidaの『Dans la ville endormie』です。
雪が降り積もる開けた場所を歩く人の姿を上空から映す映画の冒頭。その後、一軒の家が映し出され、少女・マドレーヌと母親が一緒に過ごしているシーンとなり、母はゆったりとした音楽を流していましたね。
静かで憂うような、夜の空気がそのまま音になったような、そんな感じの落ち着いた曲でした。ダリダの柔らかな歌が耳元でささやいたり、思いを伝えるような雰囲気も感j氏あせます。

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マドレーヌがヘッドホンで音楽を聴いているシーン
Louise Attaque - J’t’emmène au vent
マドレーヌがヘッドホンで音楽を聴いているシーンで流れた曲は、Louise Attaqueの『J’t’emmène au vent』です。
マドレーヌがヘッドホンで曲を聞きながら一人遊びをしていました。母に呼ばれて薬を持っていきつつ、母子が父のことを話しますよ。
マドレーヌが聞いていたのはフランスのロックバンド、ルイーズ・アタックによる代表曲であり、1997年に発表されました。当時から若者の自由を象徴するような曲で、明るく、少し粗削りながらも温かみのある音楽が印象的。
軽やかなバイオリンソロが良いですね。力まず自然体な感じのする男性ヴォーカルの歌と合わせて街角で演奏しているような親しみやすさがありますよ。
ボンドがマドレーヌとホテルで過ごすシーン
Enrico Caruso - La Bohème: “Che gelida manina”
ボンドがマドレーヌとホテルで過ごすシーンで流れた曲は、Enrico Carusoの『La Bohème: “Che gelida manina”』です。
ホテルでボンドとマドレーヌが夜を過ごす際に蓄音機から音楽が流れていました。二人の関係性がわかるシーンでしたね。流れた曲はプッチーニ「ラ・ボエーム」の名アリアで、恋に落ちた詩人ロドルフォが自らの思いを告げる場面で歌われる有名な曲です。
気品があり、ゆるやかな高揚がロマンを運ぶようですね。厚みあるテノールが胸の奥にまっすぐ届く歌も印象的です。
オープニング
Billie Eilish - No Time To Die
オープニングで流れた曲は、Billie Eilishの『No Time To Die』です。
銃で撃たれ、追われるボンドは車を走らせてマドレーヌと駅へ。ボンドはマドレーヌを電車に乗せ、「会うのはこれきりだ」と伝えました。そのまま映画のオープニングとなり、ビリー・アイリッシュが18歳で歌い上げた主題歌が流れます。
雰囲気は暗く重く、それでいて繊細な緊張感に包まれています。低音のピアノとオーケストラが静かに広がり、アイリッシュの息を含んだ声がまるで心の独白のように流れるのが特徴的です。
ボンドが車で街に出るシーン
Teacha Dee - Rastafari Way
ボンドが車で街に出るシーンで流れた曲は、Teacha Deeの『Rastafari Way』です。
ボンドは魚を持ってボートから降り、葉巻の跡に気付きます。そうしてゆったり過ごした後、車で街へ。街にいた若者が音楽を流していましたね。
流れた音楽は陽だまりのように穏やかな曲で、ルーツ・レゲエの落ち着きが漂います。やわらかな歌声にギターや軽いホーンが寄り添い、肩の力を抜いて聴ける曲ですね。そうして米国務省のローガン・アッシュと話すシーンに移っていきます。
ボンドがローガンたちと歩くシーン
Sister Nancy - Bam Bam
ボンドがローガンたちと歩くシーンで流れた曲は、Sister Nancyの『Bam Bam』です。
ボンドはローガン・アッシュたちと歩いている際に音楽が流れました。流れた曲は1982年のダンスホール名曲で、「バンバン♪」という歌詞が印象的ですね。女性ヴォーカルによる自信に満ちた歌と、軽快なリズムが小気味良いです。
そうして引退したボンドは米英の件を聞きつつ「静かに喋れる場所へ」と言われ、クラブに案内するのでした。
ボンドたちがクラブで話すシーン
Buju Banton - Champion
ボンドたちがクラブで話すシーンで流れた曲は、Buju Bantonの『Champion』です。
クラブでは1995年発表のレゲエ・ダンスホールの定番曲が流れていました。ブジュ・バントンの代表作の一つであり、力強くて自己肯定を打ち出すようなエネルギーに満ちた曲でしたね。
低音のベースが重く響き、リズムは直線的で弾むように進みます。ブジュのしゃがれた声が「自分はチャンピオンだ」と宣言するように響き、聴く人に前へ進む勇気を与えますよ。そんなクラブを楽しむ人たちであふれていました。
ボンドがバーに向かうシーン
Shaggy feat. Noah Powa - Money Up
ボンドがバーに向かうシーンで流れた曲は、Shaggy feat. Noah Powaの『Money Up』です。
オブリチェフについてボンドは聞き、英国に寝返った男の話やラボから拉致された件を聞きました。スペクターの集会も関わっていきますよ。そうしてボンドがカウンターに向かう際に音楽が変わりました。
流れた曲はレゲエとヒップホップの融合を得意とするシャギーらしい、陽気で遊び心のある曲です。明るく都会的で、低音のリズムと軽快なラップが交互に響きます。シャギー特有のしゃがれた声と、合いの手のように流れるコーラスが印象的でした。
クラブを出てボンドが車に乗るシーン
Jah Buzz - Love in the Arena
クラブを出てボンドが車に乗るシーンで流れた曲は、Jah Buzzの『Love in the Arena』です。
クラブを後にしたボンドは車のエンジンをかけますが…動きませんでしたね。そのしーんでノリの良い音楽が流れました。流れた曲はルーツ・レゲエの流れを汲む落ち着いた曲で、古き良きジャマイカ音楽の温もりがあります。
全体の雰囲気は穏やかで、ヴォーカルの柔らかい声が夜風のように包み込むようでした。この後、ボンドはノーミという女性に声をかけられ、バイクの後ろに乗って送ってもらうのでした。
ボンドがサンティアゴの街を歩くシーン1曲目
La Sonora Matancera - Cumbia de Buenaventura
ボンドがサンティアゴの街を歩くシーン1曲目で流れた曲は、La Sonora Matanceraの『Cumbia de Buenaventura』です。
ボンドがサンティアゴ(キューバ)に得着すると、人々で賑わう街のシーンへ。街を歩いていくボンドは堂々としていましたね。流れていた曲はキューバや中南米で長く親しまれてきた老舗楽団による陽気なクンビアです。
トランペットと打楽器が軽やかに掛け合い、思わず体が動くような楽しさに満ちた曲でしたね。三拍子系のステップで、街角の陽気なパレードを思わせます。
ボンドがサンティアゴの街を歩くシーン2曲目
Andrés Emilio Cartaya - Golpe de Arpa
ボンドがサンティアゴの街を歩くシーン2曲目で流れた曲は、Andrés Emilio Cartayaの『Golpe de Arpa』です。
ボンドが歩いている際に少し音楽が混ざっていました。流れていたのは伝統的なラテン音楽の要素を持つ器楽曲で、アルパ(ハープ)を中心とした軽快な響きが特徴。全体は明るく、南米の陽射しを思わせる軽やかさがあります。
アルパ(ハープ)が弾むリズムを刻み、打楽器が支えるような感じの曲です。素朴ながらも生き生きとした雰囲気を作っていました。
ボンドがパロマに会うシーン
Pío Leiva - Ritmo de mi Cuba
ボンドがパロマに会うシーンで流れた曲は、Pío Leivaの『Ritmo de mi Cuba』です。
街を歩いて店に着いたボンドがパロマと出会う際に音楽が流れました。流れた曲はキューバ音楽界の重鎮であるピオ・レイバによる、トラディショナルなソン(Son)の名曲です。
サルサよりも落ち着いたテンポで、軽やかに身体を揺らせる心地よさがあります。リズムがリードし、ギターやトランペットが柔らかく呼応するような明るい曲で、歌声は深みがある感じが印象的でした。パロマが初めての任務と言うのでどうなるかなと思いましたね。
ボンドがパロマにドリンクを勧めるシーン
Cuban Jazz Legends feat. Peruchin Nieto, Tata Güines, Changuito - La Mulata Rumbera
ボンドがパロマにドリンクを勧めるシーンで流れた曲は、Cuban Jazz Legends feat. Peruchin Nieto, Tata Güines, Changuitoの『La Mulata Rumbera』です。
着替えたボンドは任務へ!パロマにドリンクを勧める際にキューバン・ジャズの名手たちによるセッションが流れました。複雑なパーカッションとブラスの掛け合いが特徴で、活気に満ちた曲です。
夜のラテンバーの熱気をそのまま詰め込んだような演奏でしたね。フィリックスに乾杯した2人は早々に現場に向かいますよ。怪しげな取引をする輩が気になるシーンに続きました。
会場のステージで演奏者が演奏するシーン
Ernesto Duarte Brito(作曲) - ¿Dónde estabas tú?
会場のステージで演奏者が演奏するシーンで流れた曲は、Ernesto Duarte Brito(作曲)の『¿Dónde estabas tú?』です。
ボンドが会場に入ると1950年代キューバの名作バラードが流れていました。何でもありのパーティーにてロシアの科学者を探せるのか…スペクターたちの様子も気になりますね。
流れた曲はロマンチックな感じと力住良さを兼ねた感じが印象的でした。ステージで歌い、演奏する楽団にも注目です。※上記の動画は他の演奏者による曲です。
Qが家で料理をするシーン
Yma Sumac - Incacho (Royal Anthem)
Qが家で料理をするシーンで流れた曲は、Yma Sumacの『Incacho (Royal Anthem)』です。
Qが料理の準備をしている際に部屋で1950年代のペルー出身歌手イマ・スマックによる代表曲の一つが流れていました。彼女の広大な音域と独特の神秘的な響きは聞いていて印象に残りますね。
荘厳でアンデスの儀式を思わせる重厚なリズムとコーラスが特徴でした。来訪者に気付いたQは諦めた様子でドアを開けますが…こうして巻き込まれていく様子は見どころの一つですね。
マドレーヌが車に娘を乗せて走るシーン
Louis Armstrong - We Have All the Time in the World
マドレーヌが車に娘を乗せて走るシーンで流れた曲は、Louis Armstrongの『We Have All the Time in the World』です。
映画のラストではボンドの最期を見送るようにしてシーンが終わり、追悼へ…意外なラストを経てマドレーヌが娘のマチルドにボンドのことを話し、車を走らせるシーンとなりましたね。
映画『女王陛下の007』のためにジョン・バリーが作曲した曲が流れ、ルイ・アームストロングによるバラードは温かく、静かな幸福とほろ苦い哀しみが同居しているようでしたね。ゆったりとしたテンポで柔らかい音色が優しく寄り添います。
