2025年1月10日から日本テレビ系列で放送されているアニメ『薬屋のひとりごと 第2期』
オンライン小説、ライトノベル作品を原作としている。
猫猫の出生が暴かれた前作。
壬氏との距離も縮まっていたが、後宮にはまだ謎が多く残っている。

大ヒットした「薬屋のひとりごと」第2期がやっと始まりました!
前回は、羅漢の温かくも少々切ないストーリーで締めくくられていましたが、壬氏の猫猫へのデレが加速して心臓が飛び出そうでした…。
玉葉妃や楼蘭妃の動向も気になります!
この記事では、アニメ『薬屋のひとりごと 第2期』の、1話ごとのネタバレ解説&感想をご紹介します。
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アニメ『薬屋のひとりごと 第2期』で流れる主題歌/OP/ED/挿入曲をご紹介!
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『薬屋のひとりごと 第2期』の評価&感想
- 感動度
- 3
- 脳トレ度
- 4
- 再鑑賞度
- 4
- サプライズ度
- 5
- 話題性
- 5
待ちに待った第2シーズン!
見どころは、まず前回謎に包まれていた楼蘭妃(ロウランヒ)。声優もまだ明かされていなかったので大注目です。
騒ぎを起こしていた黒幕も明かされていないので、本作でも圧倒的な技術で美しい後宮が描かれていますが、つい不穏な空気を感じてしまいます。
(ストーリーの合間に怪しい人影が出て来るのが怖い)
そして1話から新キャラも登場。
壬氏と猫猫の関係についても目が離せません…というか壬氏の一挙手一投足が気になって仕方がない。
猫猫も相変わらずの変人っぷりで、どのように謎を解き明かして行くのか。
今シーズンも毎話わくわくさせてもらいましょう!
以下より重要なネタバレを含みます。
『薬屋のひとりごと』のネタバレ
第25話/猫猫と毛毛
桜の花びらが舞う後宮では、変わらず壬氏(ジンシ)が高順とともに見回りをしている。
玉葉妃(ギョクヨウヒ)の第二子はお腹の中で順調に育っていた。
そんな中、侍女や下女達の間では大衆小説が大流行し、字が読めない小蘭(シャオラン)も猫猫(マオマオ)に「文字を教えて!」と頼み始める。
猫猫は、それが女官の識字率を上げようとしている壬氏の仕業だと気付き「回りくどい事をするものだ」と失笑した。
ーー
皇帝と玉葉妃の第一子である鈴麗(リンリー)が大きくなって来たため、護衛と侍女の紅娘(ホンニャン)、猫猫が付き添い外を散歩をする事に。
玉葉妃は猫猫に「花や生き物の事を教えてあげて」と頼んだが、娘の将来のために手に職を付けておきたいのだろう。
しばらく散歩をしていると、鈴麗が子猫を発見する。
猫猫が捕まえようとしたが失敗、快活な下女・子翠(シスイ)が現れ素早い動きで子猫を捕獲し「これ、いるの?」と言ってニコリと差し出した。
子猫はとりあえず猫猫が引き取り、医官の虞淵(グエン)と共に甲斐甲斐しく世話を始める。
鈴麗がその子猫を欲しがっており、娘に甘い皇帝は「毛毛(マオマオ)」と名付け、そして「盗賊改(とうぞくあらため)」という、医局の備蓄を荒らすネズミを退治させるという役割を持たせ、後宮で飼う事になった。
動物を飼うには許可や去勢が必要なため、なぜ子猫が迷い込んだのかは不明だったが、後宮に出入りする荷車に入り込んでしまったのだろうと結論づけられた。
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玉葉妃の侍女・紅娘と桜花(インファ)が「手早く済ませましょう、もうすぐキャラバンが来るから」と話しながら荷物を整理している。
猫猫は聞きなれない「キャラバン」という言葉に首を傾げた。
その頃、2人の女性が乗った馬車が、砂漠を歩いていた。

もう、壬氏の猫吸いが観られただけで大満足です…。
猫まで出て来るなんて、どれだけこの作品のファンを増やしたら気が済むんだ…。
期待が大き過ぎてどうなるかな?と思いましたが、変わらぬ映像美と猫猫に安堵しました。
鈴麗ちゃんには、すくすくと無事に大きくなって欲しいと願うばかりです。
第26話/隊商
後宮にキャラバン(隊商)がやって来て、上級妃や侍女達、街の人々も浮かれている。
玉葉も色々と買い物をしたが、猫猫は購入した服の帯の位置などから、全て妊婦用の服である事に気付いた。
商人は「流行のもの」と言っていたらしいが、猫猫は玉葉の懐妊が外に漏れているのではないかと推測。
すぐさま「帯を腰で結ぶタイプの物があるか、聞いてみてください」と警告すると、玉葉と紅娘はハッとして気を引き締めた。
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梨花妃はお腹を大事そうにさすりながら、キャラバンの買い出しを次女頭である杏(シン)にお願いする。
杏は「あとで買いに行かせます」と言って下がったが、直後診療所から何かの情報を手に入れ、険しい顔つきになった。
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小蘭とキャラバンの商品を見回っていると、子翠(シスイ)が現れる。
彼女と小蘭は友達であり、ここに来て半年ほどのようだ。
子翠は大の昆虫好きで、昆虫からも様々な薬が取れるため猫猫も仲良くなった。
ーー
キャラバンが去った後、後宮内では香りの強い香油が大流行。
しかし猫猫は、その中に流産作用のある薔薇(ソウビ)の香りが混じっている事に気付き、流行ものに目がない水晶宮の女官達の匂いを嗅ぎに行く。
すると、どの香りも妊婦に害のあるものばかりで、またキャラバンが持ち込んだものの中に堕胎作用のあるものが多くあった事が判明し、壬氏や玉葉に伝えた。
そして「これって、あの『鉛入りの毒おしろい事件(アニメ第1期)』に似ていませんか」と明かす。
逃亡中の翠苓の行方や、壬氏の暗殺未遂事件もまだ未解決のまま。
猫猫はどこまでが憶測で、どこまでが確信なのか…と頭を抱える。
ーー
壬氏は高順から、中級妃の静妃(ジンヒ)が毒によって亡くなったと聞かされる。
その頃、紅娘は玉葉に茶を淹れていたが、その顔は無表情だった。

色々伏線がありそうで考え過ぎてしまいました!
梨花妃もご懐妊の様子でしたね。でも杏はものすごい表情をしていました…まだ敵なのか味方なのか分からなくて怖い。
子翠が言っていた「北で変な臭いがする」という言葉も気になる。
彼女はなんとなく猫猫と同じように博識な気がするので、あえて猫猫に「何かがある」と伝えたような気が!
しかも、途中何やら咳き込んだ人物が瓶を手に取ろうとしていました。
猫猫が「衛生管理がしっかりとされていれば疫病は流行らない」と語っていましたが、この流れはその伏線?
予告では、何かの病にかかった人が不気味に笑っていました…。
今回は「普通に使えば良い効能があるものや、どこにあってもおかしくないようなものが毒になり得る」というお話だったので、あの翠苓が絡んでいるような気がしてなりません。
ついに殺人事件も勃発してしまいましたし、壬氏もますます忙しくなりそう。
30分のアニメでこんなに楽しめて良いものか…!このあとの展開がハラハラするし、怖くてたまらない!
第27話/冬人夏草
壬氏は猫猫に、女官がキノコを採って食べ食中毒になったため、後宮に生えているキノコを調べて欲しいと命じる。
また、下女達のために学校(職業訓練所)を作ろうとするなど、何か積極的に動いていた。
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亡くなった静妃の葬儀が行われる。
紅娘によると、静妃は嫉妬深く性格に難のある人物で、 他の妃への中傷や下の身分のものには暴力を振るっていたという。
そんな折、懐妊した玉葉が毒を盛られた事件があり、壬氏が静妃に話を聞きに行ったが「証拠はございまして?」と言って不敵な笑みを浮かべたらしい。
しかし静妃は、1年前から体調を崩し、今回食中毒で亡くなった。
猫猫が紅娘と共に棺の前に献花すると、髪の毛が無くなり身体中がただれた「宗妃(ソウヒ)」という下級妃が現れ、棺の中の静妃に向かって「アハハ!自業自得だな!アハハハ!」と言って笑い出す。
猫猫が目をやると、静妃も同じ風貌で亡くなっていた。
また、彼女の侍女の手にもただれがある。
そこで猫猫は、壬氏の意図を汲み(静妃を死に追いやった毒物の特定)猛毒のキノコ探しへと向かった。
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猫猫は、真っ赤な珍しい形のキノコを見つけ壬氏に見せる。
壬氏は、宗妃に毒を盛ったのは静妃だったのでは無いかと考えていたらしい。
侍女達の話によると、宗妃が体調を崩した後静妃にも同じ症状が現れ、その辛さに絶えきれずキノコを口にして自殺したと言う。
しかし猫猫は、口に入れたのに顔がただれるのはおかしいと睨み、山を捜索。
そして、あるキノコが生えている場所を高順や力のある宦官達に掘ってもらうと、白骨化した遺体が出て来た。
実はその遺体こそが静妃であり、葬儀の棺に入っていたのは別人。
棺の中の死体は、優秀な文官に見染められたにも関わらず、結婚を目前に行方不明となった「涛(タオ)」という女性だったのだ。
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猫猫は、涛に嫉妬し激しくいじめていた静妃がアクシデントにより亡くなってしまい、それを隠すため、静妃によく背格好の似ている涛が、顔に包帯を巻き身代わりになっていたのではないかと考える。
きっとそれは他の下女達の提案だっただろうが、いつまでもそれが通せるわけはなく、他の侍女達が毒を涛に…?
だから、静妃の侍女の1人の手にただれがあったのではないか…?
しかしこれはあくまで憶測であり、あとは壬氏に任せる事にした。
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猫猫は、壬氏に「なぜ死体の場所が分かったのだ?」と聞かれると、嬉々として「動物の死骸や糞尿を栄養とするキノコがあるんです!」と答える。
ドン引きした壬氏は「死体に生えたキノコを扱うつもりか」と言って、猫猫が集めて来たキノコを没収してしまった。
猫猫はショックを受けながらも「死体に生えるキノコがあるとしたら、それはどんな姿で、どんな効用があるのだろう…」とぼんやり思った。

今回は普通に事件を解決した回でしたが、これものちの伏線になるのでしょう。
名前は明かされませんでしたが、この毒キノコはきっとカエンタケですね…見た目も恐ろしい!
前回、子翠が言っていた「変な臭い」の正体は静妃の遺体だったのか?
それを猫猫にさりげなく教えた…?
来週は楼蘭妃も出て来るみたいですね。楽しみ!
第28話/鏡
特使から上級妃達に、高級な姿見が贈られる。何か大きな外交取引があるらしい。
そんな中猫猫は、高順から「知人が困っているので、意見が欲しい」と頼まれ、紅娘同席のもとある姉妹の話を聞く。
その姉妹は過保護に育てられ、ほとんど外に出られず刺繍をして過ごしていたが、侍女が可哀想に思い一度外へ連れ出した。
それが見つかってしまい、侍女は見せしめのために辞めさせられる。
その後姉妹は本宅の北側にある鍵付きの離れで生活をし、下男が少し離れた場所から、いつも窓辺で刺繍していた2人を監視していた。
しかしある時、妹が仙人の子を身ごもったと言う。
「誰とも接触していないのに、なぜ妊娠したのか」という相談だった。
猫猫は高順が、詳細を知っているのに肝心なところをぼかすため、ただの知人の話ではないと睨む。
それでも猫猫は「想像妊娠というものもありますが、大きな鏡を使って2人いるように見せかけ、1人は部屋を抜け出し逢瀬を重ねる事は可能です」と推測した。
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壬氏は、接待担当の高官から「西方の特使が、昔から祖父に教えられていた〝真珠の涙を流す絶世の美女〟を探している」と泣きつかれ猫猫を頼る。
それは月の精のような美女で、花街の妓女だったらしい。
猫猫は、それが50年前のやり手婆だった事を明かした。
壬氏は驚きつつ「特使は女性であり、別の美女達を集めても鼻で笑われてしまったのだ」と嘆く。
その特使は西と北の交易拠点を押さえており、お互いに新たな交易の話を進めたいらしい。
猫猫はやり手婆を呼び当時の話を聞くと、彼女は昔175cmでメリハリのある身体つきだったため、特使の前で舞う主役に抜擢されたと言う。
そしてその特使の1人から、「月女神」と題されたやり手婆の絵が贈られて来たのだ。
猫猫は、彼女がなぜそこまで気に入られたのかを疑問に思ったが、とりあえず壬氏に長身の美女だったという事を伝える。
しかし壬氏は「そんな美女はそうそういるものではないよな…」と頭を抱えた。
そこで猫猫は「最も適した人物が1人いますよ」と言って、壬氏を見つめた。

次回、久しぶりに壬氏様の女装、猫猫が着飾った姿が見られる…!?
予告だけでワクワクしました。特使も美女過ぎますし、次回は目の保養になりそう。
でも結局、妊娠の話はどこに繋がるのでしょうか…?
第29話/月精
50年前、月の精が現れたという後宮の北側にある荒れた桃園は、昔別の民族が住んでいたらしく、廟や池があり様々な交易がなされていた場所だ。
猫猫は子翠に協力を仰ぎ、彼女が捕まえた蛾を利用する事を思い付く。
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数日後、本来男性禁制の後宮北側で、特使のための宴が行われる事に。
同じ祖父を持つ従姉妹同士の特使・愛凛(アイリーン)と姶良(アイラ)は、金髪と青い瞳を持ち、上級妃にも劣らない美しさだ。
そして愛凛は、他の上級妃達の目の前で帝に色目を使う。
本当の目的は帝とその弟から寵愛を受け、婚姻関係を結びたいという思惑があるようだった。
猫猫は、宴が始まっても退屈そうな彼女たちは、きっと月の精などに興味は無いのだろう…と思いつつも準備を進める。
ーー
愛凛と姶良を乗せた馬車が移動していると、突如美しい女性が現れた。
月光に照らされ踊る彼女の周りには光が舞っており、2人は目を奪われ息を呑んだ。
実はその女性は壬氏であり、光の正体は月光に照らされた白い蛾だった。
やり手婆は「服に虫の死骸を擦り付けられる嫌がらせを受けた」と言っていたが、虫の中には匂いで異性を呼び寄せるものがいるため、そのせいで蛾が集まって、やり手婆の周りに光が飛んでいるように見えたのだろう。
猫猫の読み通り壬氏の周りには蛾が舞い、作戦は大成功をおさめたが、壬氏は不貞腐れていた。
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手習い所(学校)が開設され、小蘭達はウキウキしながら通い始める。
一方猫猫は、まだ解決していない香油事件の事を考えていた。
それぞれは無害でも、合わせ方次第で毒になりうるもの。
壬氏達も捜査をしているが、香油を買った者は多くいて犯人は未だ分からなかった。
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愛藍が風邪をひき、猫猫が「診療所」と呼ばれる場所へ連れて行く。
そこは年の行った女性が働いており、中は消毒され換気もされていて療養には良い場所だった。
風邪をひいた侍女などは、ここで隔離されるらしい。
その後猫猫は偶然壬氏に会って、診療所の話をするが「医官や調剤師には男性しかなれないため、くれぐれも薬を作っている事を周りに知られぬよう気をつけろ」と釘を刺される。
しかし、診療所に入った愛藍が猫猫の煎じた薬を飲もうとしていると、診療所に勤める女官が入って来て「あの娘が煎じた薬だね?身体から薬の匂いがしたんだよ」と言った。
どうやら彼女には、猫猫の事がバレてしまったようだった。

愛凛と姶良の出番はこれだけ…?かと思いきや、何やら姶良が良からぬ事を企んでいるようでした。
杏もなんだか不気味だし、色々なところに敵がいそうで怖い!
しかし今回は、壬氏の女装シーンが脳裏にこびりついて離れません。
いやぁ、思った通りじゃ…美しかった…。
第30話/みたび、水晶宮
猫猫は、診療所の女官から呼び出しを受ける。
薬を作っている事がバレて咎められる…と思いきや、その女官は猫猫に「妙な咳をしていた水晶宮の下女が姿を見せなくなった。医官に診て貰うように伝えたのだが、許可が降りなかったのかもしれないので、その下女のために薬を作って欲しい」という相談をした。
水晶宮の下女が医局に行きたいと頼むのは、次女頭である杏(シン)だが、その願いを却下したのかもしれない。
そこで猫猫は変装し、医官(やぶ医者)を使って水晶宮に入り、杏の制止を振り切って病に伏せっている下女を見つけ出した。
さらに、その下女が寝かされていた小屋の中に、先日廃棄させたはずの香油がたくさん閉まってある箱を発見し「ひとつひとつは小さな毒でも、それが混ざるとどうなるか…」と呟く。
杏は動揺しつつも「こんな小娘に私の本当の目的が知られるはずはない…」と思っていたが、猫猫は「杏様。堕胎罪を作るなんてどういうおつもりですか?」と聞いた。
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杏は、梨花妃の従姉妹であった。
彼女は教養も身分もあったが、妃になったのは梨花妃だった。
それをずっと逆恨みしており、あまり質の良くない侍女を選び、妊娠した梨花妃に対して堕胎罪を作るなどして、復讐しようとしていたらしい。
猫猫が杏から香る香油の匂いを証拠としてそれを突き止めると、彼女は「私の方が国母にふさわしいのよ!!」と不満をぶちまけた。
その後、梨花妃が「この侍女頭は主人に暴言を吐きました。解雇します」と言って杏を平手打ちし、後宮を追放。
それでもかなりの温情ではあったが、もう杏が梨花妃の隣に並ぶ事はないだろう。
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病に倒れていた下女は、梨花妃の計らいにより後宮を出てしっかりと治療を受ける事になった。
猫猫は壬氏に、「後宮の中には、堕胎作用のある花が生えています。しかし、香油同様作り方を知らなければ害はありません。キャラバンが持ち込んだ香油がそのような毒になると、なぜ杏は知っていたのでしょうか」と話す。
壬氏が「後宮内に、香油が堕胎罪になると吹き込んだ者がいるのか?」と聞くと、猫猫は「分かりませんが、用心に越した事はありません」と伝えた。
一方、梨花妃の部屋には帝の姿があり「薬屋が来ていたのか」と聞く。
梨花妃は「はい。あの方には助けられてばかりです」と微笑んだが、帝は無表情で何かを考え込んでいた。

梨花妃に味方がいなかったなんて…。
でも、仲の良い従姉妹に裏切られショックを受けただろうに、強く前を向く国母に相応しい妃となりましたね。
ぜひ無事に赤ちゃんを産んで欲しい!
しかしまたしても不穏な空気が漂います。
杏をそそのかした人物は一体誰なのか?そして帝は何を思っているのか?
第31話/選択の廟
壬氏は幼い頃の夢を見た。
祖父、祖母、そして祖父達を睨みつける母。
父だと思っていた男は、兄だった。その兄とは、現在の帝だ。
壬氏は猫猫を想い、「勘の良いあの女官なら気付いているだろう。いつまでも黙っておくわけにはいかない…」と悩んでいた。
ーー
後宮には「選択の廟」と呼ばれる細長い建物がある。
それは元々この地にいた民が造り上げたもので、初代皇帝の母・王母(おうぼ)は息子に、「この地を治めるものは、あの廟を通り抜けないといけない。正しい道を選んだ者だけが、この地の長となる」と伝えたと言う。
この地に遷都したのもその廟があったからだが、先帝の兄君達はみな流行病に倒れており、残ったのが先帝である。
猫猫は、その話を手習所の先生である老宦官に聞いたが、以前羅門も廟に興味を持っていたと聞いた。
ーー
帝が突然、猫猫と壬氏を連れて選択の廟へ向かう。
そこには、手習所の教師であるあの老宦官がいた。彼が長年廟を管理している。
中に入ると、何枚もの色の付いた扉が付けられており、「〜に入るべからず」と書かれた札がかけられている。
その札を読みながら、帝は何度も扉を選んで進んで行った。
しかし最後の扉を開けると、「王の子よ、だが、王母の子ではない」と書かれた札がかけられており、行き止まりに。
猫猫が「扉の色にヒントがあるのでは…?」と考えを巡らせていると、老宦官が「羅門ならわかるだろうね」と挑発めいた事を呟いた。
そこで猫猫は、建国の物語と羅漢が優秀な医官である事から、一つの仮説を思い付き再度廟へと入って行く。
次々と扉の色を選び、最後の扉を開けると、街を見渡せる場所に出た。
老宦官は「おめでとうございます。王母に選ばれた王は、ここに立ち民に宣誓をする事が決まりでした。誰もこの道を選べなかった時は、正しい道に導ける妃を連れて再度この廟へやって来るのです。本来、正しき血を受け継ぐ者がそれを成すのですが…」と言って猫猫を見る。
猫猫は「建国の物語の王母は、暗闇を見通せる目を持っていたと書かれていました。王母の血を持つ者は、色の識別が出来なかったという事です。西方には、緑と赤が選別出来ない者がいるそうです」と明かした。
ーー
王母は遠く西方の地からここへ来て、定住するため長と結婚をする事にした。
血が濃くならないよう、よそから来たものと結婚する事は珍しくない。
この地では男子が王位継承をしているが、王母は自分達の血を途絶えさせないためこの廟を作った。
そして徐々に内部に入り込み、元いた長の存在を物語から追い出し、王母を祖とする物語が作られた。
それは平和で気の長い乗っ取りだったのだ。
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老宦官は猫猫の推理力に驚き、「王母様は類稀なる聡明さを持っていたとの事。この際、血を薄めるならいっそこのような者を入れてみては?」と冗談を言って帝を笑わせる。
しかしその直後、老宦官は「でもお気をつけください。よその血が入る事を快く思わない連中も多いでしょう…」と、壬氏に向かって忠告した。
壬氏は真面目な顔をして「わかっている」と答える。
猫猫は、その帝のお気に入りの老宦官が只者ではないと悟ったが、壬氏を見て「知らぬが仏だ…」と思い直し考えないようにした。

なんだか色々なキャラクターが出て来て濃ゆい!
羅門を知っているこの老宦官は一体何者なのだ…。
壬氏の複雑な出生、秘密も知っているような気がします。
王母の話も何かに繋がりそうな気がしてなりません。
でも、帝が割と茶目っ気溢れるお方でほっこりした回ではありました!
第32話/皇太后
猫猫は、神出鬼没な子翠を探しに北の雑木林へ行く。
「笑いながら虫を捕まえている女官がいる」という噂の犯人にされそうになったからだ。(猫猫は笑いながら取ってはいない)
歩いていると、堕胎作用のあるおしろい花を見つけ「杏は後宮内には堕胎剤に使う草花があるにも関わらず、キャラバンの香油を使ったと言う事は、誰か薬の知識がある者が作らせたのだろう…。しかも、その者はおそらくまだ後宮内にいる…」と考えていた。
すると突然鈴虫を一心不乱に取る子翠が現れ、呆れていると、皇太后一行が女官の診療所へ向かっているのを目撃する。
子翠は、「皇太后様が奴隷制度や宦官制度を廃止し、あの診療所を作ったんだって。優しいのよね」と目を細めた。
ーー
翡翠宮に皇太后・安氏が現れた。
ひとしきり鈴麗を可愛がった後、空気を読んだ玉葉が部屋を出ると、猫猫に「調べてもらいたいの。私は先の皇帝に呪いをかけたのかしら」と話した。
先帝は良い噂がない人物で、とりわけ「ロリコン」と呼ばれる事が多く、幼い娘にばかり手を出していた。
安氏は先帝の子を妊娠した際、まだ身体が幼かったため、腹を切って現帝を出産したという経緯がある。
そのお産と手術を執刀したのが、そのために宦官となった猫猫の養父・羅門だったのだ。
現帝は元気に育ち、その後安氏は三十路前に皇弟を産んだのだが、その人物の年齢は猫猫の一つ上。
猫猫の脳裏に「…となると、皇弟は本当に先帝の子か…?」という疑問が湧いたが、打首にされてもおかしくないその考えを、慌てて取り払った。
ーー
皇太后主催での茶会(上級妃4名が招待された)が開かれる事になった。
猫猫は先日「ゆっくり話したいわ」と安氏に言われており、安氏の侍女に呼ばれある部屋を紹介される。
そこは「女帝」と呼ばれた先の皇太后の部屋であり、先帝が育った部屋であり、そして女帝亡き後、先帝も追うように亡くなった場所でもあるが、猫猫は独特な臭いに気が付いた。
侍女は、1年間保管されていた先帝の遺体だけが腐らなかったため、安氏が「毎晩呪いをかけていたから、呪いがかかったのよ」と言っていると明かす。
そして「もうじきあの部屋がある棟が壊されてしまうため、それまでに呪いの事を調べて欲しい」と伝えた。
猫猫は「わかりました。でも、ひとつだけお願いがあります」と言って、侍女を見つめた。

ついに皇帝一族のストーリーが始まりましたが…不気味すぎる!
今シーズンは、ちょっとゾワっとするようなストーリーと映像が流れる事が多いような。
メイクを施した猫猫の美しく煌びやかな姿と、だいぶミスマッチでした。
第33話/先帝
安氏から「呪い」の正体を探るよう依頼された猫猫は証拠を掴もうと、侍女に「明日、先の皇太后の部屋を再度見せてください」とお願いする。
そしてその夜は、久しぶりに壬氏の屋敷に滞在する事になった。
水蓮は猫猫を歓迎し温かく迎え入れ、壬氏の思い出話などに花を咲かせる。
そして猫猫は、幼少期の壬氏のお気に入りのおもちゃが入った箱から、金に近い黄色の石を見つけた。
水蓮は「ただの小石よ。どこで拾って来たのかしらね。不衛生だからすぐに取り上げたけれど…」と教えたが、猫猫は「すぐに取り上げて良かったです。これ、毒ですから」と言って水蓮を驚かせた。
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翌日、早速猫猫は安氏一行と共にあの部屋に向かうが、なぜか壬氏も一緒だ。
中に入り調べると、平たい筆や何かを消したような後などが見つかり、「先帝は絵を描く趣味がありましたか?」と聞いた。
そこで当時のお付きの者だった男性を呼び質問するが、彼は元奴隷で口がきけない。
しかし彼が一瞬壁を見たため、猫猫は壁を触りその下に絵が隠されていると気付く。
安氏の了承を得て壁紙を慎重に剥がすと、鮮やかな黄色い衣を纏った女帝と少女達、ピンクの花の木が描かれた見事な絵が現れた。
猫猫は、先帝の趣味が実は絵を描く事であり、黄色の絵の具には壬氏が見つけた黄色い石「雄黄(ユウオウ)」を使っていたのだと確信。
雄黄は砒毒(ヒドク)と同じ毒性を持っており、物を腐りにくくする作用がある。
「先帝は絵の具から少しずつその毒を取り込み、晩年には全身に回っていたのでしょう」と明かした。
ーー
先帝の母は、自分の子が帝に相応しい器ではないと分かっていた。
だから、たとえ「女帝」と呼ばれようとも、我が子を守るために自分のもとに権力を集めていたのだ。
そして、絵を描く才能を開花させる事が許されなかった子のために、この部屋と絵を描く道具を与え、口のきけない者をお付きの者にして隠し通していた。
その絵の具が、毒だとは知らずに…。
猫猫は(なんとも皮肉だな)と思いながら、安氏に挨拶をして部屋を離れた。
安氏は猫猫に礼を言い、1人になって部屋の壁に描かれた絵を見つめる。
ーー
ーー
文官の父と側室の母の間に生まれた安氏は、幼い顔の割に初潮が来るのが早かった。
父は帝の性癖を知っており、安氏を利用したのだ。
安氏は幼いながらも野心家で、大人の女性に怯える先帝に近付く。
そして何度も命の危機にさらされながら、男の子を出産する事に成功した。
一方で女を産んだ娘は、先帝に知らぬと否定されていた。
そして、当時唯一去勢の義務が無かった医官が父親だとされ、その女児と共に追放される。
娘は1人後宮に残され、一生出られる事はなかった。
それ以来、医官にも去勢が義務付けられ、宦官となった羅門が安氏の帝王切開を担当したのだった。
月日が経ち、大人の外見となった安氏は先帝に見向きもされなくなり、情けない男に忘れられる事に怒りを抱くようになる。
そしてある夜、怯える先帝に呪詛を吹き込み、覆い被さっていたぶった。
ほどなくして先帝は心を壊し、この部屋に引きこもる。
最期までこの絵のように、女帝と野心の無い娘ばかりを思い描いていたのだろう。
安氏は一度だけ、幼い頃先帝に絵を描いてもらった事があり大切にしていたが「先帝にとって私が必要ないように、私にとっても必要のないものだ」と考えるようになり、水蓮に捨ててもらった事を思い出す。
ーー
部屋から出て来た安氏の前に、雄黄を持った壬氏が現れ「昔、先帝の少女の絵を見た事がありました。その絵の色を覚えていて、先帝が私達の元に来た際この雄黄を拾ったのでしょう」と明かす。
水蓮が捨てずにいて、幼い壬氏の手に渡っていたのだ。
さらに「あなたは昔、よく雄黄の色の衣を着ていましたね。先帝は本当は何を想っていたのでしょう。絵の女性は本当に女帝なのでしょうか?」と壬氏が聞くと、安氏は「…知らないわ」と返答する。
彼女は、あの絵を描いている先帝の姿を見かけても、あえて真実を知ろうとしなかったのだ。
安氏は(不義の子であろうと、取り違えられた子であろうと、大切な子に違いないのに)と考えながら壬氏を見つめると、先帝が重なって見えた。
そして壬氏に「そんな事よりあなた、ずいぶん面白い女官に目をかけているようですね」と言ってニコリと笑う。
壬氏は慌てて「中々使える者でして」と誤魔化すが、安氏は(それだけでない事くらい分かる、ずっと見て来たのだから…)と思いながら「お気に入りは隠しておかないと、誰かに隠されてしまうわよ」と優しく伝えた。

壬氏が「取り違えられた子」であり、先帝と安氏の子である事が判明しました。
先帝の若い頃、今の壬氏と瓜二つ!でも中身は孤独な成人女性恐怖症の男性。
切ないストーリーでしたが、筆者はあの絵の女性は安氏であり、安氏もまた先帝を愛していたのでは無いかな…と思いました。
なんだか一語一句が今後に影響して来そうな、重要な回でしたね!
そして安氏が美し過ぎた…。若いだろうに貫禄がある皇太后、立派なお方です。
第34話/怪談
翡翠宮に3姉妹の新しい侍女(白羽、黒羽、赤羽)がやって来た。
彼女達はよく似ており、猫猫は見分けがつかず名前を間違えてしまう。
懐妊中の玉葉妃のために増やしたのもあるが、多くの侍女を引き連れている楼蘭妃と釣り合いを取るためだった。
そんな中、猫猫は桜花に連れられ、暗闇の中「13の怪談話」をする催しに参加する。
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主催者の女は、妙齢の綺麗な女官。
12人が集まっていたが、その中には子翠もいる。
それぞれが怪談話をし始めるが、そのだいたいが噂話などだった。
猫猫は時折あくびをし、自分の番になると墓荒らしの話をする。
そして「死体から万病に効くとされる人の肝を…」と言ったところで、桜花に「もういい!」と(グロかったため)止められた。
ーー
最後に、主催の女官が怪談を始める。
それは、先帝のお手つきとなり、妊娠した事を信じてもらえず後宮を出られなくなった、ある少女の話だった。
話を聞いているうちに、猫猫を始めその場にいた者達が朦朧とし始める。
主催の女官が「…その少女は、死ぬ間際にこう言った。次はお前の番だ!!!」と叫ぶと、猫猫はハッとして立ち上がり窓を開ける。
そして桜花や子翠に、他の女官を窓のもとへ移動させるよう指示した。
火が消え、くすぶっていた火鉢から、有害な空気(一酸化炭素)が出ていたのだ。
猫猫が「気付くのが遅かった」と思いつつ女官達を介抱していると、主催の女官が後ろで「あぁ、もう少しだったのに」と呟く。
ビクっとした猫猫が後ろを振り返ると、女官の姿はどこにも無かった。
ーー
翡翠宮に戻ると、紅娘が「あら、早かったのね。去年までやっていた女官が亡くなったから、今年は誰が引き継いだのかと思っていたのよ」と話す。
桜花は青ざめ、猫猫は「もしかして、あの女官の話は自分の話だったのか?」と驚き、「世の中にはわからない事があるものだ。13番目の階段にならずに済んで良かった…」と肩を撫で下ろした。
怯えた桜花はその夜、猫猫のベッドに潜り込んで寝るのだった。

こっっ、こわ!!!なぜいきなり怪談話!?
しかし途中、猫猫が子翠の横顔を見て「どこかで見たような…」と思ったり、前回に続き先帝の話が出て被害者の事が語られたりと(お化けかもしれぬが)伏線に繋がりそうなカットも多くありました。
子翠の「耳なし芳一」のような話も、何かに繋がるのかしら?
(猫猫も気にしていましたが、子翠の語り口調があまりにもプロっぽいのが気になりますね)
そしてこれは恐ろしい解釈ですが、もしかしたら今回、猫猫を手にかけようとする何者かがいた可能性も…!!
そうなると、消えた女官の謎も深まります。先帝は大きく関わっていそう。
さらにラストには意味深な壬氏さま。今回は出番が無かったですが、次回はまた眩い笑顔を期待しましょう!
第35話/狩り
壬氏たっての希望で、猫猫は壬氏が子昌から誘われた狩りに同行する事に。
馬閃も同じ馬車に乗り、子一族が統治している子北州(シホクシュウ・避暑地として先帝も足を運んだ美しい街)へ向かった。
しかし壬氏は、何やら訳ありの様子で覆面を用意し「私の事は香泉(コウセン)と呼ぶように」と命じた。
ーー
猫猫が山を散策していると、犬を可愛がっている李白がいる。
彼は高い音の出る笛を吹き犬を手懐けているが、猫猫は、その姿がまるで犬が犬を撫でているようだと思った。
その裏では、何者か数人が一丁の飛発(フェイファ)を手に取り「ここであの方には死んでもらう」と話している。
ーー
暑い中会食が行われたが、覆面を付けた壬氏の具合が悪くなってしまう。
壬氏は周りに悟られぬよう木陰に逃げ込み、猫猫が醤や砂糖を入れた水を渡しに行った。
そこで壬氏が「薬屋、お前に言いたい事がある。実は、私は…」と話し始めると、突然数人の男達に飛発での銃撃を受ける。
壬氏は猫猫を抱き抱えて走り出し、滝壺へと飛び込んだ。
ーー
猫猫は気を失っていたが、壬氏の人工呼吸によって目を覚ます。
滝壺から這い上がり、滝の裏にある洞窟へ逃げ込んでいたのだ。
壬氏は、「先ほどの武器は火薬を使ったもので、一度撃つと準備が必要なのに二発連続で撃たれた。犯人は複数いるかもしれない」と推測。
2人がいる場所は、高順は知らず馬閃なら知っているが、いつ気付くかは分からなかった。
奥には地上へ続く穴があり、猫猫は恐縮しながら壬氏の肩に乗って登ろうとする。
しかしバランスを崩して転倒。
「あれ、痛くない?」と目を開けると、壬氏が猫猫の下になって抱き締めていた。
猫猫が慌てて離れるが、壬氏は抱きながら真っ直ぐ猫猫を見つめていた。

今回は読者の心を鷲掴みにするための回!!
猫猫と壬氏のキスシーン(人工呼吸)や抱きしめているシーンなど、何度もリピートしたくなるほどの美しい映像でした。
猫猫が口笛を吹きましたが、李白のわんこが迎えに来てくれるのかな?
そして壬氏が伝えたかった事とは!?(もうなんとなく分かっていますが…)
第36話/華瑞月
猫猫の手に何かが触れる。
それは壬氏のアレであり、猫猫は「そんなはずはない!」と自分に言い聞かせた。
壬氏は「説明する手間が省けた…。薬屋、俺は」と告白しようとするが、猫猫は「私はカエルを触っただけです!そこそこの大きさのカエル!」と言い張り、話をはぐらかす。
頑なに話を聞こうとしない彼女に痺れを切らした壬氏は、「じゃあ試してみるか?」と言って猫猫を押し倒し、キスをしようとした。
そこへ犬の鳴き声がしたため、猫猫が指笛を吹くと、李白と犬が現れやっと助け出される。
壬氏はご機嫌斜め。さすがの猫猫も「そこそこ」は言い過ぎたなと反省した。
ーー
猫猫は、李白の犬を使って犯人探しを計画。
そして見事に飛発を使った男を炙り出す事に成功し、暗殺を目論んだ一派は宴から消えて行った。
しかし、まだ飛発の出所や目的が分かっておらず、気持ちの悪い幕引きとなる。
ーー
壬氏が猫猫の部屋を訪ね、「今日は驚かせてすまなかった」と詫びたため、猫猫も「私も申し訳ございませんでした。私は何も言いません、壬氏様は壬氏様です」と言った。
すると壬氏は小袋を渡し「これを渡そうと思ったんだ。お前には迷惑をかけるとは思うが、実は」と話そうとする。
しかし猫猫は、夢にまで見た生薬「牛黄」を目の前にして大興奮。
ニッコニコの笑顔で壬氏を見つめ「ありがとうございます!!」とお礼を言い、壬氏が照れて何も言えなくなると「それではおやすみなさいませ!」と言ってドアを閉めてしまった。
ドアの向こうで「話を聞けぇ!」と騒いでいる壬氏を無視し、猫猫は「壬氏様が宦官かどうかなんてどーでもいい。ただ牛黄の分の恩はあるから、もし秘密がバレて窮地に立たされたら、本物の宦官にしてあげよう♪」と思いつつ、牛黄にウットリしていた。
ーー
高順が、宴の席を離れ川辺で夜空を見上げながら、考え事をする。
「壬氏様は、ちゃんと小猫に真実を伝えられただろうか。あの娘には利用価値がある」
「いつまでもかりそめの立場ではいられませんよ。あなたはこの国の帝の弟君。華瑞月(カズイゲツ)なのだから…」

やっと壬氏の身分が明かされました。
かなりコメディ回で面白かったのですが、やはり重要な事実を伝えてくれましたね!
前半からぶっ飛ばしで、猫猫と壬氏のギリギリキス直前の唇がもう…。
そして、アレを触られてる壬氏様がもう…!!でもこれアニメにして大丈夫!??
ちょっと、今回ももう一周して来ます。笑
あと李白のわんこ、可愛い賢い回でもありました!
第37話/湯殿
猫猫が、もうすぐ後宮の年季が明けるという小蘭から「何か仕事のツテはない?」と聞かれて悩んでいると、子翠が現れ中級妃の湯殿に連れて行かれる。
そこでマッサージなどを行いながら、妃と仲良くなる事でツテを作る…という裏技を教えられた。
猫猫は、小蘭を手伝っても良いかと玉葉妃に聞くと「何か噂話を聞いたら教えてね♪」とノリノリで承諾してもらった。
ーー
湯殿では、すでに玉葉妃と梨花妃の懐妊が広く知れ渡っている。
さらに、外出が減った事やゆったりめの服を着ている事から、楼蘭妃の懐妊も噂されていた。
しかし中でもとりわけ話題となっているのは、「イケメンの宦官が入った」という話。
猫猫が「宦官制度は廃止になったのに、なぜ?」と首をかしげると、子翠が「異国の宦官が30人ほど来たみたいだよ。何か大きな討伐でもあったんだろうね」と答え、猫猫は意外と博識な彼女に関心した。
ーー
先日、翡翠宮に新しく入った3姉妹の侍女が、猫猫を不審に思い「どういう経緯で女官になったのか」と聞く。
その際、長女の白羽が「玉葉」とつい呼び捨てにしており、猫猫はそんなに仲が良いのかと少し驚いた。
そして猫猫は「三女の赤羽があなたと同い歳だから、仲良くしてはどうか」と言われ、湯殿での奉仕に誘う。
赤羽は戸惑いながら、小蘭と子翠と共に湯殿で働いてみる事になった。
ーー
猫猫達が湯殿で精を出していると、2回に渡り里樹妃を見かける。
見ると彼女の腕がカミソリ負けをしていたため、猫猫は新しい脱毛法(ゴムで毛を絡めとる)を施してあげた。
里樹妃はお礼にと言って、猫猫達にジュースを振る舞う。
猫猫が「どうして金剛宮の湯殿ではなく、大浴場にいらしたのですか?」と聞いた。
すると里樹妃はためらいがちに「…出るの。幽霊が出るのよ」と怯えながら答える。
それを聞いた猫猫の表情が曇った。

女子達がとてもキュートな回でした。
しかし最初に出て来た、足の悪い宦官は一体…?
何やらまた不穏な空気が漂って来ましたね。
そしてやっぱり子翠は只者ではないみたい!彼女にも秘密がありそうです。
第38話/踊る幽霊
猫猫が里樹妃に「壬氏に相談してみては」と助言し、壬氏は里樹妃の話を聞く事に。
相変わらず元侍女頭・侍女達に嫌がらせをされている里樹妃は、唯一味方でいてくれる元毒味役の河南(カナン)を侍女頭にしている。
侍女達がわざと湯浴みの湯を熱くするため、里樹妃は少し遅い時間に冷めた湯に入る事が日課になっていたらしい。
しかしある日、脱衣所の御簾を開けたところ、窓は閉まっているのにカーテンが揺れており、白い顔が浮かび上がって笑ったそうだ。
それは河南も目撃しており、すぐに隣接する物置へ向かったが、すでに何も無くカーテンの揺れも収まっていたと言う。
猫猫は、他の宮なら湯殿は別棟になっていて、湯浴みのあとくつろげる空間が併設されているのだが、それが物置になっている金剛宮はおかしな間取りだな…と不審に思った。
ーー
河南に聞くと、隣の部屋は酷いカビが生えているが侍女達は掃除をせず、それを誤魔化すために物置にされたと言う。
金剛宮は里樹妃が入内した際に建てられたにも関わらず、数年で土台から腐っていた。
そこで猫猫は、図面を確認して物置の下に水路がある事を確認。
幽霊が出た日、里樹妃が誤って浴槽の湯を抜いたため湯気が上がり、カーテンが揺れたと推測した。
さらに、物置に置いてあった里樹妃の母親の形見である銅鏡が、光が当たると文字や絵が浮かび上がる「魔境(透光鑑)」であり、顔が浮かび上がる事を発見。
里樹妃は、その顔が母に似ていると言って、銅鏡を抱きしめて泣いた。
ーー
元侍女頭が、嫌がらせで里樹妃の銅鏡を取り上げようとしたが、壬氏が制止する。
そして、彼女が里樹妃に贈られたかんざしを着服し、勝手に身に付けている事を厳しく咎めた。
壬氏も里樹妃が侍女達に酷い扱いを受けている事を知っていたが、今までは里樹妃の面子のために静観していた。
しかし今回、物的証拠を見つけたため、しっかりと釘を刺したのだった。
ーー
猫猫は、宦官が後宮に入る際、部署の違う3人の官に触診されている事を知る。
壬氏が宦官でないとすれば、皇帝とその血族のみ…と考えたが「そんなはずはない」と頭を振った。
一方壬氏は、羅漢の事を考える。
数年前に実父と異母弟から家督を奪い、羅の家の主人となった彼は皇帝すら一目置く存在となっており、手を出そうとした者は誰もがヤケド程度では済まない痛手を負っていた。
むやみに手を出してはならないという暗黙の了解があるが、彼が猫猫を引き込もうとしているなら、切り離しては考えられない。
猫猫に、なぜ自分が本当の姿を隠しているのか話したいが…その後の反応が怖くもあった。

猫猫がどんどんコナンのように!今回全く薬は関係なかったのですが、さすがの推理力でした。
次回は、氷を台無しにしてしまった小蘭が大ピンチ?
冷凍庫のないこの時代の氷といえば、相当な高級品のはず…。