2025年3月14日にNetflixで公開された映画『エレクトリック・ステイト』
原作は、シモン・ストーレンハーグ作のグラフィックノベル。
人間とロボットが対立して争い、ロボットが降伏した時代。
交通事故で家族を失った少女の前に、一体の不思議なロボットが現れた。
彼は驚愕の事実を突きつけるー。
アメリカのSF・アドベンチャー映画。

ミリー・ボビー・ブラウンを我が子のように観てしまいがちなbeersyです!
ネトフリが総力を上げて制作した本作。
前評判は酷評が多かったですが、配信されると一位をキープしていました!
この記事では、Netflix映画『エレクトリック・ステイト』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介いたします!
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『エレクトリック・ステイト』の評価&感想
- 感動度
- 4
- 脳トレ度
- 2
- 再鑑賞度
- 4
- サプライズ度
- 4
- 話題性
- 5

『アベンジャーズ』『グレイマン』のクリストファー・マルクス&スティーヴン・マクフィーリーが脚本、そしてルッソ兄弟が監督を務め、巨額の制作費(なんと3億2000万ドル。日本円で約476億!)を投じて作られたネトフリ映画。
さらには主演に『ストレンジャー・シングス』でお馴染みミリー・ボビー・ブラウン、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のクリス・プラット、『プラダを着た悪魔』のスタンリー・トゥッチが出演と、俳優陣も超豪華!!
評論家からの前評判があまり良くなくて、期待せずに視聴しましたが…。
兄弟愛、戦争、欲望、近未来に懸念すべき事など、深く考えさせられるセリフやストーリーがあって、かなり楽しめました。
適度にコミカルなシーンがあって、戦闘シーンも迫力があって、たっぷり二時間の映画なのですが中弛みするところも無かったように感じます!
そして登場するロボット達がレトロで個性的、とってもキュート!キャラデザに関しても、流石はこの製作陣ですね。
SF映画でありながら、ノスタルジックな絵面がとても良かった。
ストーリーが分かりやすく特にひねりもないので、大人がSFを観るというよりはファミリー層向けかなと思いました。
以下より重要なネタバレを含みます。
『エレクトリック・ステイト』のネタバレ
人間対ロボット
1990年。
少年のクリストファー・グリーン 通称「クリス」(ウッディ・ノーマン)は、アインシュタインが3日かかって解いた試験を高得点でパスし、大学教授を唸らせた。
しかしクリスは、姉のミシェル(ミリー・ボビー・ブラウン)に「試験に興味があっただけで、大学には入りたくない」と言う。
ミシェルは「その素晴らしい才能を隠していてはダメよ」と言って励まし、2人でよく観ていたテレビアニメ「キッド・コスモ」のロボットの真似(グータッチをした手で胸にCを作る)をして笑った。
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1955年、ウォルト・ディズニーによって、テーマパークと同時にロボットが開発された。
それはやがて大量生産され、人間のために不平不満を言わずに働き、世界中の大きな労働力となる。
しかしある時、ロボット達は意識を持ち始め「人間に決められた道ではなく自分の道を」と思うように。
そしてリーダーの「ミスター・ピーナッツ」主導で、ロボット人権運動が始まり反乱が起きた。
その後人間とロボットの戦争に発展し、人間劣勢の戦いが2年間続いたが、センター社の科学者 イーサン・スケイト(スタンリー・トゥッチ)が開発した「ニューロキャスター」によって一転する。
ニューロキャスターは、人間の意識とドローン(人型の機体)を接続させる装置で、武器を持った多くの機械によって反乱ロボット達を制圧。
数週間後、ミスター・ピーナッツがクリントン大統領とスケイトの降伏文書に調印。
6000体以上のロボット達は、センター社が管理する広大な砂漠の制限区域「EX」へ収容された。
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1994年。
ミシェルは、交通事故で両親と弟を失い、テッドという里親のもとで生活をしていた。
テッドはニューロキャスターを付けて一切動かず、ドローンに意識を飛ばし文句だけ言う。
ミシェルはニューロキャスターを毛嫌いし、学校でも態度が悪く怒られたりしていた。
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ある夜、ミシェルの前にキッド・コスモのロボットが現れ、アニメのお馴染みのセリフを繰り返す。
彼はあの手この手で「自分はクリスであり、身体は別の場所にある。それを知っているのはメガネをかけたドクターだ」と伝えた。
ミシェルは、自分が事故から目覚めた際、メガネをかけた白衣の男性がいた事を思い出し、なんとか理解してロボットのクリスと共に自宅を抜け出した。
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2人は、制限区域に出入りして物を手に入れ、人間に密売しているキーツ(クリス・プラット)の後を付け、メガネの博士がいるであろう制限区域に連れて行って欲しいと頼む。
しかしそこへ「ロボット無効化部隊」のブラッドベリー・マーシャル大佐 通称「ロボット狩り」(ジャンカルロ・エスポジート)がニューロキャスターで操る、戦闘型のドローンが登場。
キーツと相棒のロボット・ハーマン、ミシェルとクリスはなんとか彼を抑え、廃墟となったショッピングモールへ向かった。

ロボットを題材とした作品は多いですが、ロボットがただひたすらに人権を主張するストーリーは珍しい!
戦いに負け、ミスター・ピーナッツのしゅんとした顔が切ない。
また、クリントン大統領や、ディズニーが出て来て驚きました!よくOK出たなぁ。
凄腕CEO役といえばスタンリー・トゥッチ。というかフォルムがジョブズ。笑
ニューロキャスターは便利かもしれないですが、これはもう人間が没落する一歩めでしょうね。
クリスの身体
ショッピングモールには、ミスター・ピーナッツと生き残りのロボット達がいて慎ましく暮らしていた。
ミスター・ピーナッツはミシェルの話を聞いて協力する事になり、腐食ロボット(他のロボットから部品を奪うゾンビのようなロボット)に襲われながらも、クリスが言うメガネのアマースト博士(キー・ホイ・クァン)を見つける。
アマーストは、事故に遭って瀕死の状態だったクリスに生命維持装置を付け、彼の天才的な脳を「ドローンとキャスターを繋ぐ突破口」とし、ニューロキャスターの開発に使用したと告白。
しかし15ヶ月後、クリスの身体が目を覚ましたため、アマーストはスケイトに開放するように求めたが「殺す」と脅されたと言う。
そこでセンターから逃げる前に、クリスと外のネットワークの接続点を作り、彼の身体は逃げられなくても意識は自由でいられるようにしたのだった。
ーー
アマーストもクリス奪還に協力する事になったが、またしてもブラッドベリーのドローンが現れる。
アマーストはミシェルとクリスに逃げるように言って、ブラッドベリーの前に立ったが、すぐさまスケイトのドローンが現れ彼を撃ち殺した。
そしてロボットのクリスを連れてセンターへ戻り、横たわっているクリスの身体の装置に繋げる。
ブラッドベリーは、スケイトが自分にロボットではなく少年を追わせた事、人の命を簡単に奪った事で不信感を持ったが、スケイトは「人類に平穏をもたらすには犠牲が必要だ」と突っぱねた。

クリスの命は、事故の時に消えていたはず…。
生きていて嬉しいけれど、良くない未来が待っているとしか考えられません。
あっけなく殺されてしまった、アマースト博士役のキー・ホイ・クァンは『グーニーズ』でアカデミー賞助演男優賞を受賞している俳優さん。
悲壮感漂う演技が素晴らしかった!でも、もう少し見どころが欲しかったような気もします。
それにしても、大勢のロボット達が死んでいるシーンは観ていて辛かった…。
平和な未来へ
ミシェル達は、アマーストの記憶が全てインプットされたロボットから、「クリスをシステムから切断すれば、センターは崩壊する」と聞かされ、シアトルのセンターへ行く事に。
仲間を殺されたミスター・ピーナッツ達も、一丸となってスケイトに立ち向かうが、スケイトは強大な力を持つドローンを操作して多くのロボット達を粉砕する。
しかしブラッドベリーは、ミスター・ピーナッツに「人間らしくない者がいると分かった」と言ってスケイトの居場所を教え、戦いをやめてニューロキャスターを脱いだ。
ーー
ミシェルはクリスが眠っている部屋へ行き、ニューロキャスターを被ってクリスの意識の中に行く。
久しぶりに会った弟に「ヤツらを潰して一緒に出よう」と伝えたが、クリスは「身体とシステムは共存関係にある。このままだとあと100年この状態が続くんだ。僕が死なないといけない。姉さんに、生命維持装置を外して欲しい」と頼んだ。
ミシェルは「嫌よ、出来ない」と泣くが、クリスは「姉さんがこの世界を変えるんだ」と言って励まし、抱きしめ合う。
そしてミシェルは意を決し、装置を止めた。
劣勢だったキーツ達の前で、センターのドローン達が倒れて行った。
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センターが崩壊しスケイトは逮捕され、世界は混乱した。
しかしミシェルはネットを通じ、人間達に「一からやり直しましょう」と訴える。
人類は「ロボットと共存する世界」へと、一歩踏み出すのだった。

わかっちゃいたけど辛い結末でした。
人の死は決まっていると言いますが、クリスはそれに逆らう事なく自らの維持装置を止めさせた。
IQが高いがゆえに、未来まで予想出来てしまったのでしょうね。
ブラッドベリー大佐がロボットを認めたシーンや、ラストのミシェルの語りは心に迫るものがありました。
スマホに依存しがちな筆者も、画面を見ない時間を多めに取ろうと思います…。
『エレクトリック・ステイト』が好きな人にオススメの映画
映画『エレクトリック・ステイト』が好きな人にオススメの、SF映画をピックアップ!
バンブルビー
『トランスフォーマー』シリーズのバンブルビーの物語。
ほっこりしますがちゃんと大迫力のSFで、ラストは号泣必至!!
1987年の背景やファッションがレトロで可愛いですし、ヘイリー・スタインフェルドが主役のキャラにピッタリです。