2022年6月3日にアメリカで公開され、2024年11月3日にNetflixで配信された映画『視線』
言葉の分からない地に移住し、孤独を感じた女性は、いつしか「視線」の持ち主の事しか考えられなくなる。
これはただの気のせいなのか、それとも世間を震撼させている殺人鬼なのか。
アメリカのホラー・サスペンスムービー。
最近は日々車が怖いbeersyです!
ホラーは苦手ですが、かなりサスペンスっぽく面白そうなので視聴。
ネトフリ上位に来るだけあって、独特な魅力がある作品でした!
この記事では、映画『視線』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介いたします。
『視線』の評価&感想
- 感動度
- 3
- 脳トレ度
- 4
- 再鑑賞度
- 3
- サプライズ度
- 4
- 話題性
- 4
2022年の作品が、今になってネトフリに登場。
監督のクロエ・オクノは本作が長編監督デビュー作。サンダンス映画祭での審査員大賞にノミネートされ、スマッシュヒットを記録しました!
自分がストーキングされてる…?勘違い…?から始まって、確信を得たのに誰も信じてくれない…!となって、最終的に「謎の視線」「謎の人物」ばかりを気にするようになってしまう女性のストーリー。
常に静かで、挿入曲等も不気味な怖さのある世界観。
カメラワークやアングルも絶妙で、こちらが「見ている」側になったり、主人公のジュリアと共に「見られている」側になったりして、どんどん引き込まれます。
グロはそこまで無いので、ホラー耐性のない筆者でも楽しめましたよ!
以下より重要なネタバレを含みます。
『視線』のネタバレ
誰かが見ている
アメリカ人の元女優・ジュリア(演/マイカ・モンロー)は、夫であるフランシス(演/カール・グルスマン)の転勤でルーマニアのブカレストにあるマンションに移住して来た。
現地のルーマニア語はまだまだ理解出来ず、たまに英語が聞こえて来るとほっとする。
夫はとても愛妻家でいつもジュリアを大事にしているが、ジュリアは孤独を感じていた。
そんな彼女の新居を、向かいのマンションの誰かがいつも見ている事に気付く。
さらに、知らない男が映画館からスーパーまで付けて来たり、近所で女性が首を斬られ殺されるという、恐ろしい連続殺人事件が発生していたため、ジュリアはナーバスになっていた。
その殺人鬼は、地元で「スパイダー」と呼ばれている。
ーー
不安と恐怖でぼうっとする事が多くなったジュリアは、隣の部屋に住むイリナと仲良くなった。
彼女は英語が堪能だったため、たくさんの話をして盛り上がる。
途中、イリナの元彼・クリスチャンが声を荒げて会いに来たが、イリナが追い返し「今度来たらコレで消すわ」と言って、彼から護身用にもらったという銃をジュリアに見せた。
ジュリアは、芯の強いイリナと打ち解け久しぶりに楽しい夜を過ごす。
ーー
しかしジュリアが部屋に戻って窓を見ると、またしても誰かがこちらを見ていた。
そして手を挙げてみると、向こうも手を挙げるのだった。
向かいのマンションの、影しか見えない不気味な姿。
OPのイチャコラシーンも徐々にカメラが引きになって行くので、視聴者側が「覗き見をしている」感覚に襲われます。
そのため最初から物語に引き込まれました…!!
勘違い?
耐えきれなくなったジュリアは、付けて来た男とこちらを見ている人間が同じ人物だと考え、フランシスに話し警察を呼んでもらう。
しかし確証が無いため、フランシスも警官も真剣に取り合ってくれず、あの部屋の確認にも行ってもらったが、「彼はただの近所の人だ。気のせいだ」と言われてしまった。
後日、ジュリアは偶然その男を見かけたため後を付ける。
すると彼は、イリナがダンサーとして働いているストリップクラブの清掃員をしていた。
イリナは彼の事をよく知らないようだが、「見られた事もないし何もされた事はない。でも協力し合いましょう」と言ってジュリアを落ち着かせた。
ーー
その日の夜、ジュリアは部屋で殺される悪夢を見て目を覚ます。
隣から物音がしたため、なんとなく不安になってイリナの部屋を訪ねたが、まだ帰っていないようだ。
そこへ偶然クリスチャンが現れたので、イリナの電話番号を聞きかけてみると、部屋の中で鳴っている。
胸騒ぎがしたジュリアは、付けて来た男と向かいの部屋の者が同一人物かを確かめるため、強面のクリスチャンに一緒に来てもらい、向かいのマンションの者に会いに行く事にした。
ーー
クリスチャンが脅しのような声掛けで、ドアを叩くが誰も出て来ない。
その後ジュリアも行ってみると、見た事のない老人が顔を出したため、驚いてその場を後にした。
翌日、ジュリアが疑っていた男 ダニエル・ウェバー(演/バーン・ゴーマン)が、警官と共にジュリアの部屋を訪れる。
彼は、ジュリアがストーカーまがいの事をして、なおかつ父親までもが脅されたと通報したのだった。
警官は「互いに誤解だったと認めるなら平和に暮らせます」と和解を促し、ジュリアは渋々ダニエルと握手を交わす。
また、フランシスから連続殺人鬼「スパイダー」が逮捕されたというニュースを見せられ、自分を信じられなくなってしまった。
いやいやいや、これが気のせいっておかしいでしょうに。
でもスパイダーが捕まったとなると、まさかディカプリオの『シャッターアイランド』的な、ジュリアの精神的不安定というオチなのかしら?
どっちに転ぶかわからない、本当に不気味な怖さがあります。ゾワゾワ〜
視線の正体
ジュリアはフランシスの職場のパーティーに同伴したが、ご近所トラブルを起こした事が噂になっており、笑えないジョークを言われて怒り、会場を去る。
その態度に辟易したフランシスは、「もうお手上げだよ。君は空想に捕われている」と言って彼女を突き放した。
失意の中ジュリアが電車で帰ろうとすると、隣の車両にダニエルが。
ただでさえパニックを起こしそうなのに、突然電車が停まり戸惑っていると、ダニエルが「動物が線路に入ったんだ。心配せずともじきに動くよ」と言って微笑んだ。
しかしジュリアは、彼が持っているビニール袋が気になる。…見た事のあるような形をしている。
そしてダニエルは、「朝から晩まで病気の父の世話をしていて、気晴らしに窓から人々の生活を見ていただけ。君は挨拶をしてくれたのかと思った。警官は和解を勧めたが、本当は謝罪が欲しかった」と真顔で言った。
ジュリアは震えながら「ごめんなさい」と呟き、電車を降りて家へと急いだ。
その時も、ダニエルはずっとジュリアの事を見ていた。
ーー
ジュリアは寝支度をしていたが、隣の部屋から女性の声が聞こえたため、イリナが帰って来たのだと思い行ってみる。
しかし部屋を開けると、それはレコードの声であり、リビングには頭のない遺体が椅子に乗せられていた。
すると突然頭から袋を被せられ、喉元にナイフを突き付けられる。
やはり連続殺人鬼は、ダニエルだったのだ。
ーー
フランシスが帰宅し、「ジュリア?」と探している声が聞こえる。
ジュリアは悲鳴を上げようとしたが、一瞬のうちに首を斬られてしまった。
大量に出血しながら這いつくばるジュリアだったが、動かなくなる。
ダニエルはその隣に横たわり、ジュリアの瞳を見つめた。
一方フランシスは、ジュリアのスマホに電話をかけると隣から聞こえて来たため、不審に思って部屋を出る。
同時に隣からダニエルが出て来たので驚いていると、突然何発もの銃弾がダニエルを撃ち抜いた。
フランシスが部屋の方を見ると、血だらけになったジュリアが立っており、イリナの部屋の銃を握っていた。
こっちかぁー!やっぱりお前かー!!それで、警察何やってるの?
ビリビリ怖いストーリーでしたが、オチがダニエルだったのがちょっともったいない。
ダニエルの父親や、はたまた警官など、え!?という伏線も欲しかったです。(バーン・ゴーマンが出て来た時点で分かっちゃいました…無表情怖いよう)
ゴーマンはさすがの演技力でしたね。倒れたジュリアを見つめるシーン、確かに『視線』という映画でした。
ラストは、少しの時間だったけれど、唯一の友達となったイリナがジュリアを救った形になって、ジュリアが自分でダニエルを葬ったのが良かった。
全体的に暗然たる作品ですが、お気楽男・フランシスの世界は煌びやかでその対比も面白かったです。
死んだふりをしていたジュリア、出血すごいけど助かってるといいなぁ。
『視線』が好きな人にオススメのNetflix映画
映画『視線』のような不気味な作品をピックアップ!
ビビりの筆者は1人では観られませんでした。
「徐々に目が見えなくなって行く」という恐怖が、リアルに感じられます。
若かりし頃のベレン・ルエダの演技力も凄まじい!