2025年2月7日公開の映画『ショウタイムセブン』は、報道の光と闇を描く社会派サスペンス作品。監督は内田英治、主演は阿部寛。かつて人気報道番組のメインキャスターだった折原(阿部寛)が、ラジオ番組放送中に「爆弾を仕掛けた」との脅迫電話を受けますが…事件は政府や世論を巻き込む大騒動へと発展します。
ショウタイムセブン
- 未体験
- 5
- 感情移入
- 4
- 再鑑賞
- 3
- 予測不可
- 5
- サウンド
- 4
阿部寛演じる主人公の表情から緊張感や駆け引きの様子が良く伝わって来る映画!
評価は年間100作品以上を鑑賞する執筆者こでぃもの実体験をもとにしています。
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映画『ショウタイムセブン』で流れる4曲をシーンごとに解説!サントラで印象的だった曲も!
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『ショウタイムセブン』は人気?どんな人が観ている?
川崎の映画館で日曜日のお昼に観に行ったら、女性のお客さんが多く、上映までお話してるペアやグループの人が多かったですね。男性のお客さんは1人で鑑賞してる人が多かったです。
全体的に年齢層は高めかなと思いました。事件を扱うサスペンスというテーマや、阿部寛が主演ということも踏まえると納得です。初日の動員数は多めのようだったので、口コミで見る人が増えるかもしれませんね。
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以下より重要なネタバレを含みます。
ネタバレありで解説!
折原と番組
報道番組「ショウタイムセブン」のメインキャスターだった折原は、降板してからラジオキャスターを務めていました。夜の7時にラジオが始まり、企画でリスナーからの電話を受けます。"ウスバカゲロウ"と名乗る男性は、電力会社に対する不満を漏らします。折原は放送外で男の話を聞きますが、「電力発電所に爆弾を仕掛けた」と言い出したことでイタズラと判断。男をバカにして電話を切り、他のリスナーと話しを始めます。
すると、窓から見える電力会社から火の手が…折原はウスバカゲロウが犯人だと確信し、東海林に連絡。独占で犯人との会話を報道できると言い、キャスターに復帰させるよう交渉しました。案の定、犯人から電話があり、折原はカメラの前で犯人との会話を試みます。
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阿部寛が演じる折原は、表情から彼の心理を読み取れる感じが印象的。何を考え、企んでいるのかが伝わってくる雰囲気が見どころですね。
爆破騒ぎという緊迫感と合わせて、感情移入を楽しめる映画だなと思いました!
要求
犯人は出演料として一億円要求し、折原は誠実に対応すると言って交渉。すると、犯人は数年前の事件について話します。電力発電所の工事で父を含む数人が事故死したとのこと…裏でその事件がもみ消されたと言い、電力会社の社長による謝罪を要求し始めます。
折原は過度な要求に応えられないと話しますが、犯人は首相による謝罪を要求し始めるのでした。番組スタジオでは小さな爆破が起き、女子アナウンサーが気絶する騒ぎも…折原はスタジオに行き、犯人と再び話をし始めます。「首相が謝罪のためにスタジオに向かっている」と言って犯人をなだめつつ、世論調査で時間を稼ぐ折原。公安が犯人の居場所を突き止めるまでまだ時間はかかります。
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公安は犯人の居場所を突き止めようとしており、折原は時間を稼ぎますが…世論調査のシステムがおもしろかったですね。
視聴者の考えがリアルタイムでわかる中、首相は来ないという事実に冷や冷やしました。(結局、犯人の居場所は突き止められないという展開も不安を煽りました!)
犯人の学生時代を知る教員がやって来て、説得できるとのこと。しかし、犯人は教員の態度に怒りを露わにし、ピンマイクを爆破します。折原の顔には血がかかり、番組は大変なことに…スタジオが爆破される危険もある中、折原は犯人との対話を続けることにします。
犯人は折原が信じるに足る人物なのか、過去の話を持ち出します。キャスターの安積は犯人から送られてきたメールを折原に見せ、製薬会社から賄賂を受け取ったのではと言及。折原は否定しますが…世論も厳しいものとなりました。犯人はスタジオを爆破すると言い、場は騒然…しかし、何も起きません。折原は死んだと思われていた教員が共犯だと考え、犯人がスタジオに現れたことで過去の話をします。
犯人の母親のインタビューを公開しようとした際に上から圧力をかけられ、代わりに番組のキャスターの座を用意されたとのこと。製薬会社のがん治療薬は、不正な結果が無かったと公表しようとしたら、上からの圧力でキャスターを降ろされたこと…さまざまな真実が明かされました。
犯人は折原の謝罪を受け、爆弾のスイッチを手放して自首。すると、折原はこの2時間の番組に満足できたと犯人にお礼を言い、自信の生死を世論調査開始。爆弾のスイッチを手に取り、ボタンを押しました…各番組では首相と電力会社が圧力をかけた件を取り上げる中、ロンドンの地下鉄爆破事件の速報が流れ!物語は幕を閉じます。
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折原は教員が所持していたメガネから、清掃員として潜り込んでいたのではと考えたようですね。それでも、爆破の危険はあったのではと思われますが…報道の姿勢やスリルと合わせて、キャスターを務め続けようとしていたのかもしれません。
犯人がスタジオに来て教員と呼んでいた男性が祖父であると明かされたり、折原と対峙したりするのにハラハラ!折原が電力会社たちとの関係を明らかにする動画を公開するシーンは、特に見応えがありました。最後の演出と折原の考えを踏まえて、見解や感想を話したくなる作品だなと思います!
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犯人との交渉や、現代の問題を扱ったサスペンス系の映画なら以下の2作品もおすすめ!
サブウェイ123 激突
ニューヨークの地下鉄で発生したハイジャック事件を描くサスペンス・アクション映画です。運行指令室に勤務するウォルター・ガーバー(デンゼル・ワシントン)は、突如として列車を乗っ取った武装集団のリーダー(ジョン・トラボルタ)から身代金1000万ドルを要求された…。
犯人は1時間以内に金を用意しなければ乗客を殺害すると脅迫。ガーバー犯人との交渉を余儀なくされる中、驚きの展開が繰り広げられます。
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『ショウタイムセブン』と同じく、『サブウェイ123 激突』も限られた時間と空間の中で繰り広げられる交渉劇が見どころの映画です。特に、交渉人が一般人(運行指令員)である点や、メディアや世論が事件に影響を与える構造が似ていますね。
犯人との駆け引きや真相が次第に明らかになる展開は、『ショウタイムセブン』の緊張感と通じるものがあります。ジョン・トラボルタ演じる犯人の不気味なカリスマ性と、デンゼル・ワシントンのリアルな演技に注目ですよ。交渉サスペンスが好きな人には必見の作品です!
ラストマイル
現代の物流業界を舞台にした社会派サスペンス映画。多くの人が利用するショッピングサイトの物流センターで働くことになった舟渡エレナ(満島ひかり)を中心として物語が描かれます。ブラックフライデー間近に起きる連続爆破事件の真相を追い、スリリングな展開とともに現代社会の過酷な労働環境やシステムの盲点を浮き彫りにする作品ですよ。
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『ショウタイムセブン』がメディアと報道の力を描いた作品であるのに対し、『ラストマイル』は物流業界の闇を暴く社会派サスペンス!どちらも、社会の仕組みの中で隠された不正や人間の苦悩を浮かび上がらせる点が共通していますよ。
『ショウタイムセブン』で描かれた犯人との駆け引きや爆破事件の緊迫感は、『ラストマイル』にも通じるものがあり、手に汗握る展開が続くのが見どころ。また、企業の圧力や労働環境が人々を追い詰める構造も共通点の一つですね。
社会問題をスリリングなドラマとして楽しみたい人にピッタリの映画です!