2021年11月5日公開の映画『リスペクト』。
2006年のミュージカル映画「ドリームガールズ」でアカデミー助演女優賞を受賞したジェニファー・ハドソンの主演映画です。
アレサ・フランクリンの半生を描いたジュークボックス・ストーリー。
映画『リスペクト』の挿入歌25曲をシーンごとにご紹介します。
リスペクト サウンドトラック
『リスペクト』で流れた曲とは?
10歳のアレサ・フランクリンがホームパーティーで歌うシーン
Ella Fitzgerald - My Baby Likes To Bebop ((And I Like To Bebop Too)
10歳のアレサ・フランクリンがホームパーティーで歌うシーンで流れた曲は、Ella Fitzgerald(エラ・フィッツジェラルド)の『My Baby Likes To Bebop ((And I Like To Bebop Too)』です。
エラ・フィッツジェラルドにデューク・エリントンがホームパーティーに集まる環境とは、一体全体どういう状況でしょうか。私の興奮は冒頭から上がりっぱなしです。
幼少期のアレサ・フランクリン役もパワフルで子供とは思えない歌声です。
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父親が部屋でレコードを聴いているシーン
Sam Cooke - How Far Am I From Canaan
父親が部屋でレコードを聴いているシーンで流れた曲は、Sam Cooke(サム・クック)の『How Far Am I From Canaan』です。
父親にいいように利用されているにも関わらず、甘える幼い頃のアレサ・フランクリンが、なんだか不憫に思えて仕方がありません。
アレサ・フランクリンが幼いころから教会で歌うシーン
Jennifer Hudson - There Is A Fountain Filled With Blood
アレサ・フランクリンが幼いころから教会で歌うシーンで流れた曲は、Jennifer Hudson(ジェニファー・ハドソン)の『There Is A Fountain Filled With Blood』です。
ジェニファー・ハドソンも幼いころからゴスペルをやっていたそう。さらにアレサ・フランクリンの前座を務めていたことも。
ジェニファー・ハドソンにとって、『リスペクト』はとても縁深い作品だったのですね。
アレサ・フランクリンがテッドと目が合うシーン
The Strollers - Go Where My Baby Lives
アレサ・フランクリンがテッドと目が合うシーンで流れた曲は、 The Strollers(ザ・ストローラーズ)の『Go Where My Baby Lives』です。
とうとう出会ってしまいましたDV旦那!アレサ・フランクリンが友人の忠告に従っていれば、と切に思います。
60年代のカジュアルコーデは、やっぱり可愛い。程よいフィットアンドフレアで、カチューシャの使い方やコーディネートは今秋のお手本にしたいです。
ダンスパーティーのシーン
Marvin & Johnny - Little Honey
ダンスパーティーのシーンで流れた曲は、Marvin & Johnny(マーヴィン&ジョニー)の『Little Honey』です。
グッドミュージックにダンスとは最高のシチュエーションです!おばあちゃんのグルーヴ感がかっこいい。
父親の娘に一切の選択肢を与えない対応が怖いです。
1960年 アレサ・フランクリンがニューヨークにあるコロンビア・レコードに行くシーン
James Brown - Think
1960年 アレサ・フランクリンがニューヨークにあるコロンビア・レコードに行くシーンで流れた曲は、James Brown(ジェームス・ブラウン)の『Think』です。
モスグリーンのワンカラーコーディネートが素敵なシーンです。差し色にからし色のワンピースで。50年代・60年代のコーディネートは、とても魅力的に見えます。
レコード会社のエージェントとも父親がほとんど話し、しゃしゃり出る感じが好きになれません。
アレサ・フランクリンが試しにジャズのレコーディングをするシーン
Jennifer Hudson - Ac-cent-tchu-ate The Positive
アレサ・フランクリンが試しにジャズのレコーディングをするシーンで流れた曲は、Jennifer Hudson(ジェニファー・ハドソン)の『Ac-cent-tchu-ate The Positive』です。
アレサ・フランクリンはデビュー当初、ジャズシンガーとして売り出されていましたが、なかなかヒットには恵まれなかったそうです。
『Ac-cent-tchu-ate The Positive』は1940年代にリリースされた定番のジャズナンバーのひとつで、たくさんのジャズ・ミュージシャンがカバーしていますよ。
アレサ・フランクリンがテッドに恋焦がれるシーン
Jennifer Hudson - Nature Boy
アレサ・フランクリンがテッドに恋焦がれるシーンで流れた曲は、Jennifer Hudson(ジェニファー・ハドソン)の『Nature Boy』です。
自分の意志で選んだ初めての恋愛だからでしょうか、アレサ・フランクリンがあっという間にテッドに夢中になります。画面越しで悲しいため息が出てしまいます。
ジェニファー・ハドソン版の『Nature Boy』は艶っぽくて好きです。
1966年 アレサ・フランクリンが息子と食事するシーン
Jimi Hendrix - Hey Joe
1966年 アレサ・フランクリンが息子と食事するシーンで流れた曲は、Jimi Hendrix(ジミ・ヘンドリックス)の『Hey Joe』です。
血だらけの5ドル札からテッドの喧嘩っ早い性格がよくわかりますね。今の時代であれば、テッドにアンガーマネジメントをおすすめします。
1967年 アレサ・フランクリンがアラバマ州のレコーディング施設に向かうシーン
Jr. Walker & The All Stars - Anyway You Wanna
1967年 アレサ・フランクリンがアラバマ州のレコーディング施設に向かうシーンで流れた曲は、Jr. Walker & The All Stars(ジュニア・ウォーカー&ザ・オール・スターズ)の『Anyway You Wanna』です。
コロンビア・レコードからアトランティック・レコードに移籍したアレサ・フランクリンは、新しいバンドと組み心機一転再スタートを切ります。
人種差別の色濃いアメリカ南部でのレコーディングは、不安でいっぱいだったと思います。
アレサ・フランクリンとバンドが新曲をレコーディングするシーン
Jennifer Hudson - I Never Loved A Man
アレサ・フランクリンとバンドが新曲をレコーディングするシーンで流れた曲は、Jennifer Hudson(ジェニファー・ハドソン)の『 I Never Loved A Man』です。
ほとんどをテッドに任せあまり発言していなかったアレサ・フランクリンですが、少しずつ自分の意志をバンドやプロデューサーに伝えます。
圧倒的な才能を持つアレサ・フランクリンにテッドは嫉妬していたから、彼女を強くコントロールすることで優越感に浸っていたのでしょうか。
実家に戻ったアレサ・フランクリンが家族時間を楽しむシーン
Otis Redding - Respect
実家に戻ったアレサ・フランクリンが家族時間を楽しむシーンで流れた曲は、Otis Redding(オーティス・レディング)の『Respect』です。
アレサ・フランクリンのヒット曲と言えば、「Respect」があがるかと思いますが、実はOtis Reddingが原曲を歌っています。
アレサ・フランクリンはOtis Reddingの『Respect』を自分の感情に合わせてアレンジしました。歌い手によって曲の印象が変わるのが、音楽の面白いところですね。
姉妹揃ってレコーディングするシーン
Jennifer Hudson - Do Right Woman, Do Right Man
姉妹揃ってレコーディングするシーンで流れた曲は、Jennifer Hudson(ジェニファー・ハドソン)の『Do Right Woman, Do Right Man』です。
自分のレコードがリリースされたと知ったアレサ・フランクリンは、すぐさまプロデューサーに連絡を取り、新しい曲を作ります。
テッドとの関係で傷ついたアレサ・フランクリンの心情がひしひしと伝わってくるシーンでした。
アレサ・フランクリンがテッドとよりを戻すシーン
Jennifer Hudson - Dr. Feelgood
アレサ・フランクリンがテッドとよりを戻すシーンで流れた曲は、Jennifer Hudson(ジェニファー・ハドソン)の『Dr. Feelgood』です。
再びやめて!のシーンです。テッドにひどい仕打ちをされたのに、なぜ元さやにもどってしまうのでしょうか。
DV被害者の置かれている状況を冷静に見つめられる環境がどれだけ重要か実感します。恐ろしい洗脳です。
深夜にアレサ・フランクリンが作曲するシーン
Jennifer Hudson - Respect
深夜にアレサ・フランクリンが作曲するシーンで流れた曲は、Jennifer Hudson(ジェニファー・ハドソン)の『Respect』です。
深夜早々にコーラスできるキャロリンたちが凄すぎです。姉妹全員、才能豊かなのですね。
マイルドに演出されているとはいえ、しんどいシーンが多い本作品ですが、姉妹との作曲シーンは心が温まりました。
アレサ・フランクリンがスターダムにのし上がるシーン
Jennifer Hudson - Sweet Sweet Baby (Since You've Been Gone)
アレサ・フランクリンがスターダムにのし上がるシーンで流れた曲は、Jennifer Hudson(ジェニファー・ハドソン)の『Sweet Sweet Baby (Since You've Been Gone)』です。
ヒット曲が増え、一気に全米を虜にしたアレサ・フランクリン。時代は違いますが、私もアレサ・フランクリンの虜です。
インタビューシーンでテッドがしゃしゃり出ていますが、父親とそっくりですね。ちょっと引っ込んでろと文句を付けたくなります。
キャロリンの曲をアレサ・フランクリンがアレンジするシーン
Jennifer Hudson - Ain't No Way
キャロリンの曲をアレサ・フランクリンがアレンジするシーンで流れた曲は、Jennifer Hudson(ジェニファー・ハドソン)の『Ain't No Way』です。
アレサ・フランクリンと姉妹の絆が描かれています。キャロリンは43歳の若さでこの世を去っています。
映画「ブルース・ブラザース」では、アレサ・フランクリンとともに出演していたそうです。残念ながら私は全然気づきませんでした。
アレサ・フランクリンがコボ・ホールのステージで歌うシーン
Jennifer Hudson - (You Make Me Feel Like A) Natural Woman
アレサ・フランクリンがコボ・ホールのステージで歌うシーンで流れた曲は、Jennifer Hudson(ジェニファー・ハドソン)の『(You Make Me Feel Like A) Natural Woman』です。
私の中で女性を賛美する曲と言えば、『(You Make Me Feel Like A) Natural Woman』です。
ありのままの自分を受けいれてくれる人の存在の大きさを感じます。願わくば、生でアレサ・フランクリンの『(You Make Me Feel Like A) Natural Woman』を聴きたい。
アレサ・フランクリンがアムステルダムでライブするシーン
Jennifer Hudson - Chain of Fools
アレサ・フランクリンがアムステルダムでライブするシーンで流れた曲は、Jennifer Hudson(ジェニファー・ハドソン)の『Chain of Fools』です。
さすがはお花の国、アムステルダム。予想外に花を投げまくっています。私の笑いの沸点が低いのか、本シーンでは思わず吹き出しました。
ステージに上がってきた一般男性は、『Chain of Fools』だから白い花のレイをアレサ・フランクリンにかけたくなったのでしょうか。
アレサ・フランクリンがパリでThinkを歌うシーン
Jennifer Hudson - Think
アレサ・フランクリンがパリでThinkを歌うシーンで流れた曲は、Jennifer Hudson(ジェニファー・ハドソン)の『Think』です。
映画「ブルース・ブラザース」で絶賛した『Think』!ジェニファー・ハドソン版も最高ですね。
👉 映画『ブルース・ブラザース』で流れる全21曲をシーンごと解説
アレサ・フランクリンがキング牧師の葬式で歌うシーン
Jennifer Hudson - Take My Hand, Precious Lord
アレサ・フランクリンがキング牧師の葬式で歌うシーンで流れた曲は、Jennifer Hudson(ジェニファー・ハドソン)の『Take My Hand, Precious Lord 』です。
人として正当な扱いがなかった時代に、キング牧師のような存在は大きな希望で力を与えていました。
キング牧師が登場する映画といえば、私は1994年の映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」を思い出します。
1970年 ロサンゼルスの豪邸でA・デイヴィスの事件を知るシーン
Jennifer Hudson - Spanish Harlem
1970年 ロサンゼルスの豪邸でA・デイヴィスの事件を知るシーンで流れた曲は、Jennifer Hudson(ジェニファー・ハドソン)の『Spanish Harlem』です。
『リスペクト』は、1960年代・1970年代のアメリカの社会を知るきっかけになる映画です。映画はかなりライトな学習の入口なので、いい機会だと思います。
アレサ・フランクリンが泥酔したまま歌うシーン
Jennifer Hudson - I Say A Little Prayer
アレサ・フランクリンが泥酔したまま歌うシーンで流れた曲は、Jennifer Hudson(ジェニファー・ハドソン)の『I Say A Little Prayer』です。
アルコール依存症は怖いものです。いつ自分が陥るかはわかりませんが、弱さを認めて生きていきたいなと感じたシーンです。
『I Say A Little Prayer』は、1997年のラブコメ「ベスト・フレンズ・ウェディング」でおなじみの挿入歌です。
👉 『ベスト・フレンズ・ウェディング』の挿入歌7曲をシーンごと紹介
アレサ・フランクリンが聖歌隊と歌合わせするシーン
Jennifer Hudson - Precious Memories
アレサ・フランクリンが聖歌隊と歌合わせするシーンで流れた曲は、Jennifer Hudson(ジェニファー・ハドソン)の『Precious Memories』です。
私は無宗教なので、神や聖歌についてはよく理解できませんが、心のよりどころという点で人によっては必要不可欠なものかと思っています。
アレサ・フランクリンにとっても、教会の存在やゴスペルは生きていくうえで欠かせないものだったのでしょう。
1972年 ロサンゼルスの教会で公開レコーディングするシーン
Jennifer Hudson - Amazing Grace
1972年 ロサンゼルスの教会で公開レコーディングするシーンで流れた曲は、Jennifer Hudson(ジェニファー・ハドソン)の『Amazing Grace』です。
鳥肌がおさまらなかった歌唱シーンです!よくのびる歌声と高音が心地よく、感極まって涙が溢れてきました。
筆者の感想
聴くたびにパワーを与えてくれるアレサ・フランクリン。彼女のパワーがどこからくるのか不思議でしたが、壮絶な人生を乗り越えてきたからこその、あのパワフルな歌声だったのですね。
ジュディ・ガーランドやビリー・ホリデイなど、最高のシンガーほどアルコールやドラッグの罠にはまってしまうのがなんとも悲しい…。優れた才能の代償はとても大きく深いものですね。
2007年の映画「ドリームガールズ」でビヨンセを押しのけて存在感を発揮したジェニファー・ハドソンは、本作品でも才能豊かでアレサ・フランクリンの線の細さや立ち上がりの強さを、上手に表現できていたと思います。
エンドロールのアレサ・フランクリン本人のライブ映像は、必見です!
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