2019年配信のNetflix映画『サムワン・グレート ~輝く人に~』。
駆け出しの音楽ライターのジェニーは、念願のローリングストーンズ誌に採用されます。
ジェニーの喜びはつかの間に、長年付き合った恋人と破局します。落ち込むジェニーのために、親友のブレアとエリンはあの手この手でジェニーを励まします。
Netflixオリジナル作品、笑って泣いてのガールズムービーです。
映画『サムワン・グレート ~輝く人に~』で流れた音楽15曲をご紹介します。
『サムワン・グレート ~輝く人に~』で流れた曲とは?
オープニング
UGK - Int'l Players Anthem (I Choose You)
オープニングで流れた挿入歌は、UGK(アンダーグラウンド・キングズ)の『Int'l Players Anthem (I Choose You)』です。
2007年のアルバム Underground Kingzの収録曲です。1973年にリリースされたWillie Hutch(ウィリー・ハッチ)の楽曲I Choose Youをサンプリングしました。
『Int'l Players Anthem (I Choose You)』は、第50回グラミー賞の最優秀ラップパフォーマンス・デュオグループにノミネートされました。
どこにでもいるカップルのジェニーとネイトは、オープニングでは楽しそうで幸せそうな雰囲気です。
ジェニーのローリングストーンズ誌の採用が決まった途端、9年付き合ったネイトと破局します。ジェニーは、駅のホームで失恋の悲しみを隣にいる女性に打ち明けます。
初っ端から大爆笑のシーンでした!ジェニーが「What the fuck just happened?」とつぶやくのですが、笑いながら「こっち(視聴側)のセリフだわ!」と画面越しにツッコミをいれてしまいました。
『Int'l Players Anthem (I Choose You)』は、断トツでサンプリングがカッコイイ1曲です。MVも結婚式のドタバタ劇をモチーフにしたユニークな内容になっています。
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ジェニーとネイトの思い出をSNSで振り返るシーン
Lorde - Supercut
ジェニーとネイトの思い出をSNSで振り返るシーンの挿入歌は、Lorde(ロード)の『Supercut』です。
Lordeは2013年のRoyalsでデビューして以降、ヒット曲を連発しているニュージーランドのオークランド出身のシンガーソングライターです。
Supercutとは、テーマにあった短い動画を沢山集めてひとつの動画にすることです。
挿入歌『Supercut』の冒頭部分と同じように、ジェニーとネイトの過ごした日常が鮮明に出てきています。
ジェニーとネイトのメッセージのやり取りや仲睦まじい写真は、真剣交際をしたことがある人ならチクリときてしまうシーンですね。
「結婚したい!」と夢中になっているジェニーを落ち着かせる親友のエリンとブレアのメッセージにもリアリティがあります。
ジェニーの検索履歴やSNSの記念日写真も、現実世界でのあるある経験でなんだかそわそわしてしまいました。
ジェニーの家にエリンがシャンパンを持って訪ねるシーン
Lizzo - Truth Hurts
ジェニーの家にエリンがシャンパンを持って訪ねるシーンの挿入歌は、Lizzo(リゾ)の『Truth Hurts』です。
『Truth Hurts』はアメリカのビルボードのトップに連続してランクインし、2020年度のグラミー賞で最優秀ポップ・ソロ・パフォーマンス賞を受賞しました。
9年付き合ったネイトと別れたジェニーは、親友のブレアとエリンを地元で行われるフェスに誘います。フェスへ行く前に、親友のブレアとエリンに仕事を休んで、シャンパンを持ってきてとお願いするジェニー。
映画『サムワン・グレート ~輝く人に~』の中で一番好きなシーンです。ガールズムービーの醍醐味です。ただ酔っぱらって曲にのっているだけなのに、おしゃれにみえてしまうのが不思議です。
Lizzoはラッパーですが、実はフルート奏者でもあります。ライブでヒップホップとフルートをミックスしたLizzoのパフォーマンスは、とてもかっこいいので、ぜひチェックしてみてください!
ネイトに出会った日の夜をジェニーが思い出すシーン
Vampire Weekend - Mansard Roof
ネイトに出会った日の夜をジェニーが思い出すシーンの挿入歌は、Vampire Weekend(ヴァンパイア・ウィークエンド)の『Mansard Roof』です。
Vampire Weekendはニューヨークのロックバンドで、2019年のグラミー賞でオルタナティヴ・ミュージック・アルバム部門を受賞しました。
FUJI ROCK FESTIVALやSUMMER SONICなどで日本に来日したこともあります。
偶然流れた『Mansard Roof』は、ジェニーがネイトにはじめて会った日の夜を思い起こさせます。
アメリカの若者らしく、パーティーにでかけたジェニー、ブレア、エリンは、くだらない話をしながら過ごします。ジェニーは無意識のうちにネイトをじっと見つめています。
パーティーでの出会いやジェニーに話しかけるネイトは、ザ・アメリカンな雰囲気が満載です。
ガールズムービーでは定番のパーティーですが、日本ではなかなか遭遇することのない未知の世界ですね。
パーティーで意気投合するジェニーとネイトのシーン
Twin Shadow - Saturdays (feat. HAIM)
パーティーで意気投合するジェニーとネイトのシーンの挿入歌は、Twin Shadow(ツイン・シャドウ)の『Saturdays (feat. HAIM)』です。
ドミニカ共和国出身のTwin Shadowは、アメリカのニューヨークで活動するインディーズ・ミュージシャンです。
『Saturdays (feat. HAIM)』は、ロサンゼルスのロックバンドHAIMとコラボした楽曲です。
意中の相手に待ちぼうけをくらっていたジェニーは、あっという間にネイトと意気投合します。
ラブモード全開のジェニーとネイトの様子には、お腹いっぱいになります。
スモークを吸うネイトのシーンがありますが、アメリカではパーティーでカジュアルに吸うものなのでしょうか?アメリカのガールズムービーを多く観ていると、よく見かけるシーンのひとつです。
遠距離恋愛への不安をお互いに爆発させるジェニーとネイトのシーン
Mitski - Your Best American Girl
遠距離恋愛への不安をお互いに爆発させるジェニーとネイトのシーンの挿入歌は、Mitski(ミツキ・ミヤワキ)の『Your Best American Girl』です。
三重県出身の日系アメリカ人であるMitskiは、ニューヨークを拠点に活動するシンガーソングライターです。
『Your Best American Girl 』は、2016年にリリースされた4枚目のアルバム、Puberty 2の収録曲です。
ローリングストーンズ誌の就職が決まったジェニーは、ネイトと遠距離恋愛になってしまいます。遠距離恋愛への不安に耐えきれないネイトは、ジェニーの些細な行動にもイラつきを抑えられません。
遠距離恋愛には向き不向きがあると思いますが、ネイトは遠距離恋愛が不向きなタイプ。
ジェニーと一緒にいる時間が長かったからこそ、遠くに行ってしまうジェニーの生活にあわしきれないと思ったのでしょうか。ネイトとジェニーのどちらの気持ちも理解できるので、胸が痛いシーンです。
最後は必要かな?とつい思ってしまう、お馴染みの激しいベッドシーンです。ベッドシーンが苦手な方はスキップがおすすめです。
ジェニー・ブレア・エリンの3人がフェスに行く準備をするシーン
Lil' Kim - The Jump Off
ジェニー・ブレア・エリンの3人がフェスに行く準備をするシーンの挿入歌は、Lil' Kim(リル・キム)の『The Jump Off』です。
ヒップホップの女王Lil' Kimは、2001年にレディ・マーマレイドをリリースし、第44回グラミー賞で最優秀ポップ・コラボレーション賞を受賞しました。
冒頭部分に続いて、ガールムービーの醍醐味ナンバー2、ノリの良いヒップな曲を流しながら、仲のいい女友達と酒をあおります。
酒で悪ふざけをしつつ、ファッションパーティー。あれ?これ?とクローゼットからお洒落な服を片っ端から広げては着ての着せ替えタイムです。
『The Jump Off』のかっこいいフロウに筆者もノリノリになりながら、持つべきはやはり友達!と固く思ってしまいます。
アメリカのガールズムービーには、本シーンのような着せ替えタイムが高確率であるのですが、ガールズのきゃぴきゃぴ感が最高です!
コンビニで思い入れのある曲が流れて歌うジェニーたちのシーン
Selena - Dreaming Of You
コンビニで思い入れのある曲が流れて歌うジェニーたちのシーンの挿入歌は、Selena(セレナ)の『Dreaming Of You』です。
1995年にリリースされた『Dreaming Of You』の邦題名は、「眠れない夜」です。
Selenaは12歳から音楽活動をしており、順調にキャリアを積んでいましたが、23歳の時にファンクラブ会長に銃殺されこの世を去りました。
映画『サムワン・グレート ~輝く人に~』の面白シーン2です。(ひとつめはオープニングです)
着せ替えタイムが終わったジェニー・ブレア・エリンは、コンビニへ酒を買いにいきます。
買い物の途中、BGMから『Dreaming Of You』が流れ始めます。思わず反応してしまったジェニーは、感傷に浸りながら歌いはじめます。エリンも巻き込んで歌うジェニー。一瞬他人のフリをしたブレアも巻き添えにします。
猫様が怯えているからやめろ!と怒鳴り散らす店主に、ジェニーは悪態をつきます。
筆者の近所にもジェニーのように大声で気持ちよく歌っていく人います。毎度サビのところでストップしてしまうのですが。迷惑そうな店主とブレアに共感してしまいます。
ジェニーたちがフェス会場に到着するシーン
Big Freedia - Karaoke feat. Lizzo
ジェニーたちがフェス会場に到着するシーンの挿入歌は、Big Freedia(ビッグ・フリーダ)の『Karaoke feat. Lizzo』です。
Big Freediaはニューオリンズを中心に活動するバウンス・ヒップホップ・アーティストです。
ビヨンセやドレイクなど著名アーティストとコラボしており、LGBTQ業界をけん引するトップアーティストの一人です。
最高潮に盛り上がるフェス会場に到着したジェニーたちは、早速DJのプレイを楽しみます。
地元のフェスで見知らぬ人が多いことに戸惑うジェニーですが、地元は離れるものとエリンは気にしない様子です。
筆者は映画で英会話の抑揚や言葉を勉強しているのですが、ジェニーたちの会話はリアリティがあって英会話の参考になります。
ジェニーがバーカウンターにいる元カレのネイトを発見するシーン
Jessie Reyez - DOPE
ジェニーがバーカウンターにいる元カレのネイトを発見するシーンの挿入歌は、Jessie Reyez(ジェシー・レイエズ)の『DOPE』です。
Jessie Reyezは、2017年のカナダのジュノー賞で最優秀新人賞を受賞した、トロント出身のR&Bシンガーです。
2016年のシングルFiguresをリリースして以降、サム・スミスやエミネムなどトップアーティストたちからラブコールを受けている期待のシンガーです。
絶好調に楽しんでいるジェニーは、バーカウンターにいる元カレのネイトを発見します。
エリンはネイトを放っておけとジェニーに忠告しますが、「真剣に愛したこともない人に私の気持ちはわからない!」とジェニーはエリンに逆ギレします。
せっかくの楽しい雰囲気が台無しです。ジェニーそれはないだろと筆者も落ち込みました。
親友は何でも相談できて何でも話しますが、親しいがゆえに、つい乱暴に扱ってしまって傷つけてしまうことありますよね。
似たような場面に遭遇したことがあるので、チクリとするワンシーンでした。
ジェニーが必死に元カレのネイトを探すシーン
Jessie Reyez - Great One
ジェニーが必死に元カレのネイトを探すシーンの挿入歌は、Jessie Reyez(ジェシー・レイエズ)の『Great One』です。
『Great One』は2017年にリリースされたアルバム、Kiddoの収録曲です。
ジェニーは元カレのネイトに一目会いたくて、バーカウンターで見かけたネイトをフェス会場で探します。
DJフロアにいたネイトと目が合ったジェニーは、ネイトに声をかけられず、少し離れたところで立ちつくしてしまいます。
楽しかった学生時代の恋愛から大人の恋愛へ、遠距離をきっかけに変わっていく二人の関係に、ネイトは耐えられませんでした。
筆者も遠距離恋愛ができない人なので、ネイトの気持ちがよくわかります。これからもずっと一緒にいたいと思う相手なら、遠距離恋愛よりも相手についていくと思いますね。
遠距離恋愛で失恋したことがある人ならトラウマシーンだと思います。まだ失恋から立ち直っていない人は、本シーンをスキップで。
マットとパーティー会場に向かったジェニーのシーン
Ryn Weaver - Reasons Not To Die
マットとパーティー会場に向かったジェニーのシーンの挿入歌は、Ryn Weaver (リン・ウィーバー)の『Reasons Not To Die』です。
アメリカのシンガーソングライター。
Ryn Weaverの代表曲「OctaHate」をSoundCloudでリリースして以降、注目度が高まっているシンガーソングライターです。
マットとパーティー会場に向かったジェニーは、通り過ぎる地元の風景にネイトと過ごした日がフラッシュバックします。
さりげない日常に思い出はたくさん詰まっています。「あの道、元カレとよく通っていたな…」と思い出す人もいるのでは?
連絡がつかないジェニーを心配するブレアとエリンは、些細なことで喧嘩が始まります。
もう学生時代のように遊ぶことはできないけど、大人になりきれていないことに焦るブレアとエリンの心境に頷いてしまいます。
10代・20代からみた30代は、洗練された大人のイメージがありましたが、実際30代になると全然大人になってないです。そもそも20代と変わっていない。
ブレアがいうように、遅くまで飲み歩くよりも休日のお昼にマルシェに行きたいと思うと大人なんでしょうか。今では筆者もマルシェ派です。
パーティー会場で昔話に花を咲かせるジェニーとマットのシーン
Robyn - Missing U
パーティー会場で昔話に花を咲かせるジェニーとマットのシーンの挿入歌は、Robyn(ロビン)の『Missing U』です。
1990年代に活躍したスウェーデンの歌手Robynは、一時活動が停止していましたが、2018年にカムバックしています。
スウェーデンの国民的シンガーです。
学生時代にマットとデートしていたジェニー。マットとジェニーは昔話に花を咲かせます。
マットと話しているうちに落ち着いたジェニーは、席を離れます。
マットの昔話をきいていると、女の子をとっかえひっかえのプレイボーイです。ちょっと遊ぶには丁度いい男だけど、真剣交際はしたくないタイプです。
ジェニーが思い出の場所でネイトと話すシーン
Frank Ocean - Moon River
ジェニーが思い出の場所でネイトと話すシーンの挿入歌は、Frank Ocean(フランク・オーシャン)の『 Moon River』です。
Frank Oceanは、第55回グラミー賞では最優秀新人賞や最終アルバム賞など多くノミネートされ、マルチな才能を持つアメリカのシンガーソングライターです。
ビヨンセやジャスティン・ビーバーなどに歌詞を提供しています。
マットのいるパーティー会場を離れたジェニーは、甘い思い出のあるワシントン・スクエア・パークに向かいます。
感傷に浸っているジェニーの前にネイトは現れます。やりなおそうとネイトは懇願します。
ホロリと涙がこぼれるシーンです。
ワシントン・スクエア・パークは映画のロケ地の定番スポットですが、ゴーストバスターズ2でも少しだけ出てきます。
エンディング
Starley - Call On Me (Ryan Riback Remix)
エンディングの挿入歌は、Starley(スターリー)の『Call On Me (Ryan Riback Remix)』です。
オーストラリアのシンガーソングライターStarleyのシングル曲Call On Meを、DJのライアン・リバックがリミックスし、オセアニア地域でヒットしました。
なんとか失恋を受け入れる準備ができたジェニーは、自分の人生を生きる決心をします。
地元を離れ、友達とも離れるジェニーは新しい生活に不安がいっぱいです。何事も新しく始める時は怖いものです。
学生時代のようにいかなくても、学生時代のように失敗することも楽しむこともあります。
ジェニー・ブレア・エリン、それぞれの3人の悩みや不安に親しみを感じますね。
筆者の感想
仕事がうまく軌道に乗ったかと思うと、恋愛がボロボロになることよくあります。大事な人に愛を伝えることに四苦八苦したり、火遊びに夢中になったり、ガールズトークで聞いたことのあるストーリーが満載の映画です。
『サムワン・グレート ~輝く人に~』を観たきっかけは、予告編の楽曲に惹かれて再生しましたが、トレンド曲が多く楽しく観ることができ、共感してしまうシーンが多かったです。
恋に一生懸命になったことがある人なら、間違いなく面白い映画だと思います。ただし、別れ話のシーンなど一部恋のトラウマを思い出させてしまうかもしれません。
NYガールズ・ダイアリーが好きな人には全力でおすすめしたい作品です。
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