2004年11月5日に韓国で公開された、映画『私の頭の中の消しゴム』
日本のドラマ『Pure Soul〜君が僕を忘れても〜』を原作としたラブストーリー。
キャッチコピー「死より切ない別れがある」
韓国では3週連続第1位、日本では4週連続第1位を記録。
日本の興行収入の累計総額は30億円で、当時の韓国映画史上第1位でした。
30秒のCMで泣ける涙腺最弱王のbeersyです！
元々は主人がこの映画のDVDを持っていて、夜中に観て嗚咽し（近所迷惑）目を腫らしました。
未だ根強い人気を誇る、韓国映画の大ヒット作です！
この記事では、映画『私の頭の中の消しゴム』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介いたします。
『私の頭の中の消しゴム』の評価＆感想
- 感動度
- 5
- 脳トレ度
- 4
- 再鑑賞度
- 5
- サプライズ度
- 4
- 話題性
- 5
映画が観客の心にどれだけ響くか、感動の深さや涙の数を評価する。
物語の複雑さや、観客が考えるきっかけを与えるか、推理や考察が必要かなどを評価。
何度も見返したくなる魅力があるか、2回目以降に新しい発見や解釈ができるかを評価。
期待を裏切る展開、驚きのエンディング、斬新な演出など、映画全体のサプライズ要素を評価。
人々の間でどれだけ話題になるか、SNSでのシェアや友人・家族との会話のタネになるかを評価。
『愛の不時着』のソン・イェジンの若かりし頃の作品。超可愛い…。
アルツハイマーを題材としており、その苦悩や愛を描いた作品です。
これ、ドラマにした方が良かったのでは？と思うほど内容が濃ゆい。
もっと、主役二人の結婚までのストーリーや、チョルスの義母や師匠との色々も観てみたかった。
映画では、アルツハイマーになった後の話が細かく描かれているので、本当に胸が苦しくなりました。
も〜本当に後半ずっと泣きっぱなし。俳優陣の見事な演技も素晴らしいです。
観る際は、ティッシュの準備を！！
以下より重要なネタバレを含みます。
『私の頭の中の消しゴム』のネタバレ
出会い
建築会社の社長令嬢だが、忘れっぽく健忘症の無邪気なキム・スジン（演／ソン・イェジン）。
彼女は、勤めているアパレル会社の上司と不倫しており、駆け落ちをしようとしていたがすっぽかされてしまう。
涙を拭き、コンビニでコーラを買ったが置いて来てしまい、店に戻ると背の高い男性がコーラを持っていた。
スジンは、自分が買ったコーラをその男性が盗んだのだと思い込み、彼の手から奪って飲み干してしまう。
しかし、今度は財布が無いと気付いて戻ると、コンビニの店員はコーラと財布を預かってくれており、スジンは自分の勘違いで男性のコーラを飲んでしまった事に気付いた。
家に戻ると、妹には駆け落ちをすっぽかされた事でバカにされたが、両親は優しく接してくれる。
しかし会社に不倫がバレてしまったため、スジンは女性服から紳士服部署に移動させられ、白い目で見られるようになった。
ーー
父と食事へ向かう途中、父は建築中のビルを視察すると言って車を離れる。
スジンが車の中で待っていると、あの夜に出会った男性が通り過ぎて驚いた。
彼はチェ・チョルス（演／チョン・ウソン）という名で、そのビルの現場監督だったが、スジンは話しかけられずにいた。
しかし後日、二人はまたしても思わぬ再会を果たす。
スジンが受け持っている店舗の改装業者が倒産し、父に頼み込んで業者を呼んでもらったが、現れた作業員がチョルスだったのだ。
彼もまたスジンの事を覚えており、スジンがコーラを買うと横取りする。
その後、スジンがひったくりに遭った際チョルスが助けた事で、二人の仲は急接近し恋人同士となった。
二人の出会いは缶のコーラ…なんともエモい。
でもゲップはちょっと。笑
スジンの両親は品が良く優しくて、屈託のない笑顔が魅力的な子どもが育つのも納得です。
幸せの絶頂
スジンとチョルスは、街中で抱き合うほどラブラブに。
スジンは結婚を夢見るようになるが、チョルスは「お前はお嬢様で俺は労働者。結婚は出来ない。責任は取りたくないし、怖い」とぶっきらぼうに言った。
しかし諦めきれないスジンは、チョルスと食事をしている時に両親を呼び、強引に顔を合わせる。
気まずい雰囲気が漂う中、父はチョルスが自分の会社の現場の者で、荒い人物だと知っていたため「明日から来るな」と言い放った。
すると、トイレに立ったスジンがいつの間にか外に出ていて、雨の中倒れてしまう。
救急病院では「過度なストレスと貧血」と診断され、すぐに目を覚ましたスジンは、チョルスを泣きながら抱きしめた。
その二人を見ていた父は考え直し、あれよあれよと言う間に二人は結婚式を挙げた。
ーー
チョルスは建築士の資格を取り、大口の契約を決め順風満帆な結婚生活が始まったが、スジンの様子がおかしくなる。
鍋を空焚きして焦がしたり、家に帰る道が分からなくなると言うのだ。
周りは、おっちょこちょいのスジンだからと笑い飛ばすが、スジンは心配になり病院を訪ねる。
問診した後、医師（演／クォン・ビョンギル）は「きっとストレスだろうけれど、念の為」と言って、来週CTとMRI検査をする事になった。
ーー
チョルスは広大な土地に家を建てる計画をする。
しかし、彼の恩師に義母の事を聞いたスジンは、義母が借金をして何かの罪に問われ、服役していると知った。
チョルスは自分を捨てた母親の事を聞くと激怒したが、スジンに「許すのは心の部屋をひとつ空ける事よ」と諭される。
その後刑務所で「産まなきゃ良かった」などと暴言を吐かれたが、結局は家を建てるために貯めた金を取り立て屋に支払い、全て返済してあげた。
ーー
約束から半月過ぎて、スジンはようやく検査をする。
医師は問診し、MRIなどの精密検査を重ねた結果「あなたはアルツハイマー病です」と宣告した。
まだ27歳のスジンは耳を疑ったが、医師は「早く仕事を辞めなさい。薬で進行を遅らせる事は出来るが、じきに家族や友人、自分の事さえも分からなくなる。まだ若いから、身体的な死よりも精神的な死の方が早く訪れるんだ」と残酷な現実を突きつけた。
トントン拍子で結婚にたどり着いたので、もう少し深く描いて欲しかった…と、本作で唯一残念に思う点です。
でもこのあとが濃ゆいので、全部入れ込むと映画の場合はお腹いっぱいになってしまうのかな。
そしてどんどん病気が悪化していくスジン、観ていてとても辛い。
病気
スジンは、病気の事をチョルスに言えないまま会社を辞める。
会社には、元彼のヨンミンが出向先から戻って来ており、「俺のせいで辞めたのか？」と問い詰められた。
話し合おうと言われスジンは会社へ向かうが、道が思い出せなくなり、座りこんでいるところを警官に助けられる。
そこへヨンミンが居合わせ、事情を知らないまま「俺達2年前に戻れないかな？」と聞いた。
しかし、スジンは手を握り「2年前は出会う前じゃない」と笑い、ヨンミンは怪訝に思う。
するとスジンは突然今までの事を思い出し、ハッとして逃げるようにタクシーに飛び乗った。
ーー
チョルスは、スジンの様子がおかしいと思い内緒で病院へ行き、担当医から彼女がアルツハイマーだという事を知らされる。
その医師も妻を同じ病気で亡くしており、「準備と覚悟をしておいたほうが良い」と忠告した。
残酷な病名に、パニックになったチョルス。
電話に出ないスジンを探していると、二人で通ったバッティングセンターにいるのを見つける。
スジンはチョルスの様子を見て「私の頭の中に消しゴムがある事を知ったのね。別れましょう。記憶が消えたら、魂も消えるのよ」と泣きながら伝えた。
しかしチョルスは、「大丈夫、俺に任せて。俺が君の記憶で、君の心なんだ」と言って、泣きながら抱きしめる。
そして家に戻ると、チョルスは家中に様々な張り紙を付けて、スジンには名札をかけ、処方薬を飲みながら住所を言う練習などを重ねた。
1時間20分あたりから、ずーっと号泣。
好きな人が自分を忘れて行くと知った時、自分だったらどうなってしまうのだろう。
前向きになれるチョルス、（前向きにならざるを得ないのでしょうけれど）尊敬します。
記憶を失っても
ある日スジンは、「今日はあなたのお母さんのお誕生日パーティーよ。私の家族と師匠も呼んだわ」と言って、手料理を作り出した。
チョルスに「早く帰って来てね」と言って送り出したが、時間が経つにつれ記憶が薄れてしまう。
しばらくすると、スジンの家にヨンミンが会社の荷物を届けに来る。
彼の顔を見たスジンは、記憶がまたしても昔に戻ってしまい、ヨンミンを家の中に入れて料理をふるまおうとした。
そこへちょうどチョルスが帰宅してしまい、ヨンミンに殴りかかる。
すると、スジンの家族、チョルスの師匠、そして義母も居合わせてしまい、スジンの病気が明らかとなって話し合いになった。
ーー
スジンの父は、チョルスに「無理をせず、私の家に任せなさい。そのうち下の世話もしなければならなくなる」と言う。
それでもチョルスが「もう決めたんです！僕が面倒を見るのでお帰りください」と言うと、スジンが部屋から顔を出して「どうしたの？」と聞いた。
そしてスジンの方を見ると、彼女の足元が濡れており一同は愕然とする。
スジンは、トイレにも行けなくなっていたのだ。
すぐさまチョルスはスジンを部屋に入れ、足を拭きながら号泣した。
ーー
翌朝、スジンは仕事へ行こうとするチョルスに「ヨンミンさん。愛してるわ」と言って見送ろうとする。
チョルスは「俺もだよ」と答えた後、耐えきれなくなって外で泣き、病院へ向かった。
医師は「仕方がない事。最近の事から忘れるんだ。でも、彼女が誰を1番愛しているのかは、愛された本人が知ってるはずだ」と言って慰めた。
一方、スジンは家の中を見渡すと、置かれたチョルスの工具を見て、チョルスの事を思い出す。
自分がしてしまった事、状況を把握し号泣した。
ーー
チョルスが家に戻るとスジンの姿が無く、一通の手紙が置かれている。
「ごめんなさい。私が正常でいられるうちに伝えないといけない。忘れたくない。私が覚えてるのはあなただけ。チョルス、愛してるわ」
「もう傷つけたくないから、姿を消します。あなたも私の事は忘れて、誰かと幸せになってください」
震えながら一生懸命書いた、スジンの想いが詰まった文章だった。
チョルスは手紙を抱きしめながら、泣き崩れた。
彼は照れ臭くて、今まで一度も「愛してる」とは伝えていない。
後悔の念に、押し潰されそうになった。
ーー
何日か経った頃、チョルスの元にスジンからの手紙が届く。
スジンは一時的に記憶が戻り、チョルスへの想いをしたためていた。
変わらず「私の事は忘れて、幸せになってね」と書いてあったが、チョルスは消印をたよりにスジンのいる療養施設を探しに行く。
そしてやっと施設を見つけ、スジンと再会したものの、彼女はすでにチョルスの事を忘れていた。
しかしチョルスは外出許可をもらい、二人が初めて出会ったコンビニへ行く。
そこには、店員や客に扮した家族や医師、師匠、義母がいて、笑顔でスジンを出迎えた。
スジンは全員を見渡すと奇跡的に記憶が戻り、最後にチョルスを見て「ここは天国？」と言う。
チョルスは「そうだよ」と言ってスジンを連れ出し、車に乗せた。
そして今まで言えなかった言葉、スジンに「愛してる」と伝え、ひとときのドライブを楽しむのだった。
最後は奇跡が起こりました。でも永遠ではなく、一時的なもの…。
それでもチョルスは、やっと正常な状態のスジンに「愛してる」と伝えられて少し楽になったのかな。
「死より切ない別れがある」というキャッチコピー、本当にそのままのストーリーでした。
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