2023年4月28日にアメリカで公開された映画『ジョージ・フォアマン:45歳のヘビー級チャンピオン』
45歳でボクシング世界ヘビー級チャンピオンとなった、ジョージ・フォアマンの生涯を描いた伝記映画。
- 主演:クリス・デイヴィス(『スペース・プレイヤーズ』)
- 監督:ジョージ・ティルマン・ジュニア(『ザ・ダイバー』『ファースター 怒りの銃弾』)

とにかく格闘技が大好物のbeersyです!
ボクシング映画といえば『ロッキー』シリーズですが、こちらは当時最年長でベルトを巻いた、本物のボクサーのお話。
怒りを捨て牧師になったジョージ・フォアマンの、波乱万丈な生き様に熱くなりました…。
この記事では、映画『ジョージ・フォアマン:45歳のヘビー級チャンピオン』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介いたします!
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映画『ジョージ・フォアマン:45歳のヘビー級チャンピオン』で流れる17曲をシーン別にご紹介!
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『ジョージ・フォアマン:45歳のヘビー級チャンピオン』の評価&感想
- 感動度
- 4
- 脳トレ度
- 3
- 再鑑賞度
- 4
- サプライズ度
- 4
- 話題性
- 4
2025年3月21日に亡くなった、ジョージ・フォアマンの伝記映画。
牧師でありボクサーでもある彼の、驚くべき半生が描かれています!
極貧からチャンピオンとなり大金持ちに、しかし調子に乗ってまた落とされて。
人生って本当に転機が訪れるものなんだな…と、途中苦しい場面もありますが前向きな気持ちになれました。
主演のクリス・デイヴィスは失礼ながらまだあまり有名ではないようですが、実際のフォアマンにソックリですし、体重の増減がすごくて努力が伝わって来ます!
また、フォレスト•ウィテカーがトレーナー役というのもアツイ。
キャリアの少ないクリス・デイヴィスを、しっかりと支えていました。
ストーリーは試合のシーンが多く楽しかったのですが、もう少し長尺でも良かったのではないかな?もっと観ていたかった。
ボクシングを観ない方にも、ぜひオススメです!
以下より重要なネタバレを含みます。
『ジョージ・フォアマン:45歳のヘビー級チャンピオン』のネタバレ
極貧時代〜ボクシングとの出会い
信仰心の厚い母・ナンシー(ソーニャ・ソーン)を持つジョージ・フォアマン(クリス・デイヴィス)は、姉弟達と極貧の生活を送っていた。
いじめに遭うと手を出してしまう彼は、学校に馴染めない。
そのまま青年になると、人を襲い金を奪うような生活をしており、警察から逃れるために必死だった。
そんなある日、テレビCMで「職業部隊」(技能教育・訓練をし仕事に就く部隊)を観て応募を決意。
寮に入ると、デズモンド・ベイカー(ジョン・マガロ)という自称・数字の天才と仲良くなり、また3食出る生活に嬉しさを隠せなかった。
しかし、喧嘩っ早いジョージはたびたび問題を起こし、職業訓練校の会長であるドク・ブローダス(フォレスト・ウィテカー)に「家に帰りなさい」と言われてしまう。
それだけは…と懇願するジョージに、ボクシングトレーナーでもあるドクは「ボクシングを始めてみなさい」と言って、怒りの感情を喧嘩では無くボクシングにぶつけるようにと勧めた。
ジョージは渋々ながらもトレーニングを開始し、ボクサーとしての道を歩み始める。
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ジョージがボクシングを始めて1年後。
1968年夏季オリンピックで、なんと金メダルを獲得する。
その後はヘビー級のチャンピオンベルトを狙うため、ドクはプロのトレーナーであるディック・サドラー(ドウェイン・バーンズ)、元ライトヘビー級王者のアーチー・ムーア(ラリー・ギリアード・Jr.)とチームを組み、ジョージをさらに強く育てた。
同時にジョージは、美しい女性・ポーラ(シェイン・モンプレミエ)と出会い、連勝を重ねる中結婚する。
そして1973年1月22日キングストンで、ついにジョー・フレージャーと戦って勝利し、ベルトを巻いた。

ドクはジョージにとっての最高の恩師ですね!
見捨てずに育てていましたが、当時はこういう子供多かったんだろうな…。(現在もあるかも)
オリンピックで金メダルを獲った時点で人生最高潮だと思いますが、やはりボクサーたるものベルトが1番なのでしょうね!
ちなみに、国旗を振って同胞に非難されてしまったのも実話だそう。
70年代アメリカの街並みは好きですが、人種差別はエグい。
ボクサーから牧師へ
大金を手に入れたジョージは、資産管理をデズモンドに託す。
家族に豪華な車や家を買い、ポーラとの間には娘が産まれた。
しかし、そんな彼に言い寄って来る女性が多く浮気をし始め、ポーラもそれに気付き、夫婦仲は険悪になって行く。
また、いつまでも信心深く、「神のおかげ」と言っているナンシーの言う事も聞かなくなった。
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1974年10月30日。
32歳のモハメド・アリ(サリヴァン・ジョーンズ)がジョージを挑発し、コンゴ民主共和国で試合が組まれる。
ジョージ優勢と見られていたが、アリの「ロープ・ア・ドープ」戦略によりジョージが敗北を期した。
失意の中、ジョージはディックとアーチーを解雇し、ポーラからは離婚を切り出され、自分対5人のボクサーという謎の試合を組む。
解説席にいたアリと一触即発となり、控え室でドクに「また1人ずつ戦って行こう」と諭されていた。
すると、姉のお腹の中にいる赤ちゃんが危篤だという知らせを受け、病院へ急行。
ジョージは神に「姉が何をしたと言うんです。子供の命を奪うなら、俺の命を奪ってください」と泣きながら祈った。
その後、家族の想いが通じたのか、姉の子は奇跡的に元気に産まれる。
リトル・ジョージと名付けられた甥っ子を見たジョージは、祝福する一方で、己の命が削られるという不安に駆られた。
ーー
1977年3月17日。
ジョージはジミー・ヤングと戦うも敗北し、控え室で意識を失い倒れてしまう。
直後に目覚めると「イエスがいる。俺の中に神が入った」と繰り返し、冷水を浴びて「ハレルヤ!」と叫んだ。
その後「臨死体験をした」と言うジョージは、敬虔なクリスチャンとなり「生涯を神に捧げたい。牧師になりたい」と宣言。
ドクが「まだアリと戦える」と説得したものの、ジョージはボクシングを捨て牧師となり、ナンシーは大喜びで息子の転向を祝福した。
ジョージは喧嘩をしたアリやポーラに懺悔しに行き、新しい道を歩み始める。
ーー
7年後、ジョージは自ら教会を購入し「主イエス・キリスト教会」の牧師として説教をしていた。
新しい妻・メアリー(ジャスミン・マシューズ)との間に2人の息子をもうけ、新生活を満喫している。
しかしある時、年配女性が少年を連れ「孫にボクシングを教えて欲しい」と頼み、ジョージは「ボクシングは必要ない。聖書を読んで教会に通えば大丈夫」と答えたが、その少年が後日強盗罪で逮捕されたというニュースを発見。
ジョージは「彼に向き合わず理想を押し付けてしまった」と後悔し、かつてのボクシングジムを改装して「青少年センター」を開設した。
施設は自由に出入り可能で、子供達がボクシングやバスケットボールなどで汗を流していたが、1985年にデズモンドが資金を全て溶かしてしまっていたと発覚。
裏切られてショックを受けたジョージだったが、ナンシーに諭され彼を赦した。

だいたいお金を持つとこうなるんですよね、枚挙にいとまがない。
極貧から億万長者になると、自分の心にブレーキがかけられないのかしら…。
実際には、4回もの離婚の慰謝料や、12人の子供の養育費などで困窮したそうです。
復帰
資金がなくなり、青少年センターが差し押さえられてしまったため、ジョージはCMに出たりサイン会を開くなどして金を稼ぐ。
しかし目標額には到底及ばず、ボクシングに復帰する事を決意した。
ドクのもとを訪れて再度トレーナーになってもらい、かなり増えていた体重を落としてトレーニングに臨む。
メアリーはある夜「主が語りかけて来て、ジョージがチャンピオンベルトを巻き、リングで主を讃えているヴィジョンが見えた」と言って激励した。
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1987年3月9日、ジョージは試合に復帰すると勝ち星を付ける。
そのまま連勝街道を驀進し、世間を賑わせた。
さらにテレビ出演をしたりグリルの広告塔になったりして、相当な額の資金が入り、念願だったセンターの再開が決定する。
しかしジョージは、メアリーが見たというヴィジョンを信じ、チャンピオンベルトを巻くため現役生活を続ける事にした。
そして現王者、マイケル・モーラーとの試合が組まれる。
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試合が始まり、マイケルにボコボコにされたジョージは己の人生を振り返る。
「自分は世間から嫌われていると感じ、ただひたすらに戦って来たが、どん底まで打ちのめされたからこそ、探していたものは最初からあったのだと気付いた」
「それがあれば、不可能も可能になるー」
その時、ジョージの右ストレートが至近距離で入り、マイケルがダウン。
そのまま立ち上がる事が出来ず、ジョージは45歳で、世界ヘビー級チャンピオンの称号を取り戻す事に成功した。
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〜エピローグ〜
ジョージはアリと親友になり、毎日電話で話す仲になった。
1988年、ドクがボクシング殿堂入り。
今でも教会と、青少年センターの運営は続けられている。

ジョージの驚くべきトレーニング方法(牛を担ぐ、車を牽引する等)の、実際の映像がエンドクレジットで流れました!
スポーツ大好き人間からすると、こういうリアルな再現は本当に胸が熱くなります。
また、ジョージやご家族本人の写真が多く映し出されており、特にジョージの幼少期の子役が激似でほっこり。
とても夢のある伝記映画でした。
『ジョージ・フォアマン:45歳のヘビー級チャンピオン』が好きな人にオススメの映画
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42 〜世界を変えた男〜
この作品は絶対に観ていただきたい!!
チャドウィック・ボーズマン、ハリソン・フォードが共演した最高のサクセスストーリーです。
「背番号42」の意味を知った時、きっと勇気を持てるはず!