2025年7月18日にNetflixで公開された映画『84㎡』
平凡なサラリーマンが資産をフル投入し、ソウルに84㎡のマンションを購入。
しかし情勢が変わりどん底へ…。
そして、騒音問題に隠された真実を知る。
韓国のサスペンス・スリラームービー。

怖いサスペンスを観ると夢に出て来るbeersyです!
今回は、なんだか気が狂いそうになる予感の韓国映画を視聴。
そして予想通り、ズ〜ンと暗い気持ちになりました;
この記事では、Netflix映画『84㎡』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介いたします!
『84㎡』の評価&感想
- 感動度
- 2
- 脳トレ度
- 4
- 再鑑賞度
- 2
- サプライズ度
- 3
- 話題性
- 4
主演は、『イカゲーム』のデホを演じたカン・ハヌル。
彼のお母さん役には、同作大人気キャラのクムジャ母さんを演じた、カン・エシムがキャスティングされています。
最近観たばかりだったので、クムジャと変わらぬオモニに再会出来て嬉しかった…。
カン・ハヌルは、本作でもデホ同様ヘタレ役を演じていますが、妙にハマっている。(褒めてます)
腑抜けになったり目が血走ったり、まさに体当たりの演技に魅了されました。
また、ソ・ヒョヌ『悪の花』やヨム・ヘラン『椿の花咲く頃』などといった名俳優も出演しています!
ストーリーは、主人公が得体の知れない「騒音」相手に四苦八苦し、どんどん上階へ行き騒音の実態に迫るというスリラー。
緊張感のあるシーンの連続で、今現在を生きる若者が陥りやすい「闇」が描かれていました。
しかし終盤は少々盛り上がりに欠けており、救いようがなくてモヤモヤ〜っとした印象に。
韓国の社会問題に切り込んだ映画といえば、似ているところだと『パラサイト 半地下の家族』『奈落のマイホーム』などがありますが、感動的なところもなく本当にドロドロした気持ちになるので、カタルシスを求める人には不向きです。
暗い映画が観たい!という人には良いかもしれませんが、う〜んそれにしてはパンチが少ない。
中々オススメ出来る人が限られる作品かもしれませんが、キャスト陣の迫真の演技は本当に素晴らしかったです!
以下より重要なネタバレを含みます。
『84㎡』のネタバレ
全財産を注ぎ込んだマンション
ソウルにそびえ立つ高層マンションは、どんどん資産価値が上がっている。
そこで、とある会社で働くノ・ウソンは、退職金を前借りして資産をフル投入し、社員ローンまでもを組んでマンションを購入した。
これで婚約者とも安泰ー。
…そう思っていたが、4年後になると物件価格は急降下。
マンションは次々に売り出され、金利は上昇し、ローンを組んだウソンは返済に苦しんだ。
ーー
結局ウソンは婚約破棄され、数々の催促状に埋まり、節約のために電気さえ付けられない日々。
暑さに耐え、夜は配達員のバイトをしてクタクタだったが、追い打ちをかけるように上階からの騒音にも悩まされていた。
しかしウソンの下の13階の住人は、ウソンが住む14階「1401号室」のドアに執拗に「静かにしろ」という内容の張り紙をする。
ある時、痺れを切らしたウソンは上階に文句を言いに行ったが、そこにはタトゥーの入ったコワモテの男性ヨン・ジノ(ソ・ヒョヌ)が住んでいた。
ビビって及び腰になりながら騒音について話すと「うちじゃない。上階がうるさいんだ」と突っぱねられる。
ーー
ウソンは住民達に言われるがまま、次々と上階の住人に会うが、どこも「上階のせいだ」と言うためついには最上階へ。
そこには、1301号室の大家で住民の代表だと言うウンファ(ヨム・ヘラン)がおり、「建物は壁で繋がっているから、音がどこから来るのかわからないのよ」と同情された。
さらにウンファは「このあときっとマンションの価値が好転するから、それまで騒ぎにしたくない」と言って、ウソンに金を渡す。
金に困っていたウソンはそれを受け取り、ウンファの言いなりになって我慢する事にした。

狭い日本でも、騒音問題が発展し恐ろしい事件になる事がありますよね。
韓国では、マイホームを持つ事がかなりのステータスになる事が多いらしく、無理してでも買う若者が多いそうです。
他人事とは思えないオープニングで、ハラハラしっぱなし!
真犯人
ウソンは同僚から仮想通貨の投資の話を持ちかけられ、マンションを急いで売りに出し頭金を得る。
それからというもの、ウソンはパソコンやスマホから目を離さず、通貨の情報を四六時中見ていた。
8月15日、8時15分に売れば相当な高値で売却出来るー。
しかし騒音は止んでおらず、ウソンは上がって行く仮想通貨の値段に対する高揚感と、繰り返される騒音への対抗心や嫌悪が入り乱れ、徐々におかしくなって行く。
ーー
数日後、マンションの住民達がウソンの家に押しかけ、スピーカーで騒音を流しているのではないかと難癖をつけた。
ウソンはやましい事はないと言ってジノに部屋の中を見せたが、見覚えのない騒音を出す機器が設置されているのを発見。
さらに、言いがかりをつけていた13階の不気味な男が、ウソンに殴られたフリをして倒れ、ウソンは警察署へと連行されてしまった。
ーー
現在、8月15日8時8分。
スマホを没収されてパニックになったウソンは、警官達を撒きパソコンのある部屋に立てこもった。
その後、突入して来た警官にテーザー銃で撃たれながらも、死にものぐるいで仮想通貨を売却しようとする。
しかし欲を出して「あと少し…」と値上がるのを待った結果、警官に気絶させられ、結局多大なる損失を出してしまった。
ーー
誤解が解けて釈放されたウソンは、母親に遺書を残し自殺を図ろうとする。
するとそこへジノが現れ、ウソンの遺書を読んで憐れみ、「騒音のもとを探そう」と手を組む事になった。
しかし実は、そのジノこそが騒音を出し、さらには部屋を盗撮している犯人だった。
それに気付いたウソンがジノの部屋に隠れていると、ジノは協力者である13階の女に詰め寄られていた。
女の夫(ウソンに殴られたフリをした男)が、演技で倒れた際の打ちどころが悪かったため、重体となったらしい。
ジノに突っぱねられた女は、発狂しながらジノの取材データを壊そうとするが、ジノがカッとなって女を撲殺。
ウソンは隙を見て逃げようとしたが、存在に気付いていたジノに殺されそうになる。
ジノは、最上階に住む大家で元検事のウンファが、建設業者と結託し賄賂を受け取り、手抜き工事に関与していた事を明るみにするため、ウソンを利用していたと明かした。

ジノはずっと怪しかったので驚きはしませんでしたが、ソ・ヒョヌのサイコパスな演技が秀逸!
また、ウソンが仮想通貨を売却するシーンもお見事でした。(目がすごい)
何もかもうまく行かなくて、ずっと心がズシンと重い…。
最上階の秘密
殺されると思ったウソンはジノに、「もううんざりだ!俺だって真実を突き止めたい。手伝わせてくれ」と交渉し、ジノの協力者のフリをする事に。
13階の女の死体を最上階へ運び、ウンファに罪を着せようと画策した。
ーー
部屋に忍び込んだジノは、寝ていたウンファの夫を殴り、ウンファを拘束。
そして、自分が命懸けで取材したテレビ番組の放送を、お前が圧力で止めたんだろうと恨みを爆発させる。
さらに、手抜き工事をした建設業者のリストや、受け取った賄賂の詳細が書いてある帳簿を出せと脅した。
それを見ていたウソンはウンファを信じ、協力してジノを制圧しようとするが、ジノはウンファの夫を殺す。
しかし、腹にはナイフが刺さり瀕死の重傷となっていた。
ウンファはウソンを裏切って殴り、倒れている二人を見下しながら、隠していた帳簿を出して高笑い。
すると倒れていたジノが突然立ち上がり、ウンファを抑え込み絞め殺した。
ーー
再び倒れたジノは、ウソンに帳簿を世に出そうと言うが、ウソンは自分の売買契約書を見つけ、帳簿もろともレンジにかけて燃やしてしまう。
そしてガス管からガスを漏らし、その場を後にした。
すると直後、最上階で爆発が起こり、外にいたウソンも気を失った。
ーー
ーー
回復したウソンは取り調べを受けたが、検察側が「証拠は全て燃えてしまった。帳簿は存在していなかった。君は何も見ていない」と揉み消す。
言葉を失ったウソンは、母に連れられ田舎へと戻った。
ソウルとはあまりにも違う、ウソンが生まれ育った風景。
母の手料理がふるまわれ「ここで暮らせばいい」と慰められた。
しかしその夜ウソンは、またしても一人でソウルへ戻る。
ーー
ウソンのマンションは、迅速な工事のおかげですっかり元通りになっていた。
スーツを着たウソンが自分の部屋に入ると、引き出しから登記簿を出す。
すると、下から騒音が聞こえて来た。
ウソンは床や天井を見て、高笑いするのだった。

ジノやウンファにバカにされたウソンは、彼らへの復讐心、「くだらない奴らだ」という気持ちで証拠を燃やしたのでしょうか。
しかしながら登記はしっかりと残っており、また新しい人間が入ったであろう階下からは、相変わらず騒音が聞こえて来る。
何もかもがバカらしくなって笑ったのでしょう。
「マイホーム」という呪縛からは逃れられない、そんな想いもあるのかもしれません。
もうオモニの美味しいご飯食べて暮らせばいいのに…。
検察も真っ黒だし、全くまともな人間がいなくて、本当に救いようのないお話でした;
Netflix『84㎡』が好きな人にオススメの映画
映画『84㎡』が好きな人にオススメの映画をピックアップ!
奈落のマイホーム
主人公が手にした念願のマイホームは、なんと事故物件だった!!
笑って泣ける、韓国が誇るパニックムービー。ぜひ観ていただきたい作品です!!