2025年7月10日にNetflixで公開された映画『ブリック』
ドイツのパニックムービー。
ある朝目覚めると、夫婦の家のドアには強固なレンガが積まれていた。
外界からとり残されたマンションの住人達は、脱出する事が出来るのかー?

パニック系映画は苦手なbeersyです!
なぜなら夢に出て来るから…でも気になって観るのをやめられない。
本作は、突然現れた得体の知れない「ブリック(レンガ)」に翻弄される物語です!
この記事では、Netflix映画『ブリック』を鑑賞した筆者の感想やあらすじ、ネタバレ解説をご紹介いたします!
『ブリック』の評価&感想
- 感動度
- 3
- 脳トレ度
- 5
- 再鑑賞度
- 4
- サプライズ度
- 4
- 話題性
- 3
謎の無機質な物体との格闘といえば、1997年のカナダ映画『キューブ』が有名ですが、本作の謎解きはもう少し簡単。
頭は使いますが、キューブほど複雑でないので物足りない人が多いかも…。
「ブリック」にはレンガの他に「頼りになる人」「固い絆」などという意味があるそうで、見終えたあとにこの事を知りましたが、確かに本作は謎解きよりも「ヒューマンドラマ」に焦点をあてているように感じました!
どちらかというと、人間模様が深く描かれる2021年の韓国映画『奈落のマイホーム』に似ているかなと。
そこまでのめり込めなかったのが残念なポイントではありますが…。
主人公夫婦だけではなく、他のキャスト達についてももう少し掘り下げてくれたら感動的になったかもしれません。
設定は本当に面白くて緊張感のあるストーリー運びでしたが、もったいないなという印象でした。
主演のマティアス・シュヴァイクホファー(『オッペンハイマー』『ハート・オブ・ストーン』などに出演)をはじめ、キャスト陣の演技力は素晴らしかったです。
本編約90分と短い作品なので、サクっと観たい人にオススメ!
以下より重要なネタバレを含みます。
『ブリック』のネタバレ
謎の壁
ゲームクリエイターのティム(マティアス・シュヴァイクホファー)は、建築家である妻・リヴ(ルビー・O・フィー)との間に子どもをもうけたが、出産直前に流産してしまった。
ティムは子どもの事をずっと引きずっている一方、リヴはなんとか前を向こうとしており、自分達のキャンピングカーで旅行に行こうと提案する。
しかしティムは気が乗らず「仕事があるから」と断り、2人の仲は冷え切っていた。
ーー
翌朝、リヴは「1人で行く。もう戻らない」と別れを告げ、慌てて引き止めるティムを置いてドアを開けた。
すると目の前に、黒いレンガ・ブロックのようなもので出来た壁が現れる。
リヴはティムの嫌がらせだと思ったが、1人で、そして一晩でここまで作り上げるのは不可能だ。
他の窓も見てみたが、全てレンガで塞がれている。
建築家のリヴは工具で穴を開けようとしたが、全く歯が立たず呆然とした。
とりえず周りがどうなっているか調べるため、隣室に接している壁に穴を開けて話しかける。
そこには、「民泊で利用しただけなのに」と戸惑っているアナ(サルバー・リー・ウィリアムス)、マーヴィン(フレデリック・ラウ)というカップルがいた。
2人はドラッグを所持しており、パニックになって使用し始める。
ーー
ティムは、レンガの一部に強力な磁力がある事に気付く。
家中のフォークなどの金属を貼り付けて確信したが、突然金属が弾け飛び、リヴを守ったティムが怪我を負ってしまった。
リヴが「ありがとう。壁は明日には無くなってるよね?」と言って手当をしたが、ティムは何も言えなかった。
ーー
突然隣室から悲鳴が聞こえて来たため、ティムとリヴは大穴を開け、アナ&マーヴィンの部屋に行く。
しかし2人はドラッグでハイになっていただけだった。
ティムはそれを鎮め、2人の部屋を物色して斧を見つける。レンガ壁に振り下ろしてみたが、やはりビクともしない。
するとリヴが「階下に穴を開けて地下へ行けば、脱出出来るかも」と思いついた。
この建物は1897年に建てられていて、第二次世界大戦の際地下に防空壕を増設したため、一部が地下鉄に通じているらしい。
そして、ティムが斧で階下への穴を開け始めた。

一晩でマンション全体を覆った謎のブロック。
並び方は均一でなく不規則で、さらに無機質であるため不気味な雰囲気をまとっています。
しかし、主人公はゲームクリエイターと建築家というつよつよ夫婦なので、解読は簡単に出来そうですね!
今は不仲のようですが、こんな状況になればまた心が通いそう。(吊り橋効果?)
仲間
4人は、大穴から階下に降りる事に成功。
するとオズワルド(アレックス・ワーナー)という酸素ボンベを付けた老人が現れ、「物資は渡さん」と言って銃を向けた。
ティム達に緊張が走ったが、孫のリア(シラ=アナ・ファール)が「彼らは敵じゃない」と落ち着かせる。
リヴが上から「トンネルがありますよね?」と話しかけると、オズワルドも防空壕の存在を知っていたらしく頷き、協力し合う事になった。
ーー
マーヴィンが穴を開ける作業をしていると、ティムが火災報知器に隠しカメラが付いているのを発見する。
オズワルドは火災報知器は大家が付けたと明かしたため、これは大家が仕掛けた事だと考えた。
そして隣室に住む大家の元へ行くため、また大穴を開ける。
しかし部屋に入ると、大家が腕を失い大量の血を流し、絶命している姿を発見。
彼の近くにはスマホが落ちており、カメラロールにはレンガ壁の写真が何枚もおさめられていた。
また、別の部屋に「ハーフェインシティで大規模火災」と書かれた新聞が置かれていたため、リヴは「関係があるかも」とティムに話すが、場所が遠過ぎるため確信は持てなかった。
ーー
さらにマーヴィンが床に斧をおろすと、底が大きく抜けてしまい、ティム、マーヴィン、アナが落ち、ティムは足に怪我をしてしまう。
そしてリヴ、オズワルド、リアも階下へ進んだ。
すると、そこにはユーリ(ムラタン・ラスム)という男と、彼の親友であるアントン(ヨゼフ・ベローセク)という住人がいたが、アントンはベッドに横たわり死亡していた。
ユーリは、「この壁は最先端のもので、核やあらゆる細菌などを防ぐ事が出来る。外は戦時中であり、壁を開ければ放射能を浴びて死ぬだろう」と、陰謀めいた事を語る。
また、「アントンは壁の磁気のせいで、ペースメーカーが不具合を起こして亡くなった」と明かした。
ーー
6人はさらに地下へと進む。
そしてやっと防空壕に辿り着いたが、なんとその脱出口もレンガ壁で覆われていた。
絶望したマーヴィンは壁に向かって銃を撃つ。
すると壁は銃弾を跳ね返し、オズワルドに命中。彼は死亡してしまった。
ーー
ショックを受けた面々は、自分達は選ばれた人間なのではないかと考える。
皆んなが生死を彷徨う事故に遭ったり、リヴとティムは子どもを亡くすという経験もしたからだ。
しかしそこでも2人は言い合いをして、大喧嘩になってしまった。
ーー
ティム達は、アントンが壁について調べていた事が分かり、手がかりを見つけるため部屋中を探し回る。
そして大家の隠し部屋を発見したが、そこは住人達を盗撮しているモニターが並べられていた。
一方リアは、アントンの部屋でレンガ壁のコードを解読したメモを発見。
さらに、アントンの首筋に跡があるのを見てしまい、背筋が凍った。
その時、ティム達は監視カメラの映像から、ユーリがアントンを殺害した事を知り、急いでリアの元へ行く。
しかしすでにリアはユーリに殺されており、また解読メモも燃やされていた。

まさか、ここで殺し合いが始まるとは!リアちゃん可哀想過ぎる。
ユーリは解読方法を知っていながら、変な陰謀論に取り憑かれている様子です。
こういうキャラが1番危ない!!
多くの犠牲、脱出
ティム達は「俺が壁を守らなければならないんだ」と陰謀論を続けるユーリを拘束。
そして部屋から、アントンの名刺を発見した。
アントンは、大規模火災が起こったハーフェインシティの「ナノディフェンス・イプシロン」という会社に勤めており、火災で不具合が起こったため、壁を開けるためのアプリを制作していたらしい。
ユーリはアントンのスマホも破壊していたが、ティムがそれを復元する。
壁のレンガはQRコードのような働きをしており、スマホのカメラを向け正方形のブロックの場所を押す事で、解除される仕組みだった。
そして試行錯誤の上解除してみると、レンガが細かい粒子に変化。
アナが指を入れてみると「外の空気を感じる」と言って感動した。
しかしその直後、彼女の身体は粒子に引き摺り込まれ、徐々に周りのレンガが再建されて行く。
ティム達が必死で引き抜こうとしたが、アナの下半身は切断され即死してしまった。
パニックを起こしたマーヴィンは、椅子に拘束していたユーリに発砲して殺害。
絶望した表情で自らの頭にも銃弾を放ち、絶命した。
ーー
2人きりとなってしまったティムとリヴは、これまでの想いを語り合い和解する。
そして脱出に向けてまた調べると、4つの正方形を押す際に、それぞれ違う回数の光が発生する事に気付いた。
監視カメラの映像を観て、アントンが壁を開いた際に光った回数を調べ、見事解除に成功する。
しかし突然、息を吹き返したユーリが現れティムが殺されそうに。
ティムはリヴに逃げろと叫び死を覚悟したが、リヴが後ろから斧を振りかざしユーリを殺した。
ーー
ティムとリヴは手を取り合い、やっとドアの外に出る。
しかし目の前にある建物は、全て同じようにブロック壁で覆われていた。
2人は異様な光景に言葉を失っていたが、自分達のキャンピングカーを見つけて乗り込む。
一息ついてラジオをつけると、「イプシロン社の大規模火災により、極秘の防御システムが作動してしまった模様。火災が故意によるものなのかは、現在も調査中」というニュースが流れていた。
上空にはヘリコプターやジェット機が飛び交い、街はブロックで真っ黒に染まっていた。

1番やらかしていたマーヴィンの最期の表情が、とても印象的でした。悲しい。
ユーリがなぜ生き返ったのかはよく分かりませんが、急所が外れていたにしろ尋常じゃない生命力の持ち主ですね。
そして、イプシロン社がなぜこのような事をしていたのか、などもっと掘り下げたら面白かっただろうなと。
大家も買収されていたようですが、街全体となるともっと大きい黒幕が潜んでいそうです。(バイオハザードみたいな)
ただそこまで行くとものすごく長くなりそうなので、謎は謎のままで…という事なのでしょうね。
途中の「私達は選ばれたのでは」という話は全く関係なくて、伏線回収もなく驚きました。笑
ティムとリヴは悲しみを乗り越えて、新たな人生を歩んで行って欲しいです!
『ブリック』が好きな人にオススメの映画
Netflix映画『ブリック』が好きな人にオススメの映画をピックアップ!
奈落のマイホーム
ギャグ映画なのか、パニック映画なのか、はたまたヒューマンドラマ映画なのか。
様々な感情を揺さぶられる名作!主人公のドンウォンが妙にクセになりますよ。