2024年3月21日にNetflixで公開された、Netflixドラマ『三体』
原作は、2006年に発表された、SF作家・劉慈欣(りゅう じきん)による、大ヒットSF長編小説。
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宇宙の彼方にいる「何か」が、人類に最大の危機をもたらす。
有能な科学者達が、恐ろしい侵略者に立ち向かう。
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Netflixドラマ『三体』は、ファンタジードラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』シリーズのクリエイターチームが手がけました。
- イエ・ウェンジエ役(過去):ジーン・ツェン(『三体』)
- イエ・ウェンジエ役(現在):ロザリンド・チャオ(『ムーラン』)
- ダーシー刑事役:ベネディクト・ウォン(『ドクターストレンジ』『アベンジャーズ』シリーズ)
- ソール・デュランド役:ジョヴァン・アデポ(『バビロン』)
- 監督:デレク・ツァン、アンドリュー・スタントン、ミンキー・スパイロ、ジェレミー・ポデスワ
- 脚本、製作総指揮:デヴィッド・ベニオフ & D・B・ワイス(『ゲーム・オブ・スローンズ』)、アレクサンダー・ウー
前評判の高いこちら、かなり前からチェックしておりました。
ただの「エイリアンもの」ではないと言われている『三体』
どんなお話なのか、まるっとあらすじを書いて行きますよ!
この記事では、Netflixドラマ『三体』を鑑賞した筆者が、1話ごとに感想とネタバレ解説をご紹介します。(途中まではネタバレ無しなのでご安心を♪)
『三体』の評価&感想
- 感動度
- 4
- 脳トレ度
- 5
- 再鑑賞度
- 4
- サプライズ度
- 3
- 話題性
- 5
中国で一世を風靡した、大ヒット小説がネトフリドラマに登場!
注目度の高いこちらの作品ですが、原作は3部作あり、かなり長くて難しいストーリーだそう。(筆者は未読です;)
簡単に言うと「エイリアンもの」のSFですが、彼らが地球を侵略して来るまでのなが〜い駆け引きなどが、丁寧にたっぷりと描かれています。
というか、たっぷりと描かれ過ぎていて、難しい言葉のオンパレード!!観ているうちに疲れました。笑
でも観て行くごとに、ストーリーにのめり込んでしまいます。
特に、メインキャラ達(オックスフォード大のみんな)のアツい友情は心にグっと来る!!
SFなのに感動的なシーンがたくさんあって、飽きる事なく進んで行きました。
考察も捗る内容で、観た人達で話し合うと盛り上がりますよ♪
筆者のように、原作を未読の人でも楽しめます。SF好きな人はぜひ試してみてください!
以下より重要なネタバレを含みます。
『三体』のネタバレ解説
エピソード1/カウントダウン
1966年。
北京・清華大学では、反革命家と言われる人物達が、紅衛兵達に捕えられていた。
(紅衛兵・こうえいへい=毛沢東を崇拝し、その教えに反する者を虐殺・弾圧した組織)
物理学の教授であるイエ・ジョータイも、その中の1人だ。
彼は、「反革命的な〝ビッグバン理論〟を唱えた」という事で捕まり、群衆と娘がいる前で殺されてしまう。
娘のウェンジエは、父の亡骸を抱きしめながら、とどめを刺した紅衛兵達を睨みつけた。
その後彼女は、中国の内モンゴルにある木材伐採場で、強制労働をさせられる。
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2024年、ロンドン。
マサチューセッツ工科大学で、宇宙論・理論物理学を学んだ博士が自殺した。
自らの血で、壁に「何かのカウントダウン」のような数字と「まだ見える」と書き残し、目を刺して死んでいる。
ここ最近、同様の事件(自殺)が多く発生していた。
シー・チアン(通称・ダーシー)刑事は、その凄惨な遺体を見て「またか…」と呟く。
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オックスフォード大学。
32歳の科学者ソール・デュランドは、女性科学者のヴェラ・葉(イエ)と共に「粒子加速器」を研究していた。
60年もの間研究されていた理論だったが、実験すると全てが誤っており、プロジェクトは中止に。
失意の中ソールは「神は信じない」と言い、イエは、実験施設内の冷却水に投身自殺してしまった。
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自己組織化ナノファイバーを扱う会社の経営者・科学者のオギー・サラザールと、物理学者で粒子加速器の実験結果を分析しているジン・チェンは、ソールから送られて来た「素粒子物理」がおかしい動きをしている事について話し合っていた。
彼らは同じ科学者仲間で、オックスフォード大学の同級生だ。
すると突然、オギーは何かのカウントダウンの数字が見えるようになり、動揺する。
それを伝えたジンに勧められ神経科へ行くも、原因は分からなかった。
イエの葬儀には、同級生のウィル・ダウニング、ジャック・ルーニーも駆け付ける。
大学時代に仲の良かった5人が集まり、悲しみに暮れつつも、思い出話に花を咲かせた。
そんな中、カウントダウンが止まらないオギーは、1人皆んなから離れタバコを吸いに行くと、見知らぬ女性に「カウントダウンは残りいくつ?」と聞かれる。
驚いて顔を見ると、彼女は「止める方法は、今の会社を畳みラボを閉じる事。宇宙にウィンクされた事はある?真夜中ぴったりに、夜空を見上げて。カウントダウンがゼロになれば、良くない事が起きる」と伝え、去って行った。
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ロンドンの諜報機関本部「黒い宮殿」に所属しているダーシーは、オックスフォード大のソール達5人と、マイク・エヴァンズという富豪を追っていた。
また、自殺した科学者・テヘランが付けていた、妙な形のヘルメットを探している。
一方、ジンはイエの家を尋ね、弔った後に「遺書などはありませんでしたか?」と聞く。
何もなかったと言う母だが、最近はヘルメットを被って何かをするゲームに夢中だったと明かす。ジンはそのヘルメットを譲り受けた。
実は、自殺したヴェラ・イエの母はイエ・ウェンジエだった。
彼女は、強制労働をさせられていた頃、ジョータイゆずりの優秀な能力が認められ、謎の衛星アンテナが立っている場所に移動し働いていた。
そして、彼らが行っている「紅岸計画」について教えられる。
それは人類が、はるか彼方に存在する「宇宙の誰か」との接触を試みている、という話であった。
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ジンは早速、ヴェラが使っていたヘルメットを被ってみる。
すると「レベル1」という文字と、砂漠と不思議な建物が現れた。
このヘルメットは、どうやら高価なVRゴーグルらしい。
直後、突然陽が昇り風が吹き荒れ、下を見ると横たわっているミイラが目を開けた。
驚いたジンはヘルメットをすぐに脱いでしまった。
一方、オギーはソールと共に、謎の女性が言っていた事を実行するため、外で空を眺めていた。
するとたくさんの星が点滅を始める。
これこそが、これから人類が対峙せねばならない「宇宙の敵」だったのだ。
1話からたっぷりの情報量で、物語にグっと引き込まれました!
難しい言葉が多く出て来ましたが、宇宙からの信号は危険なものなのでしょうね。
ウェンジエが何かを知っている様子です。昔、何が行われたのか…?
エピソード2/紅岸
宇宙のウィンクを見た後も、謎のカウントダウンが止まらないオギー。
次の朝、研究している「ナノ繊維で合成ダイヤを切断する実験」を成功させたが、泣きながら「CSOとして命ずる。開発は中止よ」と言って会社を後にした。
少し歩くと、ようやくカウントダウンの文字が消える。
すると突然ダーシーがやって来て、オギーを捜査室に連れて行き、捜査している内容を打ち明けた。
- ヴェラの葬儀にマイク・エヴァンズという富豪が来ていた事
- 防犯カメラを調べると、オギーに話しかけた女性の姿が何者かに消されており、その痕跡が無い事
- カウントダウンが見えた他の物理学者や科学者たちも、オギーかヴェラと同じ道を辿っている事
オギーは驚愕し、その後会ったソールに「研究を止める事、それがカウントダウンを止める事への代償だった」と話した。
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ダーシーは、乳がんで亡くなった妻の墓参りに来た。
すると、オギーと話した謎の女性が現れ、たわいもない話をする。
その女性の近くには「エディス・マーシュ」と書かれたお墓があった。
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ジンは、ヴェラのヘルメットのVRゲーム「文明137」を進めようとしていた。
開始すると、周の文王が現れ「太陽の動きで、今が乱紀か恒紀かを見極めろ。殷の紂王に会ってそれを伝える」と言う。
乱紀では、人体が太陽の熱で干からびてしまうが、恒紀になると水で再生させる事(再水化)が出来るので、恒紀のうちに人々を水で戻し、文明を繁栄させる…という、不思議なゲームだった。
ゲームを進めて行くと、文王が紂王に向かって、占いの一種で恒紀を当てようとしたので、ジンは「これは物理的じゃない」と止める。
しかし、紂王はジンの言っている事を理解出来ず、文王の占いを信じて人々を再水化させた。
成功したかに思えた文明137は、その後すぐに訪れた氷河紀によって滅亡してしまう。
すると、突然刀を持った女性が現れ、ジンに「ステージ2では、科学を使って文明を救って」と言った。
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ジンがジャックにVRを貸すと、彼はどんどんゲームにのめり込んで行った。
そのゲームの事をウィルに話すと、ウィルは浮かない顔をして「末期の膵臓がんと言われた。余命はあと数ヶ月」と打ち明ける。
絶句したジャックだったが、ウィルが片思い中のジンを諦めた時の事などを思い出し「今まで色々な事を諦めて来たんだから、病気に挑め!」と激励した。
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1968年、中国の内モンゴル。
アメリカ、ロシアに続き、中国でも「宇宙の誰か」へ向けて信号を送る実験が行われていた。
しかし何年続けても成功はせず、研究員として働き始めたイエ・ウェンジエは「信号が弱すぎる」と指摘する。
そして、太陽の電磁波をアンテナ代わりにし、信号を増長させるという案を閃いた。
しかしそれを上官のレイ委員に報告すると、「それをして何の意味がある?」と怒られ、処刑されるぞ!と脅されてしまった。
ウェンジエは納得が行かず、秘密裏に機械を操作し、太陽を使って信号を送る。
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1977年。
ウェンジエは、レイ委員の指示のもとマイク・エヴァンズの元へ行き、彼の住んでいる周辺に電波基地を作ると伝えた。
彼は討伐で追いやられた鳥達を救うため、木を植えていたらしい。人類の自然破壊について懸念している。
それを聞いたウェンジエは彼の思想に共感し、こっそりと「私が止めてみせる」と伝えた。
木材伐採場に戻ると、父親を殺した紅衛兵、タン・ホンジンを見付ける。彼女は腕を失っていた。
それでもウェンジエが懺悔をしろと言うと、ホンジンは「誰も懺悔なんかしない」と嘯いた。
腹の虫がおさまらないウェンジエだったが、その夜宇宙からの信号をキャッチする。
そこには「応答するな。私はこちらの世界の平和主義者だ。もしこれ以上信号を送れば、そちらは我々の世界に征服される」とあった。
ウェンジエは周りの目を盗み「私達は自分の問題すら解決出来ない。征服するのを手助けする」と送った。
思わずウワァー!!!と声を出してしまいました。
ウェンジエはこの世に絶望し、こんな事を送ってしまったのですね。
そして現代でも返信を待っているのでしょう…。でも、後悔はしていないのかしら。
地球どうなっちゃうの!
エピソード3/世界の破壊者
スイスで、32人目の科学者が自殺。
ダーシーは捜査をした際、ついに謎のヘルメットを手に入れた。
そして引き続き、オックスフォード大の5人仲間を尾行する。
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ジャックの家に集まったオギー達は、ヴェラのVRヘルメットを見つける。
オギーも被ってみたが、あまりのリアルさに不安を感じ、ゲームを続けているジンとジャックに「やめた方が良い」と警告した。
しかし2人は、今度は同時にヘルメットを被り、ゲームの中へ行く。
レベル2の「文明152」で、ジンとジャックは教皇グレゴリウス1世に接見した。
ジンが「観測をした結果、この惑星は3連星系の一部だった。1つの太陽の周りを回れば恒紀。しかし他の太陽に吸い寄せられて、3つの太陽の間を彷徨えば乱紀となり、予測する事は不可能。これはいわゆる三体問題なのです」と指摘した。
すると突然、太陽が3つ出て世界が燃えてしまう。
正解を唱えたため生き残ったジンとジャックの元に、謎の女性剣士が現れ「文明152は、三太陽の日によって滅亡した。次はレベル3よ」と言った。
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レベル3。
次に接見したのは、カン王。
ジンは「3体問題」について話し、予測は不可能と伝えるが、先にいたニュートン、チューリング教授が「3000万人の兵士を用いた人間そろばんで、次の乱紀と恒紀を計算します」と言った。
しかしやはり計算は間違っており、今度は太陽が3つ並び発生した重力によって、世界が滅亡してしまう。
またしても生きながらえたジンとジャック。滅びゆく人々を見て同情したジンは、このゲームで大切なのは、「三体問題を解く事」ではなく、「人を助ける事」であると気付く。
そして、また女性剣士が現れ「文明184は、3恒星直列がもたらした引力によって、瓦解した。次はレベル4よ」と言った。
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ゲームの中のジンとジャックの様子を、ある男性がモニターで監視・調査していた。
その男性は、調査結果を年老いたマーク・エヴァンズの元に持って行く。
エヴァンズは、「この優秀な2人を、ロンドンサミットへ招待しよう」と言った。
実はこのVRゲームは、マーク・エヴァンズの監視下にあったのだ。
そのエヴァンズは、何やら「主」と呼ぶ人物とスピーカー越しに話している。
「主」は、「人類は恐怖を学ばねば、滅亡する」と話すのだった。
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ジンとジャックの元に、「レベル4」の招待状が届く。
指定された場所へ行くと、オギーとダーシーが会った謎の女性・タチアナがいて「ここまで来たのは、この国ではあなたたちが初めてよ」と労った。
そしてゲームの中に入ると、女性剣士と少女に「三体問題の本当の目的」を話される。
それは、不安定な3連星系に住み、滅亡の危機にいる「文明9478」の「三体人」が、ある中国人からの誘いを受け、1000隻の星間艦隊に乗って、4光年先から地球へ向かっている…という、恐ろしいものだった。
ヘルメットを外した2人は、タチアナに「本当なの?」と聞くと、彼女は「このゲームは、情報共有のために作られたのよ」と話した。
しかしジャックは「金持ちを相手にした、宇宙人の詐欺行為だ」と言ってその部屋を出て行く。
タチアナは、残ったジンにサミットの招待状を渡し「三体の気持ちをわかってね。あなたが生き残れば皆生る。我々は同志だ」と言った。
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ジャックが自宅に戻ると、突然タチアナが現れる。
セキュリティーを突破した彼女に怯えたジャックは、「帰っていいと言ったのに」と震えた。
しかしタチアナは「続ければ良かったのに…」と言いながら、彼を殺害した。
ジャックの家のそばにはダーシーがいて、部屋の中が丸見えの窓を見張っていたが、彼の目には何も見えない。
タチアナが部屋の監視カメラを見上げると、映像からタチアナの姿が消えた。
ジャックが犠牲者に!!これも自殺として処理されてしまうのでしょうか?
もしかして、今までの科学者の中にも殺された人がいたのか…!?
謎が謎を呼びますが、「三体」の意味がわかりました。これはハマりますわ…。
エピソード4/我が主よ
ソール達は、ジャックの死を知って泣いていた。
監視カメラの映像は、オギーの時同様操作され、殺した相手を見る事が出来ない。
ダーシーと上司のウェイドは、「レベル4」の招待状を持っているジンに、捜査に協力するよう要請した。
ジンは「スパイは無理」と不安を口にしたが、オギーと話し、死んだジャックのために奮励する事を決意する。
また、ウェイドは「三体は、なぜオギーのように〝研究をやめさせる者〟と、ジンのように〝招待する者〟を分けているのだろう…」と呟いた。
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ダーシー達は、エヴァンズが活動している場所を特定していた。
彼は、地中海・アレキサンドリア近くにある、使われていない石油タンカーを拠点としているらしい。
その「審判の日(ジャッジメント・デイ)」と書かれたタンカーの中には、1000人ほどの人々がいて「主」に会うのを楽しみにしていた。
しかし、主はエヴァンズに「この場所が知られているようだ」と明かす。
また、人間は嘘をつく生物だと知った主は、「人間は恐ろしい。共存は出来ない」と言って、スピーカーから応答しなくなった。
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ジンは盗聴器を付けながら、招待状に書かれた「歓迎会」に潜入した。そこにはタチアナもいて、ジンの訪問を喜ぶ。
そして拍手の中、創始者が現れた。
「三体」を崇めるこの団体の創始者は、ヴェラの母・ウェンジエだった。
彼女は群衆に向かって「私は人々がむやみに傷つけ合うのを見て来た。しかし4光年先で、三体は驚く進化を遂げ、400年後我々に知識を与えにやって来る。我々は、この事を子孫に継いで行き、人類に彼らを歓迎させるのが使命だ」と話した。
再び拍手が巻き起こった時、ダーシーと警察部隊が突入し、ウェンジエを含む、その場にいた者達を捕まえた。
しかし、タチアナだけは外に逃げ出す。
ジンは警察に保護され、たまたま電話をして来たウィルに、今回のいきさつを説明する。
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1984年。
北大西洋に浮かぶ「審判の日」と書かれたタンカーに、エヴァンズとウェンジエが降り立った。
そこには通信室があり、基地を離れたウェンジエに代わって、エヴァンズが三体と交信していたらしい。
ウェンジエが感動して涙を流すと、エヴァンズは「彼らは来る。希望をくれたね」と労って、ウェンジエにキスをした。
随分簡単にウェンジエ達が捕まりましたが、これもワナのような気がしてなりません…。
タチアナ逃げちゃったし!!
400年先の話なら、まぁほっといても…なんて思ってしまう筆者は、薄情者ですよね。笑
エピソード5/審判の日
ジンとオギーは、覆面警察官達が周りを取り囲む家に保護されている。
「歓迎会」に警察を招き入れたジンは、宇宙人に狙われていると思い、精神的に不安定になっていた。
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ダーシーは、捕えたウェンジエを尋問する。
彼女は昔、「三体の担当者」からの警告を無視してメッセージを送った事や、ヴェラの父親はエヴァンズだが、彼は葬式で初めて自分の子の顔を見た事などを話した。
あくまで、今起きている事の全ては「彼ら」の意図であると信じて疑わない。
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ダーシーとウェイドは、エヴァンズが、三体とはるかに早い速度で交信しており、その記録がタンカー船内にあると睨む。
2人は、パナマ運河を通る船を攻撃し、中の人々を殲滅させ、三体の交信記録を得ようと計画。
ウェイドは、ジンの恋人で優秀な海軍の将校であるラジを勧誘し、「国を守る事よりも重要な事がある」と明かした。
ダーシーはオギーの元に行き、詳しい事は伏せつつ「人類のために、ナノ繊維の開発を再開してくれ」と依頼。
オギーはカウントダウンに怯えながらコンピューターを起動したが、目の前には何も現れなかった。
喜んだのも束の間、ダーシーは「三体が人類を守る事をやめたんだ…」と気付く。
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ウェイドは、ラジ率いる海軍部隊に、ナノ繊維の装置を急ピッチで開発させる。
オギーは、船にいる人々を殺す事になると気付き、難色を示す。
ラジと話すが、彼は任務を果たすと言っており、オギーは悩みつつも装置を完成させた。
そして「審判の日」が装置を通ると、たちまち船は分解され、子どもを含む多くの人々が切り刻まれ死んで行く。
ウェイドは、死んだエヴァンズからデータが入っているハードを持ち出し、解析を始めた。
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依然として「これは全て、彼らが人類を守るためにしている事」と言っているウェンジエに、ウェイドは、エヴァンズと三体のやり取りが記録された音声データを聞かせる。
そして「人間は恐ろしい。共存は出来ない」という言葉を聞いたウェンジエは、絶句した。
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データの中にあった、三体が見せたがっているであろう「ソフォン」という1億GBファイルの情報を得るため、ウェイドはジンを施設に誘致し、ヘルメットを被ってゲームの中へ行く。
すると女性剣士が現れ「400年後の進化した人類は、きっと三体にとって脅威となる。そこで〝ソフォン〟という陽子コンピューターを作り出し、三体と地球に2つずつ展開した。そしてソフォンが持つ高次元の技術を使って、地球の科学を根底から潰す事にした」と明かした。
そのため、ソール達の量子加速器が破壊され、オギー達のカウントダウンなどが現れたのだ。
彼らは地球上の全てを監視し、見せたいものを見せ、ありとあらゆるものを操作する事が可能となった。
驚いたジンとウェイドはヘルメットを脱ぐ。
外を見ると、ソフォンを使った侵略はすでに始まっており、信号は止まり全てのコンピューターは制御不能に。
スマホ、街中の電光掲示板、テレビなどに「お前らは虫ケラだ」と書かれていた。
そして、上空を異様な影が多い、目のようなものが現れ人類を見下ろす。
警察の手から逃れていたタチアナは、それを恍惚とした表情で見上げていた。
船の破壊シーンは、子を持つ親としては胸がえぐられる思いでした…。(薄目で観てた)
ほとんどの人が丸腰なのに、そこまでする必要があったのかな?と思います。
そして、人類を見放した三体の目的が明らかに。もう相手がつよつよ過ぎて、為す術もないと思いますが…どうなるのか!!
終始ドキドキしっぱなしのエピソードでした;
エピソード6/星群計画
上空に「天の巨眼」が出現した事で、人類は「三体」の存在を知った。
各地で暴動が起き、三体を崇める団体や、自殺する人が続出する。
また、地球防衛の資金調達のため、「星群計画」も開始された。8〜9桁の寄付をする事で、銀河の星々を所有出来るらしい。
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ジンはウェンジエの元に行き、三体を招いた過去について正当化する彼女に「なぜあんたが人類の未来を決めるの!?」と糾弾した。
ウェンジエは、「三体には理解できない、人類の闇(嘘)のせいよ」と言う。
ジンは「あんたに残るのは汚名だけ。私は反撃した者となる」と言い残して、その場をあとにした。
また、ウェンジエはダーシーに「なぜ娘は自殺した?」と聞かれると、ヴェラはエヴァンズとウェンジエのやり取りを聞いて知ってしまったようだが、何も遺さず自殺してしまったのだと告白した。
その後一旦保釈されたウェンジエは、自宅に戻ると、応答しなくなった主に向かって話をし始めた。
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ウェイドは、ウィッチウッド・マナー邸に専門家を集め、「三体が来るのは400年後だが、探査機を敵の艦隊に送り、今のうちに情報を得てみせる」と豪語。
しかし、専門家の1人に「彼らのところに到達するのは398年後になる」と言われ、ジンに「光速1%」を実現させて欲しいと依頼した。
ジンとウェイドは、2つのソフォンを忙しくさせて隙を作るため、月に加速器を送る事を思い付く。
そして、ジンが専門家に向けて、1000個の核兵器を使用し加速させる「核パルス推進」を提言。
- 帆を付け、軽くした探査機を用意する
- 核爆弾を既存の宇宙船に積み、等間隔に並べる
- 爆弾を順番に爆発させる
- 帆でその放射圧を受け、探査機を進ませて行く
ジンの計算によると、爆発を1000回起こせば、光速1.12%のパワーを引き出せると言う。
専門家達は「無理だ」と言うが、ウェイドは強引に計画を立て始めた。
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オギーは、自分が作り上げた装置で、幼い子どもを含む多くの人が死んで行くのをパナマで目の当たりにし、戻った後から酒に溺れていた。
そんなオギーにジンは、探査機に積むナノセイル(帆)の開発を依頼したが、オギーはウェイドへの猜疑心が募り、「私の技術が、今後兵器に使われるかもしれない。その結果、広島が起きる」と言って拒否する。そして「ラジにパナマの事を聞いて」と言った。
一方ラジは、ウェイドの計画(宇宙艦隊)の一員となる事を志願する。
そして、ジンに聞かれパナマでの事を告白すると、ジンはかなりのショックを受けた。
一方、ジャックからの遺産を手に入れたウィルは、オギーとソールの後押しもあり、死ぬ前にジンに告白しようとする。
しかし、ジンがラジと抱き合っているのを見て断念し、オギーに「ジンに必要なのは君だ」と伝えた。
オギーはその言葉を受け、ウィッチウッド・マナー邸に行く。
そしてウィルは、多額のお金で星群計画に乗り、星を購入した。
ウィルの想いが切なくて切なくて…。
SF作品ですが、こういったラブストーリー的な部分もしっかりと描かれていますね。
キャラ達に感情移入しやすいので、こちらも苦しくなったり、嬉しかったり、様々な感情が湧き上がります!
エピソード7/前進あるのみ
ジンに「星の所有権」の盾が届いた。誰かからの、高額過ぎるプレゼントだ。
実はそれはウィルが購入した「DX3906」という星なのだが、彼は送り主が自分である事をジンに伝えずにいた。
ウィルはその後、容体が悪くなり倒れて入院してしまう。すると、疎遠になっていた妹が現れる。
妹は、母から継いだ遺産を譲って欲しいと頼み、ウィルはそれを承諾した。
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ジンの打ち立てた計画は進められたが、核爆弾は300個しか準備出来ず、三体へは200年後に到着する見込みとなった。
そうなると、探査機の搭乗員は生きる事が出来ない。
そこでウェイドは、ジンや専門家達に、生物学に精通している「デミコフ博士」を紹介する。
博士は、生物を一時的に凍らせ、のちに蘇らせる「コールドスリープ実験」を見せ始めた。
すると、マシーンの中で凍っていたチンパンジーが、見事に蘇生。
ウェイドはジンに「私はこれから400年間、1年に1週間だけ蘇生し、また冬眠する事を繰り返し、対三体人の指揮を執り続ける。私にしか出来ない計略があるのだ」と豪語した。
ジンは「傲慢だわ。あなたにしか出来ない計略って何?」と聞くと、ウェイドは「前進あるのみ」とだけ答えた。
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コールドスリープは非常に重く、探査機に乗せられる重さは、残り2キロ以下。人間は乗せられないという問題が発生した。
ウェイドは「三体人は、理解不能な人間の脳を欲しがるはずで、また、彼らの技術なら人体も再生できる」と目論み、コールドスリープに人間の脳を乗せ、三体人に拾わせる…という「階梯(かいてい)計画」を考える。
そして彼は、三体人と接触できる「死期の近い有能な科学者」の脳が必要だと言い、余命少ないウィルにその任務を打診する事にした。
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オギーはジンに協力し、「元はといえば、家族のための開発だったのに」と悩みつつ帆の開発を進めていたが、ウェイドのそのあまりに横暴な提案を聞いて彼を見限り、ジンに別れを告げてマナー邸を出て行った。
そして、ナノファイバーの技術を独占しようとしていた元上司、デニス・ポーロックの元へ行き、「ナノファイバーは誰のものでもない」と言って、データをパブリックサイトにアップした。
ポーロックは憤りオギーを訴えようとするが、彼女は海外へ行こうとする。
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ジンから「階梯計画」を聞いたウィル。
彼はジンに「愛してる」と伝え、ウェイドに「人類ではなく、ジンになら忠誠を誓う」と言って協力する事になった。
事情を知ったソールが駆けつけ、「三体はどんな奴らか分からないから、やめた方が良い」と説得するが、ウィルは感謝の想いを伝えて、安楽死の同意書にOKをした。
その頃、ジンはウェイドから、星の送り主がウィルだったと伝えられる。
急いで病院へ向かうが、すでにウィルの脳は取り出され、コールドスリープに入れられていた。
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ウェンジエは、初めて三体人と交信したあの基地に来ていた。
主に殺される事を悟り、崖から飛び降りようとする。
すると、突然タチアナが現れ「飛び降りは悲惨よ。私に任せれば、美しく死ねるわ」と言う。
しばし前、タチアナに三体の女性剣士・ソフォンが接触し、「あなたは我々の一部。まだ仕事がある」と伝えたのだ。
ウェンジエは、タチアナに「あなたは使命を果たした」と言われ、「主に忘れられていなかったのね」と嬉しそうに微笑んだ。
そして夕日を見つめながら、最期の時を待つ。
この回は、もう涙涙でした;
とんでもない事に協力するウィルですが、最期にジンに想いを伝えられた事は本当に良かったですね。
ウェンジエに関しても、オバは同情心ばかりです。
エピソード8/面壁者
ソールが、一夜を共にした女性・ノラと街中にいると、子どもの自転車とぶつかって倒れる。
次の瞬間、ノラめがけて車が突っ込んで来て、彼女は死んでしまった。
その後ソールは取り調べ室で、何もかも知っているダーシーと話して驚く。(2人は初対面)
ノラを轢いた車は自動運転搭載車で、周りの車も含め3台が何者かに操作されていた。
ダーシーは、3日前にウェンジエが殺された事や、他の様々な状況から見て、「次に〝彼ら〟に狙われているのは君だ」と警告する。
そして、ソールに防弾チョッキを着せて、飛行機で国連本部に連れて行く。
ーー
総会が行われているホールでは、国連事務総長が、400年後の三体との戦争に向けて「面壁者計画」を作り上げたと話す。
それは、ソフォンは人間の意思は読み取れないのだから、3人の指揮者が頭の中だけで作戦を練り、実行するまでは誰にも明かさない、というものだった。
その3人の指揮官に選ばれたのは、フー・ボウリン将軍、レイラ・アリチ教授といった功績を残している人物達と、ソールである。
どうして自分が選ばれたのか分からないソールは、総長に「断る!」と言って本部を出たが、すぐに狙撃されてしまった。
防弾チョッキのおかげで、軽傷で済んだソール。
ダーシーが病室に犯人を連れて来たが、彼は「主の軍隊に入ったんだ」と不気味な笑みを浮かべた。
ーー
「面壁者」を断ったにも関わらず、相変わらずソールには護衛が付く。
総長によると、「面壁者」は心の中で作戦を立てるのだから、ソールが「辞める」と言ったとしても、本当は何を考えているか誰も分からない。(それも作戦のうちかもしれない)
そして、なぜソールが選ばれたのかも分からない。間接的な理由は、時が来ればわかる。と言った。
何を言ってもムダだと悟ったソールは、半ば無理やり「面壁者」として協力する事になってしまった。
ーー
アメリカを出たオギーは、メキシコにいた。
現地でナノファイバー・フィルターというものを開発し、綺麗な水を作ろうとしている。
ソールからの着信には答えず、村人達の手助けをしていた。
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タチアナは、トレーラーでひっそりと暮らしていた。
買い物から帰ると、中に「1人が生き残れば、全員が生き残れる」と書かれた紙と、VRヘルメットが置いてあるのを見付ける。
彼女は喜びながら、笑顔でヘルメットを装着した。
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アメリカのロケットセンター、ケープ・カナベラル。
ジンの努力によって、ウィルの脳を乗せたロケットは無事に発射された。しかし、ここからが本番だ。
見事に探査機からオギーが開発した帆が出され、このあとは核爆弾によって加速する。
そして3回目の加速が成功した時、帆と探査機を繋ぐケーブルが切れてしまった。
そのまま、ウィルの脳を乗せた探査機は宇宙の彼方へ消えてしまう。
ウィルの死後、彼への愛に気付いていたジンは、映像を見ながら泣き崩れた。
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作戦が失敗に終わり、後日ジェット機に乗っているウェイド。
突然電子機器がジャックされ、ソフォンが現れる。
彼女は「強い指揮官だ。冬眠が可能なら、お前を作戦に組み込み席を用意しよう。お前の視覚は支配した」と告げた。
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モーテルで、「ウィルの脳はどこへ行くのか」「人類は虫ケラだ」と悲しみに暮れるソールとジン。
ダーシーは彼らを励まし、ドライブに誘った。
たどり着いた場所は、多くの虫が生息するフロリダ・エバーグレーズの湿地帯。
「人類は、虫を嫌い排除して来た。だが、ここに確かに存在している」「虫ケラに(乾杯)」と言って、ウィスキーを掲げた。
ソールとジンは、力強く生きる虫達を見て少々元気を取り戻し、ダーシーは「仕事に戻ろう」と言った。
見応えのある第1部が終わりました!
探査機は残念な結果に終わりましたが、ウィルの脳はこれから、何かの鍵になりそうな予感です。
また、ウェイドは三体側に行ってしまうのでしょうか。タチアナはどうなるのか!?謎がたくさん残りました。
たくさんの伏線が隠されていそうなので、シーズン2が始まる前には再鑑賞が必須ですね!
続編の情報が更新されましたら、こちらでお伝えします♪