1994年3月12日公開のアニメ映画『ドラえもん のび太と夢幻三剣士』。
映画・大長編ドラえもんの第14作目で、第12回ゴールデングロス賞優秀銀賞受賞。
また、テレビ朝日開局35周年・テレビアニメ15周年記念作品でもあります。
1980年代生まれのbeersy、子ども時代をガッツリドラえもんと共に歩んで来ました。
この作品は怖い描写が多いですが、それ以上に「のび太の優しさ」がわかりやすく描かれており、彼のように何にでも優しい心を持とうと思った記憶があります。
特に、竜とのくだりは今でも大好きなポイント!
今回は、ドラえもんに憧れドラえもんをこよなく愛するbeersyが、映画『ドラえもん のび太と夢幻三剣士』の主題歌、あらすじ、感想をまるっと解説していきます!
『ドラえもん のび太と夢幻三剣士』のあらすじ
「気ままに夢見る機」で、『夢幻三剣士』の夢世界にやってきたのび太。ところが、そこは、妖霊大帝オドロームが率いる、妖霊軍に侵略されていた。伝説の英雄、白銀の剣士ノビタニヤンとなったのび太は、ジャイトス、スネミス、シズカールの三剣士と、魔法使いのドラモンとともに、立ちあがった。オドロームを倒して、夢世界を救うのだ。
参照:Amazon公式サイト
映画『ドラえもん のび太と夢幻三剣士』で流れる曲
オープニング
山野さと子、大山のぶ代 - ドラえもんのうた
オープニングで流れる曲は、山野さと子、大山のぶ代の『ドラえもんのうた』です。
かなり立体的になった3D映像からの、タケコプターではなくホウキに乗ったドラえもんが飛んでいるOP。
冒頭では、昭和のヒーロー「黄金バット」をもじった黄金ハットや、お供の猛獣になったドライオンなど、いきなりキュートなキャラ達が観られます♪
それにしてもドライオン、本当に可愛い!!キーホルダーだけあったみたいですが、まだ売ってるかな…(藤子・F・不二雄ミュージアム 公式ブログ)
ノビタニヤンが、ジャイトス・スネミスと戦うシーン
ノビタニヤンが、ジャイトス・スネミスと戦うシーンで流れる曲は、武田鉄矢一座の『夢の人』です。
夢の中でも劣等生ののび太(ノビタニヤン)が運良く白銀の剣士となり、ジャイトス(ジャイアン)スネミス(スネ夫)と決闘をするシーン。
ドラえもんとのび太が再度ユミルメ国へ向かうシーン、エンディングでも使用されています。
勇ましいメロディで、ストーリーを盛り上げる良きスパイスとなっていました。
この決闘シーンは剣だけ動いてるのが面白くて、子どもの頃とても笑った記憶があります。今観ても面白い!
伝説の剣士となってものび太ならではの「優しさ」は変わっていなくて、魅力たっぷりのキャラクターとなっていますよ♪
さすが、2004年から全25巻発行されていた雑誌「ぼく、ドラえもん」の「ドラデミー大賞主演キャラクター賞」一位を獲得したのび太くんです!!
エンドロール・主題歌
エンドロールで流れる曲は、武田鉄矢一座の『世界はグー・チョキ・パー』です。
今作は、悪役の気持ち悪いキャラデザ・描写と、残忍性がトラウマものな作品。
敵味方関係なく手にかける「妖霊大帝オドローム」は、ドラ映画の中でも上位に来る恐ろしさです!
ノビタニヤン、シズカールが消されてしまう展開にも衝撃を覚えました。(のちほど書きますが、異色のエンディングにも驚愕!)
でも、武田鉄矢さんが制作した主題歌「世界はグー・チョキ・パー」は明るくお茶目なメロディが印象的で、ちょっと怖くなってしまった心を癒してくれます♪
何度でも観よう!「のび太と夢幻三剣士」をもっと楽しめる小ネタと見どころ
クリティカルなネタバレはできるだけ避けていますが、初めて『のび太と夢幻三剣士』を観る人は事前情報なしで一度観てから以下の秘話を観ると、2回目も楽しめておすすめです!
小ネタ1:
「気ままに夢見る機セット」のカセットに注目!
不二子作品の「パーマン」や『海底鬼岩城』に出て来た「アトランティス」、フジテレビ「ウゴウゴルーガ」をもじった「ウゴウゴガール」、ディズニー作品をもじった「ボンダ(ダンボ)」「ピーターポン(ピーターパン)」など、どれも面白いものばかり。
動画の最後にはしっかりとコピーライトや注意書きが書いてあって、スタッフの遊び心が光っています!
小ネタ2:
今作で活躍した「夢見る機セット」とほぼ同じ道具は「ドリームプレーヤー(コミック第38巻)」ですが、夢にまつわるひみつ道具は他にもたくさんあります!
- うつつ枕(コミック第5巻)
- ユメグラス(コミック第11巻)
- 立ちユメぼう(コミック第16巻)
- ツモリガン(コミック第20巻)
- 夢スピーカー(コミック第21巻)
- ドリームガン(コミック第24巻)
- 夢コントローラー(コミック第24巻)
- 夢のり(コミック第28巻)
- 夢破壊砲(コミック第28巻)
- 夢はしご(コミック第28巻)
- サカユメン(コミック第36巻)
(膨大なので道具の内容は割愛します;)
「夢をコントロールして楽しみたい!」という藤子・F・不二雄先生の少年のような心が、ドラえもんの世界に散りばめられていますね♪
小ネタ3:
映画公開当時、マンガは連載25周年という節目を迎えています!
ドラえもんがミュージカルになったり、日産自動車「ラシーン」のCMに起用されるなど、国民的キャラクターとして確固たる地位を確立。さらには日本漫画家協会賞文部大臣賞を受賞!
また、テレビアニメ15周年に伴い、今作から野比家の間取りや外観がリニューアルされている点にも注目です。
小ネタ4:
ファンの中で話題となっている、ラストシーン。
しずかがのび太に「かっこよかったわよ♡」と言った後、二人で学校に駆けて行きますが、その学校が崖の上に立っている…。
なんとも不穏なこのカット。夢見る機は返品したのになぜ?とか、目覚めたあとに現実世界の話をしているのになぜ?(ユミルメ国ではあくまで現実世界の事を「夢で見た」と言っているのに)とか、そもそもトリホーはどうやって現実世界へ来たのか?など、様々な疑問と考察がなされている不気味なラストとなっています。
当初は「パラレル西遊記」のようなストーリーが考えられていたそうですが、描き進めるうちにキャラが意思とは違う方向に動いてしまい、藤子・F・不二雄先生にとって今作は「一種の失敗作」となってしまったそう。
そのため筆者は、原作には無いラストの不気味なカットに「現実世界と夢世界の境界線が無くなってしまう、そんな映画を作りたかった」という藤子・F・不二雄先生の想いが込められているように思えました。
ちょっと怖いポイントは多いものの、心をくすぐる冒険色が濃く、心優しいノビタニヤンや勇ましいシズカールといったキャラクターが楽しめる、見応えたっぷりの映画だと思います!
筆者の『のび太と夢幻三剣士』のグッズ紹介
ネタバレ満載のパンフレット。登場したひみつ道具や、ユミルメ国のマップ、藤子先生からの言葉など、読み応えがあります!
同時上映されたのは『ドラミちゃん』『ウメ星デンカ』。
2004年に発行された「ぼくドラえもん 第14巻」では、今作の特集や大長編ドラの特集が組まれています。
隣は、映画公開当時創刊された文庫本。他にも「恋愛編」「恐竜編」などがありました。
『ドラえもん のび太と夢幻三剣士』の前後作品
前作:
ドラえもん映画『のび太とブリキの迷宮』の主題歌を解説!
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次作:
ドラえもん映画『のび太の創世日記』の主題歌を解説!
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