2021年7月8日公開の映画『ブラック・ウィドウ』。
『アベンジャーズ』の一人であるブラック・ウィドウことナターシャが、昔の家族と向き合っていくアクション映画!彼女の過去や驚きの家族に注目となり、監督はケイト・ショートランド、日本の興行収入は6億円以上でした。
この記事では、映画『ブラック・ウィドウ』で流れた音楽5曲をご紹介します。
※『流れる曲紹介』ではネタバレがあるので、動画視聴後にお楽しみください。
『ブラック・ウィドウ』で流れた曲とは?
アレクセイが家族を車に乗せて国外へ逃げるシーン
Don McLean - American Pie
アレクセイが家族を車に乗せて国外へ逃げるシーンで流れた曲は、Don McLeanの『American Pie』です。
穏やかな歌とピアノの伴奏で始まり、静かな雰囲気で続いていってから少しテンポを上げていく曲です。中盤から早いリズムに変わり、さわやかで明るい雰囲気に変わっていき、8分ほどの曲であることも特徴。
ドン・マクリーンは1945年生まれのアメリカの男性シンガーで『Vincent』、『And I Love You So』などが有名です。
1995年のオハイオ州にてナターシャたちが父であるアレクセイの車に乗るシーンで『American Pie』が流れました。「バイバイ」と妹のエレーナが歌っていて、軽快なノリの歌なので車の運転にピッタリ。しかし、事態が段々とシリアスになるのが見どころになっていきます。
両親は急いで飛行機の準備をして乗り込み、父のアレクセイは並外れたパワーを見せつつ、追っ手「シールド」の進行を妨害しますが…母であるセリーナが撃たれた際にはヒヤリとしましたね。そうしてナターシャが運転を代わって努める展開は手に汗を握りました。
アレクセイは飛行機の翼から狙撃をしつつ、離陸が上手くいくまで目が離せません。キューバの穏やかでステキな海を見やりつつ、ドレイコフ将軍が登場してナターシャたちが連れていかれてしまう展開は映画に引き込まれます。
この曲は映画の後半でアレクセイたちが昔を思い出して歌う際にも使われます。
ナターシャと妹のエレーナが連れていかれるシーン
Think Up Anger Featuring Malia J - Smells Like Teen Spirit
ナターシャと妹のエレーナが連れていかれるシーンで流れた曲は、Think Up Anger Featuring Malia Jの『Smells Like Teen Spirit』です。
語りかけるように耳元で歌っているような感じの女性シンガーの歌声が特徴となる曲です。声をメインとしている中、少し聞こえるピアノの音なども悲し気に聞こえて来るでしょう。
曲の途中から力強さを感じさせるようになり、終わりまで続いていくのが特徴。
ニルヴァーナの『Smells Like Teen Spirit』をマリアJがカバーしたのが今回の曲です。
キューバに到着して、ナターシャは6歳のエレーナを守ろうとした際に「ナターシャは炎のような娘だ」と言われていたのが印象的です。実の家族ではない一家ですが、確かな絆を感じさせますね。
そうして家族は離れ離れにされる中、他の女の子たちも含めて選別されていくシーンで『Smells Like Teen Spirit』が流れました。オープニングにもなっているこのシーンでは、深刻そうな雰囲気が伝わってきました。
「レッド・ルーム」では女性のスパイを鍛え上げるため、使える捨て子を選別しているとのことで驚きましたね。ナターシャとエレーナは訓練に耐えてきたことで有能なスパイになったと言えますが、多くの苦難があったと思います。
そうして世界で起きている戦争や、暗殺のターゲットが代わる代わる映し出されるオープニングは『ブラック・ウィドウ』らしい演出だと感じました。
トレーラーハウスで過ごすナターシャが街へ向かうシーン
Sia Featuring Sean Paul - Cheap Thrills
トレーラーハウスで過ごすナターシャが街へ向かうシーンで流れた曲は、Sia Featuring Sean Paulの『Cheap Thrills』です。
ノリの良いテンポと歌が入っている中、男性と女性シンガーが交互に歌っていくのが特徴となる曲です。最後はハミングをしながら曲が終わります。
ジャマイカ出身の男性シンガーのショーン・ポールは『No Lie』、オーストラリア出身の女性シンガーのシーアは『Unstoppable』が有名です。
映画のシーンは現代に変わり、ソコヴィア協定を破ったことでロス長官に追われるナターシャはノルウェーにいましたね。友人の力を借りて人気のないトレーラーハウスで過ごしていましたが、彼女と友人の関係性も良いですね。
アベンジャーズの危機を察した友人はナターシャを心配しつつ、ブダペストに残した私物を届けてくれるという親切な一面を見せてくれます。
そうして夜になり、トレーラーハウスの燃料を補給するためにナターシャが街へ車を走らせるシーンで『Cheap Thrills』が流れます。ノリの良さを感じる曲と共に夜道を普通に走っているだけかと思いきや…突如攻撃されるという驚きの展開に!
被弾した際に車が飛ばされて火が上がる中、タスクマスターがゆっくりと迫ってくるのが恐ろしかったです。そうして始まるナターシャとタスクマスターの戦いからは目が離せません。
ナターシャとエレーナが店で一息つくシーン
Ahmed Mohamed El Gaml - Atshan Ya Zeina
ナターシャとエレーナが店で一息つくシーンで流れた曲は、Ahmed Mohamed El Gamlの『Atshan Ya Zeina』です。
民族風の楽器音による前奏に男性シンガーの歌声が入っていく曲です。複数人によるコーラスも交えつつ、語りかけるようなパートも入れているのが特徴。ちょっと暗さを感じさせつつ女性シンガーの歌で終わっていきます。
エジプトのバンド「Gawy」による曲であり、歌詞はアハメド・モハメド・エル・ガムルが担当しました。
レッドルームからの刺客からなんとか逃げおおせたナターシャと妹のエレーナ。バーで一息つく際に『Atshan Ya Zeina』が流れて、子供たちが遊んでいる姿を見て自身たちの境遇を思い返すシーンが印象的ですね。
穏やかな曲調と姉妹の団らんする様子が合っていて、彼女たちの言葉に耳を傾けたくなります。20年ぶりでも仲が良い様子を見せてくれるため、ナターシャの優しい雰囲気が伝わってきました。
そして、ドレイコフ将軍が捨て子を利用してスパイとして作り上げているという話や、ナターシャが母親に捨てられたことを気にしていることも明かされますが…映画の後半でその真実もわかっていくのに注目ですよ。
家族4人が揃ってアレクセイが歌を口ずさむシーン
Rise Ye Solders Of Salvation
家族4人が揃ってアレクセイが歌を口ずさむシーンで流れた曲は、『Rise Ye Solders Of Salvation』です。
アメリカのプロテスタントの賛美歌であり、日本語では「いざ起て戦人よ」という名曲名になっています。
男性たちによる合唱曲の一つとしても知られており、今作ではアレクセイ役のデヴィッド・ハーバーが最初のフレーズだけ口ずさみます。
アレクセイはレッド・ガーディアンのスーツを着てご満悦な様子でしたね。そうしてセリーナに迎えられつつ、「立ち上がれ労働者よ」と歌いながらテーブルにつきました。
20年ぶりの家族の再会を懐かしみ、セリーナに対して「美しさが変わらない」と言う姿は昔のままなのでしょうかね。そんなアレクセイはドレイコフ将軍に騙されて刑務所暮らしを続けていましたが…超人(スーパーソルジャー)だった彼は他の囚人を任していたのが印象的。
彼がキャプテンアメリカを一方的にライバル視しているのも気になりますが、家族を持つという潜入任務を3年間も務めることになったことを嘆いていた場面も心に残ります。
それに対しエレーナはみんなのことを本物の家族だったと話すのも心に残りますが、偽りのスパイで構成されている彼らの物語はどういった終幕を迎えるのかも注目でしょう。
筆者の感想
ナターシャは家族のことを偽りのものだと言っていましたが、最後にはエレーナに「私にとっても本物の家族だった」と言うのが感動的ですね。20年会っていなくても、両親がワケありだったとしても家族だと思えるようになったのが良かったです。
そうしてエンディングを迎えて、『アベンジャーズ エンドゲーム』後の話が語られるのですが…ナターシャのお墓の前でエレーナが悲しむ姿は切なかったですね。
エレーナが物語を引き継ぐことになり、マーベルのドラマ『ホークアイ』に続いていくのはある意味、注目だと言えるでしょう。ナターシャたちのアクションやスパイとしての動きなども見ものだった映画でした。
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