2014年7月19日公開 映画『紅の豚』。
スタジオジブリの長編アニメーション映画。
紅い飛行挺で賊を倒し賞金稼を稼ぐ、元・イタリア空軍のエースで豚の姿になった「ポルコ・ロッソ」の物語。
幼少期より空を飛ぶことに憧れていた宮崎監督が、自分の夢として描いた「中年のための映画」と言われています。
この記事では、映画『紅の豚』のサントラから抜粋した19曲をシーン別にご紹介します。
※以下ネタバレ有り
『紅の豚』で流れる曲とは?
オープニング
加藤 登紀子さんは、日本のシンガーソングライター、作詞・作曲家、女優で、「さくらんぼの実る頃」はフランスのシャンソンを代表する歌曲。
ポルコが寝ながらラジオを聴いているシーン。
浜辺でまったりしている不思議な豚。当初、鈴木敏夫プロデューサーは「豚が主人公の映画にお客さんが入るわけがない」と話したそうです。それほど画期的な企画だったのでしょうね!
ラジオから流れる曲は、ゆったりとした独特なリズムのシャンソンです。
ポルコが招集され空賊の元へ向かうシーン
ポルコが招集され空賊の元へ向かうシーンで流れた曲は、久石譲の『時代の風-人が人でいられた時-』です。
マンマユート団からの襲撃を受けたチャーター船を助けに、ポルコが出動するシーン。サントラ次曲の「MAMMAIUTO」も続けて流れます。
紅の豚といえば、この渋い声!!ポルコを演じた俳優・声優の森山周一郎さん、声だけでなく佇まいも本当に素敵でした。
この楽曲は迫力のあるオーケストラですが、久石譲さんのオリジナル曲「1920~Age of Illusion」を元に作られたそうです。
カーチスがジーナに見惚れるシーン
カーチスがジーナに見惚れるシーンで流れた曲は、加藤登紀子の『さくらんぼの実る頃』です。
オープニングでも使用されています。
食事中のポルコとジーナが話しているシーン
食事中のポルコとジーナが話しているシーンで流れた曲は、久石譲の『セピア色の写真』です。
ポルコがジーナの店で食事をしながら、ジーナと思い出話をしているシーン。
ここでは、ポルコの人間時代の写真が飾られています。ポルコは自分自身で魔法をかけて豚になったのですが、この理由について宮崎監督は確信を突いておらず。
ネットではたくさんの考察がされているので、読みふけると面白いですよ♪
バイオリンで優しくゆっくりと奏でられるメロディが、二人の雰囲気を情緒的に表現しています。
軍隊が町を行進しているシーン
軍隊が町を行進しているシーンで流れた曲は、久石譲の『セリビア行進曲』です。
軍隊が来ている町中で、ポルコが銀行に行ったり銃などの装備を購入したりするシーン。
豚人間のポルコですが、町の人々にも受け入れられ、むしろ親しまれている様子が描かれていてほっこりします♪
どこか聴いたことのあるようなリズミカルなマーチは、映画「ハウルの動く城」で使用された「陽気な軽騎兵」にも似ていました。
マンマユートなどの空賊が、飛びながら愚痴っているシーン
マンマユートなどの空賊が、飛びながら愚痴っているシーンで流れた曲は、久石譲の『Flying boatmen』です。
空賊たちが光のモールス信号を使いながら話しているシーン。
彼らも物語には必要不可欠なキャラクター。悪者なのですが、何故か憎めない存在で意外とファンも多いと思います。
悪者が悪過ぎないところが、ジブリ作品の魅力とも言えますね!
短い曲がミックスされており、それぞれのシーンにとことん合わせた楽曲です。
ポルコがカーチスから襲撃を受けるシーン
ポルコがカーチスから襲撃を受けるシーンで流れた曲は、久石譲の『Doom-雲の罠-』です。
エンジンの調子が悪い中、ポルコが嫌な天候の空を飛ぶシーン。カーチスからの突然の襲撃を受けてしまいます。
ポルコのライバル・カーチスの声優は、ブラックジャックや次元大介役など数々の声優や吹き替えで有名な、大塚明夫さん。
大塚さんも、シブくてダンディーで素敵な声ですよね♪
不穏な弦楽器のメロディが、空の色と絶妙にマッチ。何かが起こりそうな緊張感のある楽曲です。
ポルコがジーナと電話しているシーン
ポルコがジーナと電話しているシーンで流れた曲は、久石譲の『Porco e Bella』です。
ボロボロになってしまった愛機と一緒に、ミラノへ旅立つことを伝えるシーン。
ここであの名言「飛ばねぇ豚はただの豚だ」が発せられます。その前にジーナが言った「ローストポークになっちゃうから」も、ダークジョークが効いててとても面白い!
ここで流れるのは、オリジナルアルバム「マルコとジーナのテーマ」を元にした、美しい流れるようなピアノの旋律。
奥深く繋がっているであろう二人を表している、哀愁と愛が感じられる楽曲です。
フィオが仕事を任されるシーン
フィオが仕事を任されるシーンで流れた曲は、久石譲の『Fio-Seventeen』です。
若いけれど飛行機設計の才能がある17歳の少女・フィオに、ポルコが仕事を任せるシーン。食事をするシーンまで流れます。
フィオは今作二人目のヒロインですが、大人なジーナとは正反対の明るく快活な少女ですね。
女性たちが次々と集まるのに圧倒されている、ダンディポルコがキュートです!
フルートや、「タラララ〜」と流れるマンドリンのメロディが、フィオの雰囲気にピッタリですね。
女性たちがポルコの飛行艇を修理するシーン
女性たちがポルコの飛行艇を修理するシーンで流れた曲は、久石譲の『ピッコロの女たち』です。
テキパキと働き、飛行艇を修理していく女性たちを、ポルコが見ているシーン。
「千と千尋」に出て来るタタラ場の女性たちのような、宮崎監督ならではの「強い女性像」がしっかりと描かれています。
オーケストラを用いた、心が弾むようなリズミカルな楽曲。
ポルコが友人のフェラーリンと映画を観ているシーン
ポルコが友人のフェラーリンと映画を観ているシーンで流れた曲は、久石譲の『Friend』です。
ポルコと戦友で、イタリア空軍少佐であるフェラーリンが「軍に戻らないか」と誘うシーン。
自由に生きるポルコを心配し、助言をするもあしらわれてしまいますが、この1コマで「良い奴だな」と思わせてくれるフェラーリン。
「魔女宅」を思い起こさせる優しいワルツと、ポルコが尾行から逃げるシーンで使用された緊張感のある楽曲の、二部構成。
ポルコとフィオが修理工場から飛び立つシーン
ポルコとフィオが修理工場から飛び立つシーンで流れた曲は、久石譲の『狂気(Madness)』です。
出発の際、おばあちゃんの「お土産はいいからね」にほっこりしたのも束の間、今作の中でもかなりハラハラするシーン。
フィオの空気の読めなさに少々イラっとするものの、THE・空気を読む女であるジーナとは対極であるため、ポルコの恋愛事情は面白い展開になっていますね!
ここで流れる曲は「時代の風〜」と同じく、久石譲さんのオリジナル曲を元に作られた楽曲。低音の弦楽器とピアノがメインで、迫力のあるメロディです。
マルコとフィオが、フェラーリンに助けられ空を飛ぶシーン
マルコとフィオが、フェラーリンに助けられ空を飛ぶシーンで流れた曲は、久石譲の『アドリアの海へ』です。
フェラーリンの誘導で、イタリア空軍からの攻撃をかわしホテル・アドリアーノに向かうシーン。
別れる時にポルコに向かって「豚に真珠」と言い放つのですが、そんな軽口も叩けるほどの友情が二人の間にはあるのだな…と思えてほっこりしました♪
美しい景色と空にマッチした、ワルツのような軽やかな楽曲です。
ジーナが昔を思い出すシーン
ジーナが昔を思い出すシーンで流れた曲は、久石譲の『遠き時代を求めて』です。
カーチスにハリウッド進出に誘われるも断り、上空に現れたポルコを想い回想するシーン。
ポルコとジーナの関係性がより濃く描かれている場面で、若かりし頃のポルコが観られます!二人とも初々しくてお似合いだし素敵。
ここで流れるのはフルートがメインの優しく感動的な楽曲。二人の若い頃の爽やかな雰囲気にマッチしたオーケストラです。
ポルコのアジトで、マンマユート団が待ち伏せしているシーン
ポルコのアジトで、マンマユート団が待ち伏せしているシーンで流れた曲は、久石譲の『Flying boatmen』です。
マンマユートなどの空賊が、飛びながら愚痴っているシーンでも使用されています。
カーチスが岩の谷間から降りて来るシーン
カーチスが岩の谷間から降りて来るシーンで流れた曲は、久石譲の『荒野の一目惚れ』です。
カーチスが満を持して登場し、突然フィオに一目惚れしてしまうシーン。
スパイダーマン…いやSASUKEばりの筋力を披露するカーチス。どういうこと?笑
あれだけジーナに惚れ込んでいたのにしれっと心変わりするのが面白い。
かなりコミカルな場面にマッチした、テンポの良い楽曲。
フィオとポルコが手を組むシーン
フィオとポルコが手を組むシーンで流れた曲は、久石譲の『夏の終わりに』です。
威勢の良いフィオですが、実は怖くてガタガタ震えてしまう…女の子らしさ全開のシーン。
マンマユート団をも虜にしてしまうフィオ、男勝りだけれど美少女というキャラ作りは、ジブリ作品の真骨頂ですね!
あたし泳ぐ!と脱ぎ出す彼女にあたふたするポルコも可愛い。二人の絆も深まって来たシーンです。
ここでは「Fio Seventeen」のアレンジバージョンが流れます。
ポルコが昔話をフィオに語るシーン
ポルコが昔話をフィオに語るシーンで流れた曲は、久石譲の『失われた魂-LOST SPIRIT-』です。
銃を手入れしているポルコが、一瞬人間の姿に戻るシーン。フィオはそれを言いかけますが止めて、何かお話をして、と伝えます。
何か人に心を許すようなきっかけがあった時に戻るのでしょうか?ここでは、軍人時代の悲しい思い出が語られます。
オリジナルアルバム「マルコとジーナのテーマ」から、シンセサイザーを用いた神秘的な曲へ変わる、二部構成の楽曲。
決闘当日、ポルコとフィオが話すシーン
決闘当日、ポルコとフィオが話すシーンで流れた曲は、久石譲の『セリビア行進曲』です。
軍隊が町を行進しているシーンでも使用されています。
ポルコとカーチスの決闘がスタートするシーン
ポルコとカーチスの決闘がスタートするシーンで流れた曲は、久石譲の『時代の風-人が人でいられた時-』です。
ポルコが招集され空賊の元へ向かうシーンでも使用されています。
ポルコとカーチスが空中で戦うも、結局殴り合うシーン
ポルコとカーチスが空中で戦うも、結局殴り合うシーンで流れた曲は、久石譲の『Dog Fight』です。
臨場感のある空中戦のあと、結局は地上に降り殴り合って勝敗を決めることになるシーン。
お互いにボッコボコになりながら、ゴング替りのフライパンの音を合図にボクサーさながらの戦いを繰り広げます。
結局は腕っぷしで女性を取り合うというなんともアナログで面白い展開ですね!
バックで流れているのは「荒野の一目惚れ」を元にしたコミカルな楽曲。
エンディング
エンディングで流れた曲は、久石譲の『Porco e Bella-Ending-』です。
激しい殴り合いの末、立っていたのはポルコ。
しかし二人の女性ともお別れするという、あくまでポルコというキャラクターを大事にし、恋愛に軸を置かない大人なエンディングとなりました。
最後はフィオの声で「その後」が語られます。ポルコの顔も戻ったのか!?スッキリするようなしないような…観る人によって色々と考察出来る内容でした。
ラストは、イメージアルバム「アドリア海の青い空」と「マルコとジーナのテーマ」がアレンジされた壮大な曲が流れ、感動のフィナーレを飾ります。
エンドロール
エンドロールで流れた曲は、加藤登紀子の『時には昔の話を』です。
加藤登紀子さんが作詞・作曲を手がけ、1987年に発表された曲。
この曲をアレンジしたライブバージョン(編曲:菅野よう子さん、ピアノアレンジ:大口純一郎さん)が、のちに今作の主題歌として起用されました。
美しいピアノとバイオリンの旋律、加藤登紀子さんの、少しハスキーで力強く、またしっとりとした歌声が心に染み渡ります。
曲と共に映し出される線画も、じっくり観ると作品の余韻に浸れますよ。
ちなみに、最後に豚だらけの絵が出て来ますが、こちらの理由もたくさん考察されているのでぜひ調べてみてください♪
サウンドトラック
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イメージアルバム
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