1993年4月24日公開の映画『レザボア・ドッグス』
クエンティン・タランティーノの脚本・監督デビュー作である『レザボア・ドッグス』。当初は3万ドルの予算・16mmフィルムで撮影する自費映画の予定でしたが、約3週間半でタランティーノが書き上げたという脚本を読んだハーヴェイ・カイテル(Mr.ホワイト役)が支援・プロデュースを名乗り出て、160万ドルの予算を獲得し新進気鋭の俳優達の出演が決まりました。今なおインディペンデント映画ランキング1位常連、伝説の名作です。
この記事では、映画『レザボア・ドッグス』で流れた音楽8曲と作中で言及があった9曲をシーン毎にご紹介します!
『レザボア・ドッグス』で流れた曲とは?
オープニングシーン
George Baker - Little Green Bag
『レザボア・ドッグス』のオープニングシーンで流れている音楽は、George Baker(ジョージ・ベイカー)の『Little Green Bag』という楽曲です。
オランダ出身の歌手ジョージ・ベイカー。The George Baker Selectionとして1969年にリリースしたデビューシングル『Little Green Bag』はBillboard Hot 100 21位、世界中でミリオンセラーを記録しました。
チップを払う払わないでぐだぐだしてたチンピラ達、彼らに人気のラジオが流れて場面転換…クールで最高のオープニングシーンです。言葉にできないカッコ良さ...これぞ映画の醍醐味ですね!!
細身のネクタイに黒スーツのチンピラ達がサングラスをかけて歩いてくるオープニングシーンで流れるのは、イントロのベースが印象的な『Little Green Bag』です。ビールや車のCM、コント番組のオープニングなどで使われているので、聴き覚えがある方も多いかもしれませんね!言葉にできないカッコ良さ...! 映画の醍醐味ですね!!
ちなみに、執筆時はPink Floyd(ピンクフロイド)の Moneyを想定して書いていたとか。言われてみればイントロの雰囲気も似てますし、イメージ的にもぴったりですよね。でもある日、たまたま流れていた『Little Green Bag』を聞いた時に、このノスタルジックな雰囲気を入れたい!と思い、変更したそうです。それでこそタランティーノ!
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エディが運転しているシーン
Joe Tex - I Gotcha
『レザボア・ドッグス』のエディが運転しているシーン・倉庫で警官を暴行しているシーンで流れている音楽は、Joe Tex(ジョー・テックス)の『I Gotcha』という楽曲です。
1935年テキサス生まれのジョー・テックスは、60年代後半から70年代にかけて20曲以上をチャートインさせたサザンソウルの人気シンガーです。1972年にリリースされた『I Gotcha』はR&Bチャート1位、ポップチャート2位を記録、300万枚のセールスを達成したミリオンセラー曲です。
ナイスガイ・エディ・キャボット…っていうのが、エディの名前らしいです。ナイスガイ…かわいい顔してますけどね…。彼が作中で着ていたNIKEのジャケットは映画の影響でヴィンテージ市場でとても人気が高いとか。作中の衣装は予算の関係でほぼ俳優の私物だったそうです!
ちなみに、エディ役のクリス・ペンは『アイ・アム・サム』や『ミスティック・リバー』で知られる名優ショーン・ペンの実の弟です!言われてみると目のあたりが似ていますね。
耳切りダンスシーン
Stealers Wheel - Stuck In The Middle With You
『レザボア・ドッグス』警官を拷問する「耳切りダンス」のシーンで流れている音楽は、Stealers Wheel(スティーラーズ・ホイール)の『Stuck In The Middle With You』という楽曲です。
1972年から75年の間活動していたスコットランドのフォークロックバンドスティーラーズ・ホイール。『Stuck In The Middle With You』はデビューシングルながらミリオンセラーを記録、世界各国のチャートでも好成績を残しました。
解散後はそれぞれソロで活躍しGerry Raffertyは『Baker Street(霧のベイカー・ストリート)』などのヒット曲を残したことでも知られています。
みんなお気に入りのラジオ番組「K-ビリーのスーパーサウンド'70s」が再び登場、「ボブ・ディラン風でポップな1974年4月のナンバー、今週の第5位です!」の紹介で流れてくるのが『Stuck In The Middle With You』です。歌詞が最凶にマッチしてます…。
痛くて見れませんが…この耳を切り落とすシーンは『続・荒野の用心棒(原題:Django)』のオマージュです。切り落とした耳に話しかけるのはクスッと笑ってしまいますね!
※以下ネタバレ有り※
瀕死で気絶中のMr.オレンジ…耳切りダンスが強烈で存在を忘れていましたが、ここでまさかの復活。血まみれでも格好いいですね…。一気に物語が動き出します!
Mr.オレンジ、レストランのシーン
Bedlam - Harvest Moon
『レザボア・ドッグス』のMr.オレンジの回想シーン、レストランの場面で流れている音楽は、Bedlam(ベドラム)の『Harvest Moon』という楽曲です。
米テネシー州ナッシュビルで活動していたべドラム。(ドラマーのコージー・パウエルが在籍していたべドラムとは別のバンドです。)『Harvest Moon』はメンバーのJay Joyceによるオリジナル曲です。Jay Joyceはカントリーミュージックの名プロデューサーとしても知られています。
Mr.オレンジ役のティム・ロスはタランティーノ作品常連俳優です。レザボア・ドッグスの次のタランティーノ作品『パルプ・フィクション』のオープニングでも、キレッキレのトークを見せてくれます!
BGMとして流れるのは『Harvest Moon』、題名は「中秋の名月」を意味します。カントリーミュージック調の穏やかな曲にしゃがれ声のボーカルが良い感じです。作品内ではあまり目立たないのですが、遊び心溢れるイントロのピアノがカッコいいので、是非聴いてみてください!
Mr.オレンジが練習したジョークを披露するシーン
Bedlam - Magic Carpet Ride
『レザボア・ドッグス』のMr.オレンジの回想シーン、ナイトクラブで練習したジョークを披露するシーン場面で流れている音楽は、Bedlam(ベドラム)の『Magic Carpet Ride』という楽曲です。
『Born To Be Wild』で知られるSteppenwolf(ステッペンウルフ)の『Magic Carpet Ride』を前出のべドラムがカバーしています。『Magic Carpet Ride』は映画『Apollo 13』(1995)『オースティン・パワーズ:デラックス』(1999)などでも使用されています。
Mr.オレンジが練習したジョークを披露する場面で流れているのがベドラムによる『Magic Carpet Ride』です。家でジョークを練習してるシーンを見ている時は、「真面目に練習するなんて!」と可笑しかったのですが、実際披露するシーンになると…ヘマしたらと思うだけで、緊張感が一気に増しますね。
オリジナルver.のステッペンウルフに比べて、ベドラムver.はディストネーションが効いたギターにザラザラした質感のサウンドなので、レザボア・ドッグスの世界観に合っている気がします!
Mr.オレンジのアパートで流れている音楽
Sandy Rogers - Fool For Love
『レザボア・ドッグス』のMr.オレンジの回想シーン、アパート内で流れている音楽は、Sandy Rogers(サンディー・ロジャース)の『Fool For Love』という楽曲です。
『Fool For Love』は1985年に製作された監督ロバート・アルトマン、脚本/出演サム・シェパードのラブロマンス映画『Fool For Love』のための曲です。歌っているサンディー・ロジャースはサム・シェパードの実の妹です。
このMr.オレンジがアパートを出るシーン、公開から四半世紀以上経った今でも世界中のタランティーノファンによってさまざまな考察がされている名シーンの一つです。例えば、家を出る前に指輪を探してつけるのは結婚していることの暗示なのかそれとも潜入捜査のアイテムなのか、また最後に鏡をみて言い聞かせるシーンは『タクシードライバー』へのオマージュなのかetc…深読みしがいがあるシーンです!
家を出る前にMr.オレンジが聴いていたのが『Fool For Love』です。これがまた「he was fool for love」という歌詞なので、いろんな解釈ができるんですよね…。ミステリアスなMr.オレンジ、魅力的です!
エディが運転する車の中で流れた音楽
Blue Swede - Hooked On A Feeling
『レザボア・ドッグス』のMr.オレンジの回想シーン、エディが運転する車の中で流れた音楽は、Blue Swede(ブルー・スウェード)の『Hooked On A Feeling』という楽曲です。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でもお馴染みの『Hooked On A Feeling』通称「ウガ・チャカ」。オリジナルはB. J. Thomasによる同名曲ですが、スウェーデン出身のバンド、ブルー・スウェードが「ウガ・チャカ」のコーラスを付けてカバーしたところ世界中で大ヒットを記録しました。
緊張感MAXのMr.オレンジの心境になっていたところで、唐突な『ウガ・チャカ!』が流れるドライブシーン。無意味にハイテンションな音楽でドキドキしますよね…。
浮かない顔つきのMr.オレンジをよそに、「ドラマの『女刑事クリスティー』の主演がパム・グリアだっけ?」などと、全然関係ない話で盛り上がっています。(主演はテレサ・グレイヴスです。)
ちなみに、パム・グリアはタランティーノ3作目の監督作品『ジャッキー・ブラウン』の主演女優です。タランティーノが彼女の大ファンらしいです!
エンディングシーン
Harry Nilsson - Coconut
『レザボア・ドッグス』のエンディングシーンで流れた音楽は、Harry Nilsson(ハリー・ニルソン)の『Coconut』という楽曲です。
60年代後半から70年代にかけてヒット曲を数多くリリースしたシンガーソングライター、ハリー・ニルソン。全米・英国チャート1位『Without You』や、映画『真夜中のカーボーイ』の主題歌『Everybody's Talkin' (邦題:うわさの男)』など、哀愁あるボーカルを生かしたカバーソングでも有名です。
※ネタバレ注意※
なんとも言えない虚無感があるエンディングですが、『Coconut』が流れ出してクレジット画面を観ていると、満足感のようなものが心に広がっていきます…。ちょっとニヤリと笑いたくなるような、そんな感覚です。
ハリー・ニルソンの『Coconut』、物語調の歌で「ココナッツを食べたらお腹が痛くなった」「お医者さんに電話しよう!」…そんな変な歌詞の曲です。いろんな声色の人が出てきますが、全部ハリー・ニルソンが歌っています。
音楽的に分析すると、C7コードしか使っていないので不安定で不思議な浮遊感があります。つかみどころがない不思議な雰囲気は『レザボア・ドッグス』のエンディングにぴったりですね!
『レザボア・ドッグス』作品内で話題になった曲とは?
冒頭マドンナの歌詞考察のシーン1曲目
Madonna - Like A Virgin
『レザボア・ドッグス』の冒頭レストランのシーンで話題になっていたマドンナの歌、1曲目は『Like A Virgin』という楽曲です。
クイーン・オブ・ポップの異名を誇る歌手・マドンナ。作品売上枚数は3億枚以上と言われ、『全世界で最も売れた女性レコーディング・アーティスト』『史上最も成功した女性アーティスト』のギネス記録保持者としても知られています。
レザボアドッグスといえば『クールなオープニングシーン』…と思って見た人は必ず面食らう、最初のセリフ…1984年にリリースされたマドンナの大ヒットソング『Like A Virgin』を思いっきり独断と偏見による解釈で語り出すシーンです。
自身が監督したほとんどの映画でキャストも務めるタランティーノ監督、記念すべきデビュー作の最初のセリフは自ら演じるMr.ブラウンに与えました。タランティーノらしいですね!
ちなみに、この独特すぎる『Like A Virgin』の考察はマドンナ本人から否定されたそうですよ。
マドンナを聴く方法
冒頭マドンナの歌詞考察のシーン2曲目
Madonna - True Blue
『レザボア・ドッグス』の冒頭レストランのシーンで話題になっていたマドンナの歌、2曲目は『True Blue』という楽曲です。
60代を過ぎてもポップミュージック界最前線で活躍し続けているマドンナ。『True Blue』は1986年にリリースされた3rdアルバム『True Blue』に収録されています。同アルバムは、アメリカ・イギリスをはじめ、世界8ヵ国以上でチャート1位を獲得しました。
『Like A Virgin』に続いて話題になったマドンナの曲が『True Blue』です。「ポップミュージックなんて興味がない俺でも聞いたことあるヒット曲(by ナイスガイ・エディ)」…と言われるほど、世界各国でヒットしたマドンナの人気曲です。
とってもピュアなラブソングです。そういえばこの曲、当時マドンナと結婚していたショーン・ペンに捧げられたとか…。アツアツだったのも束の間、二人は4年で離婚してしまいました。
ナイスガイ・エディを演じたクリス・ペンはショーン・ペンの弟なので、一時期マドンナの義理の弟だったってことですよね…セリフとはいえ「そりゃ聴いたことあるよね!」と思わせる意味深なセリフだったのか、と気付きました!
冒頭マドンナの歌詞考察のシーン3曲目
Madonna - Lucky Star
『レザボア・ドッグス』の冒頭レストランのシーンで話題になっていたマドンナの歌、3曲目は『Lucky Star』という楽曲です。
マドンナのデビューアルバム『Burning Up』からシングルカットされた『Lucky Star』はヒットチャート4位を記録し初期のマドンナを勢い付けたヒットソングです。『Like A Virgin』でポップスターに躍り出る前年1983年のリリースです。
『初期のマドンナの曲は好き…』とMr.ブルーがあげた曲の1曲目がこの『Lucky Star』です。ポップの女王マドンナがデビューまもない頃の曲です。
実はこの曲、『パルプフィクション』でもちょっぴり会話に出てきます。ブルース・ウィルス演じるブッチの彼女ファビエンヌが『ラッキースターのマドンナくらいぽっちゃりしたお腹になりたい…』と…。ぽっちゃりというほどぽっちゃりじゃない気もしますが…肉感的でセクシーって言いたいのはわかりますね!
冒頭マドンナの歌詞考察のシーン4曲目
Madonna - Borderline
『レザボア・ドッグス』の冒頭レストランのシーンで話題になっていたマドンナの歌、4曲目は『Borderline』という楽曲です。
『Lucky Star』に続き、マドンナのデビューアルバム『Burning Up』からシングルカットされた『Borderline』。デビューアルバムをプロデュースしたReggie Lucas(レジー・ルーカス)が作詞・作曲しました。
『Lucky Star』と並んで挙げられたのが『Borderline』です。前曲と同じくマドンナ初期の名曲として知られています。
初期の曲はマドンナがダンサーになりたかったのがよくわかる、ポップなダンスミュージックサウンドが特徴的です。それにしても、寄せ集めのチンピラがマドンナの話で盛り上がっているっていうギャップが最高ですね!
実はキャスティングオーディションに歌手のトム・ウェイツが参加していて、映画冒頭の『Like A Virgin』についてのセリフをオーディションで読んだらしいのですが、トムウェイツ効果でセリフが予想以上に詩的で意味深になってしまい却下したそうです…なんとなくわかる気がしますね!
冒頭マドンナの歌詞考察のシーン5曲目
Madonna - Papa Don't Preach
『レザボア・ドッグス』の冒頭レストランのシーンで話題になっていたマドンナの歌、5曲目は『Papa Don't Preach』という楽曲です。
同じく前出の3rdアルバム『True Blue』に収録された『Papa Don't Preach』は、世界11カ国のヒットチャートで1位を獲得した人気曲です。MVには『ゴッドファーザー』『月の輝く夜に』で知られるダニー・アイエロが出演しています。
これまでのマドンナのイメージを覆すシリアスな内容の歌ですが、ポップでキャッチーな曲調で世界中でヒットしたマドンナを代表する曲のひとつです。
…ですが、Mr.ブルーはあまりお気に召さなかったようですね。「初期のマドンナの曲は良かったけど、ここら辺のはイマイチ…」と言っています。
ちなみに、Mr.ブルー役のエドワード・バンカーは元犯罪者という異色の経歴の俳優です。獄中で執筆した『ストレートタイム』がダスティ・ホフマン主演で映画化されたことをきっかけに映画界で活躍するようになったようです。
冒頭レストランで話題になった『K-ビリーのスーパーサウンド'70s』の曲その1
The De Franco Family - Heartbeat (It's a Lovebeat)
『レザボア・ドッグス』冒頭レストランで話題になった『K-ビリーのスーパーサウンド'70s』の曲は、The De Franco Family(デフランコ・ファミリー)の『Heartbeat (It's a Lovebeat)(邦題:恋のハートビート)』という楽曲です。
デフランコ・ファミリーはカナダ・オンタリオ州出身の五人兄弟によるポップスグループで、リードボーカルを務めたトニー・デフランコはデビュー時わずか13歳!『Heartbeat (It's a Lovebeat)(邦題:恋のハートビート)』は彼らのデビュー曲で、カナダとアメリカでチャート3位を獲得しました。
映画の準主役と言っても過言ではない人気ラジオ番組『K-ビリーのスーパーサウンド'70s』の話題で出てきた1曲目がこの『Heartbeat (It's a Lovebeat)(邦題:恋のハートビート)』です。
題名から察するに70年代、映画内の時系列から考えると約20年前のヒットソングを流すラジオ番組なんでしょうか。Mr.ピンクはこの曲のことを「小五の時以来に聴いた」と言っていました。リードボーカルのトニー・デフランコが当時13歳だったということを考えると、ちょうど同い年くらいの頃に聴いていたといった感じですかね…確かにそういうのって覚えてますよね!
冒頭レストランで話題になった『K-ビリーのスーパーサウンド'70s』の曲その2
Vicky Lawrence - The Night the Lights Went Out in Georgia
『レザボア・ドッグス』冒頭レストランで話題になった『K-ビリーのスーパーサウンド'70s』の曲は、Vicky Lawrence(ヴィッキー・ローレンス)の『The Night the Lights Went Out in Georgia(邦題:ジョージアの灯が消えて)』という楽曲です。
1973年Billboard チャート1位を獲得したヴィッキー・ローレンスの『The Night the Lights Went Out in Georgia(邦題:ジョージアの灯が消えて)』。ヴィッキー・ローレンスは女優やコメディアンとして知られていますが、当時の夫だった音楽家ボビー・ラッセルが書いた曲を歌ったところ、大ヒットしたようです。
『K-ビリーのスーパーサウンド'70s』の話題で出てきた2曲目がこの『The Night the Lights Went Out in Georgia(邦題:ジョージアの灯が消えて)』です。「昔はいつも流れていた」「いい歌だ」と口々にみんなで話していましたね!70年代のカントリーミュージックにしては少し暗くて、どちらかというとフォークに近いニュアンスがあります。
サスペンス調の歌なのですが、ナイスガイ・エディは犯人を思い間違えていたようですね。『妹(シスター)って言ってるじゃん』と言われていたので聴いてみたら、割とハッキリ『シスター』と言ってましたよ!
初見だと、スーツ姿の男たちの関係性がわからないので何気なく見れますが、結末を知ってから見返してみるとこの辺りの緊張感、良くできていますね!
『K-ビリーのスーパーサウンド'70s』内で流れたとDJが紹介した曲その1
The Partridge Family - Doesn't Somebody Want to be Wanted
『レザボア・ドッグス』のオープニングシーン直前『K-ビリーのスーパーサウンド'70s』内でDJが紹介した曲はThe Partridge Family(パートリッジ・ファミリー)の『Doesn't Somebody Want to be Wanted(邦題:悲しき青春)』という楽曲です。
パートリッジ・ファミリーは1970年から米ABC放送で放映されたTVドラマです。(日本では『すてきなパートリッジ』『人気家族パートリッジ(ゆかいな音楽一家)』の題名で放映されました。)
ファミリー・バンドが活躍するホームコメディドラマで、ドラマのオリジナル曲も次々ヒットを記録しました。『Doesn't Somebody Want to be Wanted(邦題:悲しき青春)』もそのうちの一曲です。
レストランのシーンが暗転すると、噂の『K-ビリーのスーパーサウンド'70s』が流れます。DJの発言から察するにオープニング曲が流れる前にこの『Doesn't Somebody Want to be Wanted(邦題:悲しき青春)』を流していたようですね!
パートリッジ・ファミリーは『パートリッジ・ファミリー』というファミリーバンドの日常を描いた70年代の人気ファミリードラマのオリジナルバンドで、日本でも人気があったようです!懐かしの人気ドラマヒット曲、日本でも時々特集歌番組などで盛り上がりますよね。
『K-ビリーのスーパーサウンド'70s』内で流れたとDJが紹介した曲その2
Edison Lighthouse - Love Grows Where My Rosemary Goes
『レザボア・ドッグス』のオープニングシーン直前『K-ビリーのスーパーサウンド'70s』内でDJが紹介した2つ目の曲は、Edison Lighthouse(エジソン・ライトハウス)の『Love Grows Where My Rosemary Goes(邦題:恋のほのお)』という楽曲です。
エジソンライトハウスはボーカルのトニー・バロウズを中心に、スタジオミュージシャンで結成された特設バンドです。『Love Grows Where My Rosemary Goes(邦題:恋のほのお)』は1970年にリリースされ全英ヒットチャート1位を獲得しました。
『K-ビリーのスーパーサウンド'70s』DJビリーがオープニング曲の前に紹介した曲の2曲目は全英で大ヒットしたバブルガム・ポップソング『Love Grows Where My Rosemary Goes(邦題:恋のほのお)』です。そして、引き続き番組をお楽しみください…という事で実際に流れてくる楽曲は、オープニング曲の『Little Green Bag』というわけです!
DJビリー役のスティーヴン・ライトはアメリカで有名なコメディアンで、渋くて気だるげな話し方をすることで知られています。ラジオの雰囲気ともマッチしていますね!
筆者の感想
タランティーノの記念すべきデビュー作。チップを払いたくないと演説したり、コードネーム「Mr.ピンク」はいやだと文句を言ったり…タランティーノ節全開ですね!無駄話の中に挟み込まれるクールな見せ場にバイオレンスシーンの緊張感、色褪せない名作です。
ラストの銃口を突きつけるシーンなどが香港映画『友は風の彼方に』と似ていると指摘され、「オマージュしたんだから当たり前だ!」と答えたのは有名な話。また監督自ら、黒澤明の『羅生門』スタンリー・キューブリックの『現金に体を張れ』ジョセフ・サージェントの『サブウェイ・パニック』などから影響を受けたと話しています。
約100分とタランティーノ映画にしてはかなり短いこの作品、クールなOPに耳切りダンスと、タランティーノ要素がぎゅっと凝縮されているので、初めてのタランティーノ作品としてもおすすめです!
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