2023年3月3日公開の映画『フェイブルマンズ』
『ジョーズ』や『インディ・ジョーンズ』シリーズ、『シンドラーのリスト』で知られるスティーヴン・スピルバーグが自らの人生を映画化した作品です。第95回アカデミー賞では、作品賞を含む7部門にノミネートされました。
音楽は『スター・ウォーズ』や『ハリー・ポッター』を手がけたジョン・ウィリアムズが担当。スピルバーグとのタッグは今作で28作目となります。
この記事では、映画『フェイブルマンズ』で流れた音楽24曲をご紹介します。
『フェイブルマンズ』で流れた曲とは?
3人が映画館に到着するオープニングシーン
Victor Young, Ned Washington - The Greatest Show on Earth
3人が映画館に到着するオープニングシーンで流れた曲は、Victor Young, Ned Washingtonの『The Greatest Show on Earth』です。
オープニングで流れているのは、セシル・B・デミル監督による米ドラマ映画『地上最大のショウ』(1952)のテーマ曲です。
『地上最大のショウ』は、世界最大のサーカス団を舞台に、華麗なショーと様々な人間ドラマが描かれた作品です。全米および日本(1953年公開)でも年間興行成績第1位を記録し、第25回アカデミー賞では、作品賞と原案賞の2部門を受賞しました。
映画館に入るのをためらっていたサミー少年ですが、この後、列車衝突事故のシーンに心を奪われてしまいます…。
車の中でミッツィとバートがキスをするシーン
George Gershwin, Ira Gershwin - I Got Rhythm
車の中でミッツィとバートがキスをするシーンで流れた曲は、George Gershwin, Ira Gershwinの『I Got Rhythm』です。
サミー少年が、ハヌカのプレゼントにクリスマス・ライトが欲しいと言い出す場面で使われている曲は『I Got Rhythm』です。曲のリフレイン「Who could ask for anything more」を夫婦が掛け合いで歌っています。
この曲は、アメリカ生まれの大作曲家ジョージ・ガーシュウィン(作曲)とアイラ・ガーシュウィン(作詞)の兄弟が1930年に発表したジャズのスタンダード・ナンバーです。
ハヌカは、別名「光の祭り」とも呼ばれ、キリスト教のクリスマスとほぼ同じ時期に祝われるユダヤ教の祭事です。
サミー少年が鉄道のおもちゃをもらうシーン
Traditional - Down by the Station
サミー少年が鉄道のおもちゃをもらうシーンで流れた曲は『Down by the Station』です。
ユダヤ教のお祭「ハヌカ」は、ハヌキヤと呼ばれる燭台に、毎日1本ずつのロウソクが灯され、8日間にわたってお祝いされます。期間中こどもには、毎日プレゼントが渡されます。
ハヌカ1日目、ミッツィの弾くピアノに合わせ子供たちが歌う『Down by the Station』は、米国のジャズ奏者スリム・ゲイラードが1947年にリリースした曲です。
元々古くからある曲で、駅長が蒸気機関車を見送る様子が描かれた楽しいトレイン・ソングです。日本の童謡『静かな湖畔の森の影から』と、メロディがよく似ています!
サミー少年が映画を撮ることに夢中になるシーン
Scott Joplin - Elite Syncopations
サミー少年が映画を撮ることに夢中になるシーンで流れた曲は、Scott Joplinの『Elite Syncopations』です。
サミーは、血糊の代用にケチャップをつかっての歯医者の治療シーン、トイレットペーパーを濡らして顔に貼り付けてのミイラ映画など、面白いアイデアを考え次々と実行していきます!
『エリート・シンコペーションズ(Elite Syncopations)』は、アメリカの作曲家スコット・ジョプリンが1902年に作曲したラグタイム・ピアノ作品です。スコット・ジョプリンは、19世紀末から20世紀初頭に掛けてアメリカで流行したラグタイムという音楽ジャンルで大成功を収め、「ラグタイム王」と呼ばれています。
スコット・ジョプリンの母親は、生活費を削りピアノを買い与えるなど、息子の才能を伸ばすことに力を惜しまずサポートした人物として知られています。
一家がアリゾナに引越すシーン
Sons of the Pioneers - By a Campfire on the Trail
一家がアリゾナに引越すシーンで流れた曲は、Sons of the Pioneersの『By a Campfire on the Trail』です。
竜巻を近くで見ようと車を走らせたミッツィが、「すべての出来事には意味がある」と言うシーンから曲は始まります。
サンズ・オブ・ザ・パイオニアズは、「キング・オブ・カウボーイ」と呼ばれたアメリカの俳優ロイ・ロジャースが、1933年に結成したカントリーミュージック・ボーカルグループです。
『By a Campfire on the Trail』は、サンズ・オブ・ザ・パイオニアズが1963年にリリースしたアルバム『Trail Dust』に収録されています。曲名とアルバム名に入っている「Trail」には、手がかり・糸口・痕跡といった意味があるそうです!
サミーが『ガンスモッグ』の編集作業をするシーン
Friedrich Kuhlau - Piano Sonatina in A Minor, Op.88, No. 3: III. Allegro burlesco
サミーが『ガンスモッグ』の編集作業をするシーンで流れた曲は、Friedrich Kuhlauの『Piano Sonatina in A Minor, Op.88, No. 3: III. Allegro burlesco』です。
サミーは、ジョン・フォード監督による西部劇『リバティ・バランスを射った男』(1962)に影響を受け、西部劇を撮影しました!
このシーンで使われている曲は、フリードリヒ・クーラウが1827年に作った『4つのソナチネ Op.88』から、第3番の第3楽章です。
クーラウは、日本では、ピアノ学習者が多く使う教本「ソナチネアルバム」でお馴染みの作曲家です。
ドイツ出身のクーラウは、ナポレオン軍への徴兵を避けるためにデンマークに移住しそこで活躍した作曲家で、ベートーヴェンを崇拝していたことで知られています。
多数のピアノ曲の他にフルートの作品を残しており、その作風がベートーヴェンに似ていたため「フルートのベートーヴェン」と呼ばれることもあるそうです。
ラジオ出演の前日、ミッツィがリビングで演奏する曲
Ludwig van Beethoven - Piano Sonata No.1 in F minor, Op.2, No.1: I. Allegro
ラジオ出演の前日、ミッツィがリビングで演奏する曲は、Ludwig van Beethovenの『Piano Sonata No.1 in F minor, Op.2, No.1: I. Allegro』です。
家庭を築くためピアニストへの道を諦めたミッツィが、ラジオでピアノを演奏することになりました。前日、フェイブルマン家のリビングルームでは、リハーサルを兼ねたホームコンサートが開かれています。
ミッツィが爪をかたかた鳴らせて演奏する曲は、ドイツの作曲家ベートーヴェンが作ったピアノソナタ第1番の第1楽章です。この曲は1795年、ベートーヴェン24歳の作品で、かつての師フランツ・ヨーゼフ・ハイドンに献呈されました。
ボーイスカウトの仲間を集めて『ガンスモッグ』が上映されるシーン
Elmer Bernstein - Council (From “The Magnificent Seven”)
ボーイスカウトの仲間を集めて『ガンスモッグ』が上映されるシーンで流れた曲は、Elmer Bernsteinの『Council (From “The Magnificent Seven”)』です。
サミーは、ボーイスカウトの仲間の協力を得て自主制作西部劇『GUNSMOG』を完成させました。映画の上映会では、ジョン・スタージェス監督による西部劇映画『荒野の七人』(1961)の音楽が使われています。
『荒野の七人』の音楽を担当したのはアメリカの作曲家エルマー・バーンスタインです。エルマー・バーンスタインは、ウクライナ出身の父とハンガリー出身の母のユダヤ系移民の両親の元、ニューヨークで生まれました。50年以上にわたり200もの映画・テレビで音楽を担当し、1967年公開の『モダン・ミリー』ではアカデミー作曲賞を受賞しています。
バートとミッツィがロシア語で歌う曲
Ivan Larionov - Kalinka
バートとミッツィがロシア語で歌う曲は、Ivan Larionovの『Kalinka』です。
一家とベニーがキャンプファイヤーを囲むシーンです。
『カリンカ(Kalinka)』は、作曲家で民俗学者のイワン・ラリオーノフが1860年に作ったロシア創作民謡です。ラリオーノフが音楽を担当したアマチュア劇団の芝居の中で初演され、その後すぐに民俗合唱団のレパートリーに追加されたことで広く知られる人気曲となりました。
ソビエト連邦のコンピュータ科学者が1984年に考案したゲーム、テトリスでは、『トロイカ』『ソビエト連邦の国歌』と共にロシアを代表する音楽としてBGMに採用されました!
ミッツィの母親が亡くなるシーン
Erik Satie - 3 Gymnopédies: No. 2
ミッツィの母親が亡くなるシーンで流れた曲は、Erik Satieの『3 Gymnopédies: No. 2』です。
母を亡くしたミッツィが演奏している曲は、フランスの作曲家エリック・サティが1888年に作曲した、3曲からなるピアノ独奏曲『ジムノペディ』の第2番です。楽譜には「ゆっくりと悲しさをこめて」といった指示が書かれています…。
エリック・サティは今でこそフランスを代表する作曲家の1人と言われていますが、学生時代には「音楽院で最も怠け者の学生」と呼ばれ学院を追放されたこともあるとか。また、自ら入隊した軍隊での生活も、自分には合わないと気付くと、冬の夜に上半身裸で屋外に立ち、故意に急性気管支炎にかかり除隊されるようにしむけた…というエピソードも残っています。彼は「音楽界の異端児」の異名で知られています!
ボリス伯父さんがサミーに映画製作や芸術の厳しさを語るシーン
Muzio Clementi - Sonatina in C Major, Op.36, No.3: I. Spiritoso
ボリス伯父さんがサミーに映画製作や芸術の厳しさを語るシーンで流れた曲は、Muzio Clementiの『Sonatina in C Major, Op.36, No.3: I. Spiritoso』です。
サミーが、伯父さんから、ピアニストを諦めたミッツィの話を聞かされるシーンで、ミッツィが演奏している曲は、ムツィオ・クレメンティが1797年に作った『6つのソナチネ Op.36』の第3番の第1楽章です。ピアノ教本「ソナチネアルバム」に収録されています。
イタリア・ローマで生まれたクレメンティは、14歳の時に、彼の音楽的才能に感銘を受けた裕福な英国人がパトロンとなったことで、英国に渡ります。その後、パトロンとの契約が終了する21歳まで、クレメンティは1日8時間チェンバロにむかい技術を磨いたそうです…!
サミーがキャンプの映像を編集するシーン
Johann Sebastian Bach - Concerto in D Minor, BWV 974: II. Adagio
サミーがキャンプの映像を編集するシーンで流れた曲は、Johann Sebastian Bachの『Concerto in D Minor, BWV 974: II. Adagio』です。
映像には母とベニーおじさんの特別な関係が映り込んでいました…。
サミーが編集している時に、ミッツィがピアノで演奏している曲は、ドイツの作曲家ヨハン・ゼバスティアン・バッハの『協奏曲 ニ短調 BWV 974』の第2楽章です。
『協奏曲 ニ短調 BWV 974』は、バロック時代のイタリアの作曲家アレッサンドロ・マルチェッロが作ったオーボエ協奏曲を、バッハがチェンバロ用に編曲したものです。ここで使われている2楽章は、イタリア映画『ベニスの愛』(1970)で使われて有名になりました。
サミーが戦争映画の撮影をするシーン
Link Wray & The Wraymen - Raw-Hide
サミーが戦争映画の撮影をするシーンで流れた曲は、Link Wray & The Wraymenの『Raw-Hide』です。
『Raw-Hide』は、アメリカのギタリスト、リンク・レイ(Link Wray)が1959年にリリースした曲です。リンク・レイといえば、1958年にリリースされた『ランブル』が、歌詞がないのにもかかわらず、ハウリングやひずみなどの激しいサウンドが教育上ふさわしくないとされ一部地域で放送禁止となったというエピソードが残っています。
リンク・レイは朝鮮戦争に徴兵され従軍中、結核を患い肺を切除しました。そのため、歌うことをあきらめ、ギターの腕を磨くことに専念したそうです。彼は、エレキギターのパイオニアと呼ばれ、世界中のギタリストに多大な影響を与えました!
『地獄への脱出』上映会シーン
Alfred Newman - Buffalo Stampede
『地獄への脱出』上映会シーンで流れた曲は、Alfred Newmanの『Buffalo Stampede』です。
ボーイスカウトの仲間やその家族を招き、サミーが作った戦争映画『地獄への脱出』が上映されています。
このシーンでは、1962年に公開された米・映画『西部開拓史』の音楽が使われています。この映画は、西部開拓時代の、半世紀にわたる親子三世代の物語が描かれた壮大な西部劇で、全5話で構成されています。監督は、ヘンリー・ハサウェイ、ジョージ・マーシャル、リチャード・ソープ、そしてサミー憧れのジョン・フォードの4人がクレジットされています。
東京ディズニーランドの3大マウンテンの一つ、ビッグサンダー・マウンテンは、『西部開拓史』をもとにして作られたアトラクションだそうです!
『地獄への脱出』上映会での後半シーン
Alfred Newman - This Is the West
『地獄への脱出』上映会での後半シーンで流れた曲は、Alfred Newmanの『This Is the West』です。
『地獄への脱出』の撮影時に、サミーが細かく演出をした、アメリカ軍曹役の青年が砂漠を歩くシーンです。このシーンでも、映画『西部開拓史』(1962)の『This Is the West』が使われています。
この映画の監督の一人、ジョン・フォードは、荒野に生きる男の心情を情感豊かに表現する作風で知られています。「西部劇の神様」と呼ばれ、アカデミー監督賞を史上最多の4回受賞しています!
ミッツィがサミーの部屋のクローゼットでキャンプ映像を見るシーン
Johann Sebastian Bach - Concerto in D Minor, BWV 974: II. Adagio
ミッツィがサミーの部屋のクローゼットでキャンプ映像を見るシーンで流れた曲は、Johann Sebastian Bachの『Concerto in D Minor, BWV 974: II. Adagio』です。
この曲は、「サミーがキャンプの映像を編集するシーン」でも使われていました。
一家がカリフォルニアに引っ越すシーン
The Crystals - Da Doo Ron Ron (When He Walked Me Home)
一家がカリフォルニアに引っ越すシーンで流れた曲は、The Crystalsの『Da Doo Ron Ron (When He Walked Me Home)』です。
『Da Doo Ron Ron』は、女性ヴォーカル・グループ、クリスタルズが1963年にリリースした曲で、彼女たちのプロデューサー、フィル・スペクターとジェフ・バリー&エリー・グリニッジの作曲家コンビによって作られました。
この曲は、多くのアーティストにカバーされ、ロサンゼルス出身のティーン・アイドル、ショーン キャシディが1977年にリリースしたバージョンは、全米1位を記録する大ヒットとなりました。
サミーとモニカがキスをするシーン
Scott Joplin - Elite Syncopations
サミーとモニカがキスをするシーンで流れた曲は、Scott Joplinの『Elite Syncopations』です。
この曲は、「サミー少年が映画を撮ることに夢中になるシーン」でも使われていました!
ビーチでサミーがスキップデーの撮影を行うシーン
James Darren - Goodbye Cruel World
ビーチでサミーがスキップデーの撮影を行うシーンで流れた曲は、James Darrenの『Goodbye Cruel World』です。
アメリカには、卒業を迎える最上級生が学校をさぼれる「Skip Day」とよばれる伝統があります。映画では「おサボり日」と訳されていましたね!
『Goodbye Cruel World』は、当時ティーンアイドルとして人気を博した俳優、ジェームス・ダレンが1961年にリリースした大ヒット曲です。米ABC放送のホームコメディドラマ『ドナ・リード・ショー』で、ジェームス・ダレンが、麻疹を患うポップシンガー役でゲスト出演した際にこの歌が歌われたそうです。
この曲は、気まぐれな女性に傷付けられた男性が歌う失恋ソングです。
サミーがスキップデーの編集作業をするシーン
Jimmy Soul - If You Wanna Be Happy
サミーがスキップデーの編集作業をするシーンで流れた曲は、Jimmy Soulの『If You Wanna Be Happy』です。
両親の離婚話を聞かされた後、サミーは自分の部屋でこの曲を流しながら編集作業をしています。
この曲は、カリプソ歌手、ロアリング・ライオンが1934年にリリースし全米1位を記録した『Ugly Woman』を基にして作られ、19歳の歌手ジミー・ソウルが1963年にリリースしました。曲は大ヒットし、100万枚以上を売り上げました!
「幸せになりたいのなら…決してきれいな女を女房にしてはならない…」といった、このシーンで使うにはかなり辛辣な歌詞です。
サミーとレジーが二人でスキップデーの映像を見るシーン
The Chiffons - He’s So Fine
サミーとレジーが二人でスキップデーの映像を見るシーンで流れた曲は、The Chiffonsの『He’s So Fine』です。
脚本家・プロデューサーとして知られているアン・スピルバーグ(スピルバーグ監督の妹)がレジーのモデルです。アン・スピルバーグは、1988年に公開されたトム・ハンクス主演のコメディ映画『ビッグ』でアカデミー脚本賞にノミネートされています。
ここで使われている『いかした彼(原題: He’s So Fine)』は、4人組ガール・グループ、シフォンズが1963年にリリースしたデビュー曲で、全米1位を記録しました。
プロム当日、サミーがモニカに十字架のペンダントを渡すシーンまで音楽は続きます。
プロムでのダンスシーン
Burt Bacharach, Hal David - Walk On By
プロムでのダンスシーンで流れた曲は、Burt Bacharach, Hal Davidの『Walk On By』です。
クラウディアがボーカルを担当している学生バンドが演奏している設定です。
『ウォーク・オン・バイ(Walk On By)』は、米ニュージャージー州生まれの女性シンガー、ディオンヌ・ワーウィックが1964年にリリースした曲で、彼女は翌年ドイツ語バージョン『Geh Vorbei』もリリースしています。
『明日に向って撃て!』の挿入歌『雨にぬれても』を作った、ハル・デヴィッドとバート・バカラックの作曲家コンビが作りました。この曲は、カーペンターズ 、ビーチ・ボーイズ、シンディ・ローパーなど、沢山のアーティストにカバーされています!
スキップデイの映像が上映されるシーン
Jimmy Soul - If You Wanna Be Happy
スキップデイの映像が上映されるシーンで流れた曲は、Jimmy Soulの『If You Wanna Be Happy』です。
この曲は、「サミーがスキップデーの編集作業をするシーン」でも使われていました!
スキップデイのリンボーダンスシーン
Chubby Checker - Limbo Rock
スキップデイのリンボーダンスシーンで流れた曲は、Chubby Checkerの『Limbo Rock』です。
撮影時、モニカが生徒の額に落としたバニラアイスクリームの塊が、映画の中では鳥のフンのようにみえるなど、楽しい演出を生徒たちが楽しむシーンです。
『Limbo Rock』は、ロサンゼルスで結成されたインストゥルメンタル・バンド、ザ・チャンプスが1961年にリリースした曲です。翌年、チャビー・チェッカーによるボーカルバージョンもリリースされ、リンボー・ダンスの人気に貢献しました。
リンボーダンスのシーンでは、クラウディアとローガンがお互いをみつめる視線が、しっかりと映されていました…!
ローガンの活躍が描かれているシーン
Alfred Newman - Captain from Castile Suite
ローガンの活躍が描かれているシーンで流れた曲は、Alfred Newmanの『Captain from Castile Suite』です。
スキップデーの映像では、後半、スローモーションの演出がなされるなど、会場は大盛り上がりでした。
このシーンでは、ヘンリー・キング監督による歴史アドベンチャー映画『征服への道(原題:Captain From Castile)』(1947)の曲が使われています。この作品で音楽を担当したアルフレッド・ニューマンが作りました。
アルフレッド・ニューマンは、アカデミー賞を9回受賞した映画音楽の巨匠です。弟、息子、甥もハリウッドで作曲家として活躍し、一族は「ニューマン・ファミリー」と呼ばれています!
サミーが映画監督のオフィスに行くシーン
Max Steiner - Ethan Returns
サミーが映画監督のオフィスに行くシーンで流れた曲は、Max Steinerの『Ethan Returns』です。
オフィスに通されたサミーは、壁に貼られたポスターを眺めます。『駅馬車』『わが谷は緑なりき』……そして『リバティ・バランスを射った男』。プロデューサーのとりなしで会うことになった監督がジョン・フォードだったとサミーが気づくシーンです。
このシーンでは、ジョン・フォード監督の西部劇『捜索者』(1956)の『Ethan Returns』が使われています。『風と共に去りぬ』のタラのテーマを手がけた作曲家マックス・スタイナーが作りました。
ジョン・フォードを演じていたのは、あのデイヴィッド・リンチ監督です!
エンドロール
Franz Joseph Haydn - Piano Sonata in C Major, Hob XVI 35: I. Allegro con brio
エンドロールで流れた曲は、Franz Joseph Haydnの『Piano Sonata in C Major, Hob XVI 35: I. Allegro con brio』です。
エンドロールでは、映画の音楽を担当したジョン・ウィリアムズが作った『The Journey Begins』が流れています。この曲では、オーストリア出身の作曲家フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの『ピアノソナタ ハ長調 Hob.XVI:35』の第1楽章の抜粋が使われています。
1780年に出版された『ピアノソナタ ハ長調 Hob.XVI:35』は、シンプルながら突飛なリズムが面白く、ミッツィのようにユニークな女性が好きそうな楽しい曲です!
スピルバーグ監督とジョン・ウィリアムズの2人がタッグを組んで50周年を記念する作品となったオリジナル・サウンドトラックに収録されています。