2017年8月11日公開の映画『スパイダーマン:ホームカミング』。
『アベンジャーズ』の戦いに参戦したスパイダーマンことピーターは、トニー(アイアンマン)に再び声を掛けてもらうために危険な武器商人を追うのが主なストーリーです。監督はジョン・ワッツ、興行収入は28億円ほどでした。
この記事では、映画『スパイダーマン:ホームカミング』で流れた音楽12曲をご紹介します。
※『流れる曲紹介』ではネタバレがあるので、動画視聴後にお楽しみください。
公開日 | シリーズ作品名 |
2017年 | スパイダーマン:ホームカミング |
2019年 | 『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の動画配信&流れる音楽 |
2022年 | 『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の動画配信&流れる音楽 |
『スパイダーマン:ホームカミング』で流れた曲とは?
トゥームス(ヴァルチャー)が部下と武器を作るシーン
The Rolling Stones - Can't You Hear Me Knocking
トゥームス(ヴァルチャー)が部下と武器を作るシーン流れた曲は、The Rolling Stonesの『Can't You Hear Me Knocking』です。
エレキギターをかき鳴らすようにしてスネアが加わっていく前奏は、軽快さとロックな雰囲気が伝わってきます。男性シンガーが勢い良く歌い始め、盛り上げていくのが特徴で、7分という曲の中で楽器のソロも聞かせるように制作しているのもポイントです。
「ザ・ローリング・ストーン」は1962年に結成されたイギリスのロックバンドで、『Satisfaction』などの歌が有名です。
『アベンジャーズ』で宇宙から現れたエイリアンのチタウリと戦ったヒーローたちですが、ニューヨークは多くの建物が破壊されたことで解体などの作業が始まっていました。
トゥームスもその一人で、業者として多くの従業員と共に仕事にあたっていたのですが…スタークが指定した機関が専門的に行うことになり、現場から去るように言われてしまうのです。勝手な行動に怒りを覚えた彼は、それまで回収してあったチタウリの兵器を研究し、数名の部下と共に8年かけて武器の密輸業者へ!
そんな彼らが武器を製造するシーンで『Can't You Hear Me Knocking』が流れ、次々に開発や実験を進めて大金を数えていく様子をさらに盛り上げてくれました。歌が始まる際にトゥームスが「ヴァルチャー」の姿になって登場するのがカッコいいですね。
ピーターが電車で学校に行くシーン
Spoon - The Underdog
ピーターが電車で学校に行くシーンで流れた曲は、Spoonの『The Underdog』です。
軽快なノリのドラム、ポップなノリを感じさせる前奏と共に特徴のある声の男性シンガーによる歌が加わっていく曲です。手拍子をリズミカルに鳴らしたり、ギターをジャカジャカと弾いたりするのも特徴。
『スプーン』はアメリカのロックバンドで1993年に結成され、2022年には『Lucifer On The Sofa』というアルバムをリリースしました。
高校生のピーター・パーカーは、スタークの元で働くハッピーに連れられて初めての飛行機、しかもプライベートジェットに乗ってはしゃぐ!そうしてベルリンに連れられて高級ホテルに赴くと、広い部屋にアタフタするのが良いですね。
部屋にあったスタークが改良したハイテクスーツにも大はしゃぎし、キャプテンアメリカの盾を奪うシーンまでも自撮りで紹介していくのがピーターらしいです。
そんな戦いを経て、スタークから「連絡する」と言われてから2ヶ月が経過…ピーターが学校へ向かう際の電車で『The Underdog』が流れます。ピーターのもやもやした気持ちとは裏腹に、学校はいつも通り生徒たちがワイワイ楽しんでいることが伝わってくる曲ですね。
デルマーの店でピーターが買い物をするシーン
Soneros De Verdad - A Buena Vista
デルマーの店でピーターが買い物をするシーンで流れた曲は、Soneros De Verdadの『A Buena Vista』です。
アコースティック・ギターのムーディーな前奏に管楽器が入り、テンポの良い男性シンガーが歌を重ねていく曲です。数人で同じ歌を歌ったり、一人が声を響かせるように歌ったりするのが特徴。
リズムよく打楽器が刻まれ、ノリの良さを感じさせます。楽器を奏でないで歌だけになるパートにも注目です。
トニーからの声がかかることを待ち望んでいるピーターは学校が終わってすぐに腹ごしらえ!デルマーの店でサンドイッチを購入しに行き、お店で『A Buena Vista』が流れます。
ノリの良い音楽にピッタリな店主のおじさんからは、人の良さを感じさせますね。冗談の通じる相手なのでピーターも気軽に話しているのが印象的です。
デルマーのサンドイッチ店はこの後、武装強盗により半壊させられてニュースにもなるのにも注目でしょう。また、このお店の話題が映画の後半でも語られますが、クイーンズと言えばこの店!とピーターが言うのが良いですね。
スパイダーマンが街をパトロールするシーン
Ramones - Blitzkrieg Bop
スパイダーマンが街をパトロールするシーン流れた曲は、Ramonesの『Blitzkrieg Bop』です。
エレキギターとドラムのスピーディーな前奏、「レッツ・ゴー!」とかけ声を上げる男性シンガーの勢いがある曲です。歌をパッパッと切るようにして歌うのが特徴で、賑やかなのが特徴。
『ラモーンズ』は1974年に結成されたパンク・ロックバンドで、『Blitzkrieg Bop』などの有名な歌があります。
路地裏で服を脱ぎ始め、そのままスパイダーマンスーツを着用していくワンシーンはピーターがスパイダーマンになるまでの過程をそのまま描いているのがおもしろいですね。
だぼだぼなスーツをワンタッチで身体にフィットさせて街をパトロール!その際にノリの良いポップな『Blitzkrieg Bop』が流れるのでワクワクさせられます。
スパイダーマンが「やっと出番だ」と言って自転車泥棒を捕まえたり、市民の要望に応えたりするのが見ていて楽しいです。時には失敗もありますが、一生懸命ヒーロー活動をしつつ、トニーからの返事を待ち焦がれる姿は応援したくなるでしょう。
ちなみに、この曲はエンディングでも流れます。
ピーターがスパイダーマンに着替えるシーン
Kil The Giant - Rise To The Top
ピーターがスパイダーマンに着替えるシーンで流れた曲は、Kil The Giantの『Rise To The Top』です。
エネルギッシュで明るいノリのラップが特徴で、掛け合いをしたりBGMを変化させたりして一曲を仕上げています。歌詞を強調して繰り返し歌ったり、指を鳴らしながらリズムをとる曲の後半にも注目。
「Kil The Giant」は『So Chill』、『That Feeling』などの曲を制作しています。
ピーターが夢中になっているリズの家でパーティーが行われ、ネッドと共に参加!でも、フラッシュに「スパイダーマンと友達なんて嘘だろう?」とからかわれてしまうのです。
そこでピーターはこっそりとスパイダーマンスーツに着替える際に『Rise To The Top』が聞こえてきます。パーティーにピッタリなノリの良い歌で、ダンスをしたりするのにもピッタリですね。
ピーターはスパイダーマンではなく自分自身の魅力でリズを振り向かせようとするのですが…二人の関係性を最後まで見届けたくなることでしょう。
ピーターのスマホの着信音が鳴るシーン
Yodeler’s Dance
ピーターのスマホの着信音が鳴るシーンで流れた曲は、『Yodeler’s Dance』です。
ギターの穏やかな前奏で始まり、流れるような歌が入っていく曲です。アップテンポに変わってからも歌詞はそのままで、単語を発して音を歌うような曲になっています。
草原などで高々と歌うような印象があり、しっかり発声していくのも注目でしょう。
リズのパーティーに一人残されたネッドはピーターに電話すると、着信音で『Yodeler’s Dance』が流れます。ノリの良い音がピーターに合っていると感じさせつつも、彼の心情は穏やかではない様子…というのも、悪質で危険な武器商人を見つけた時に電話が鳴るためですね。
そして、ヴァルチャーに殺されかけてスタークに「親愛なる隣人に相応しい行動だけしてればいい」と忠告された後にも電話が鳴るのです。それでもピーターは武器商人が落とした部品を研究し始めて悪者を追うことにしていくのが見ものでしょう。
親友のネッドと相談して悪者の行き先を突き止めつつ、楽しそうに過ごすのが印象的です。
スパイダーマンが武器商人を追いかけているシーン
Yello - Oh Yeah
スパイダーマンが武器商人を追いかけているシーンで流れた曲は、Yelloの『Oh Yeah』です。
独特な音楽と「オウイエー」と低音で響かせながら歌が入り、機械で歌声を加工することにより男性シンガーの怪しげな感じを表しているのが特徴。この曲は1986年の映画『フェリスはある朝突然に』にも使われました。
「イエロー」はスイスのバンドで1980年代を中心に活躍しました。
スパイダーマンが武器商人を発見し、こっそりと彼らの取引を盗み見るのにはハラハラ!ATM強盗が使っていたのと同じ武器を見つけて男たちを捕まえようとするのですが…強力な武器を前に吹き飛ばされてしまうのです。
車に連れまわされたり、民家の庭を走り抜けたりと展開が変わっていくのがおもしろいですね。決してスマートな追跡をしているとは言えない中、パーティーをしている庭を通過する際に『Oh Yeah』が流れます。
平和なパーティーがスパイダーマンのスイングによって「なんだ!?」という展開に変わるのが見もの!その後、ヴァルチャーに捕まって空から落とされて水中に沈んでいくスパイダーマンと、彼を助けるアイアンマンの姿も見逃せません。
全米学力大会へピーターたちがバスで向かうシーン
Canned Heat - Going Up The Country
全米学力大会へピーターたちがバスで向かうシーンで流れた曲は、Canned Heatの『Going Up The Country』です。
フルートとピアノによる穏やかな前奏にドラムが入ってくることで賑やかになっていく曲です。そこに高い声の男性シンガーが加わり、ポップに歌っていくのが特徴で合間に楽器のソロが入ります。
「キャンド・ヒート」はロサンゼルスで1965年に結成されたバンドでロックやブルースの曲を制作してきました。
ワシントンDCの全米学力大会へ向かう際のバスで『Going Up The Country』が流れます。メンバーがクイズの予習を熱心にしつつピーターも好調に回答していく中、ハッピーから電話がありました。
彼がニューヨークをなぜ離れたのか問うことで彼が監視されていることがわかりますね。ピーターは監視されていたら悪者を追う際に勝手な真似をしていることがトニーにバレてしまいますが…
彼は悪者と立ち向かえることを示すためにスパイダーマンスーツを解析し、追跡装置を解除するのは流石でした。ネッドと共に賢いことが良く分かる中、「補助輪モード」を解除するのにはハラハラさせられます。
ネッドは理由があってそのモードなのだろうという中、ピーターはどうしても外して欲しいと言いますが…この後のスパイダーマンスーツの本領発揮する姿が見ものとなりますよ。
ピーターが駐車場でアーロンを尋問するシーン
ピーターが駐車場でアーロンを尋問するシーンで流れた曲は、SWJ Mafiaの『La Consequencia』です。
まくし立てるようなラップとキレイなピアノの音が奏でる曲であり、静かな雰囲気と勢いを兼ねた歌になっています。
男性シンガーによる止めどないラップはリズムが良く、複数人で途切れることなく歌うのが特徴です。
武器取引をしていたアーロンという男性の情報を調べたピーターはクイーンズにある駐車場で彼を尋問!駐車場で『La Consequencia』が流れ、ラップと共にアーロンが現れるのがクールですね。
ピーターはスーツに内蔵されていた強化尋問モードを使って声を変えつつ彼に情報を吐かせようとするのですが…不慣れな彼は上手く脅すことができないのが見ものですね。
しかしアーロンは前にスパイダーマンが「撃つなら僕を撃て!」という言葉を発していたのを思い出し、度胸があると感じていました。また、危険な武器で街が破壊される恐れがあるのは嫌だと言いつつ、ピーターに取引場所の情報を教えるのが良いですね。
こうした悪人とのやり取りを経てピーターの人柄が伝わってくるのも映画の魅力です。
ピーターがメイおばさんに身支度を手伝ってもらうシーン
The English Beat - Save It For Later
ピーターがメイおばさんに身支度を手伝ってもらうシーンで流れた曲は、The English Beatの『Save It For Later』です。
軽快で穏やかなギターの前奏に男性シンガーの歌が加わっていく曲です。流れるような楽器の音と、その流れに合わせて力強さも残す歌が特徴。途中で楽器のソロが入り、フェードアウトしながら曲が終わっていきます。
「The English Beat」は1980年代を中心に活躍したイギリスのバンドで、「Mirror In The Bathroom」などの有名な曲があります。
メイおばさんはピーターが居残りをサボったり、夜に抜け出したりしていることに不安を覚えていましたね。ピーターはスパイダーマンのことは隠しつつ、トニーから研修生をクビにされたと打ち明けるのです。
メイおばさんは優しくピーターを抱きしめつつ、学校のイベントの「ホームカミング」の準備の際には協力してくれるのがステキでした。ピーターがリズと一緒にホームカミングに行くことになってメイおばさんも手伝うのです。
スーツを着たり靴を磨いたりする際に『Save It For Later』が流れ、パーティーが楽しみであるという雰囲気が伝わってきますね。いつでもピーターを温かく見守ってくれているメイおばさんが、リズの家まで車で送ってくれるという展開は心温まりました。
ピーターがリズの父親に車で送ってもらうシーン
Traffic - The Low Spark Of High Heeled Boys
ピーターがリズの父親に車で送ってもらうシーンで流れた曲は、Trafficの『The Low Spark Of High Heeled Boys』です。
サックスやピアノ、打楽器によるたっぷりとした前奏に、男性シンガーによる優しい歌声が加わり、力強さも感じさせます。ピアノの音を連続で奏でていったり、声量を上げることで徐々に盛り上げていくのが特徴。
手をタップしたり、ピアノを力強く弾いていく曲の後半にも注目です。「トラフィック」は1970年代に活躍したイギリスのバンドで『Dear Mr. Fantasy』などの有名な曲があります。
リズの家に到着したピーターは、彼女のお父さんに出迎えられて驚愕…その男性はヴァルチャーことトゥームスだったのです。まさか好きな女性の父親が危険な武器商人だとは驚きでした。
ずっと顔をこわばらせるピーター、普通の家庭の父親を演じるトゥームス…そうして車でホームカミングに送ってもらう際に『Dear Mr. Fantasy』が流れます。穏やかな曲とは裏腹にピーターの冷や冷やした心情が伝わってくるので緊張感がありますね。
トゥームスの世間話に対してリズが代わりに応えていくのですが、徐々にスパイダーマンではないかと疑いの目を持つトゥームス…車でホームカミングの会場に送ってもらうという短いシーンながらも印象に残るシーンとなりました。
ピーターとリズがホームカミング会場に到着するシーン
A Flock Of Seagulls - Space Age Love Song
ピーターとリズがホームカミング会場に到着するシーンで流れた曲は、A Flock Of Seagullsの『Space Age Love Song』です。
ノリ良いエレキギターの演奏に爽やかさを感じる男性シンガーの歌声が加わっていき、声を伸ばすようにして歌い上げる曲です。
「フロック・オブ・シーガルズ」は1980年代にイングランドで結成されたエレクトリ・ポップバンドで、「Wishing (If I Had a Photograph of You)」などの有名な曲があります。
ホームカミングの会場は既に生徒たちが多数おり、『Space Age Love Song』が流れることでさらに賑わっている雰囲気が表れていましたね。リズは先に降りて会場に向かい、友達とたちと楽しむのですが…ピーターの方は窮地に陥ります。
車でトゥームスは二度と邪魔しないなら殺さないと言い、従わなかったら大切な人の命も危うくなると凄むシーンは目が離せません。その場でピーターが襲われてしまうのではと思いましたが、リズの命を救った恩があると言うトゥームスの姿は父親としての良さも感じさせます。
ピーターが会場に入るとパーティーで賑わう生徒たちの姿がありましたが、意を決してトゥームスを追う展開が熱い!部下に襲われたり、車に乗ってトゥームスを追いかけたりするアクションも見ものですよ。
筆者の感想
ヴァルチャーは巨大な機械の翼や強力な鉤爪を持っており、空を自在に飛べることからかなりの強敵でしたね。空中戦では勝ち目のないスパイダーマンですが、機転を利かせて窮地を脱していくのが見ものでした。
最後はヴァルチャーのスーツが壊れそうなことに気付いてピーターは声をかけますが、彼は忠告を聞かずに墜落…ピーターが助けなければ死んでいた可能性もあると思うと、彼の優しさが伝わってきます。
ピーターの人柄とスパイダーマンとしての活躍、トニーや周りの人との関係性が伝わってくる映画でした。続編と共にまた見ていきたいと思います!
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