1997年3月8日公開のアニメ映画『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』。
大長編ドラえもんシリーズ第17作、映画ドラえもん第18作。第15回ゴールデングロス賞優秀銀賞受賞。
藤子・F・不二雄先生は、本作の連載第3回の下書きを自宅で執筆中に逝去。そのため、本作が遺作となりました。
1980年代生まれのbeersy、子ども時代をガッツリドラえもんと共に歩んで来ました。
藤子・F・不二雄先生の最後の作品。訃報を聞いた時は本当にショックで、人生で初めて身内が亡くなった…と思ったほどの衝撃を受けました。
それもあって、この作品はいつにも増して映画も原作もじっくり何度も観返しました!
今回は、ドラえもんに憧れドラえもんをこよなく愛するbeersyが、映画『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』の主題歌、あらすじ、感想をまるっと解説していきます!
『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』のあらすじ
22世紀の福引きのはずれ券で、手に入れた小惑星。豊かな自然に恵まれたこの星に、ドラえもんたちは「生命のねじ」で命を吹き込んだおもちゃたちと、ねじ巻き都市を建設した。ところが、脱獄囚の熊虎鬼五郎がこの星に侵入して、「タマゴコピーミラー」で増殖してしまった。そのうえ、湖から黄金の怪物が出現。いったい、この星に隠されたひみつとは・・・!?
参照:Amazon公式サイト
映画『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』で流れる曲
オープニング
山野さと子、大山のぶ代 - ドラえもんのうた
オープニングで流れる曲は、山野さと子、大山のぶ代の『ドラえもんのうた』です。
フル3Dアニメーションで作られたOP。ドラえもんが卵やおもちゃ、ぬいぐるみなどと一緒に行進したり空を飛んだりします。
映画冒頭、「生命のねじ」で生命を与えられた馬のぬいぐるみ「パカポコ」とのび太が一緒にいますが、のび太にひみつ道具の説明がなされていないのは本作のみ。
最初から謎だらけで「この馬はなんだ!?」とワクワクさせられました♪
ドラえもん達が森を探検するシーン
大山のぶ代 - ぼくドラえもん2112
ドラえもん達が森を探検するシーンで流れる曲は、大山のぶ代の『ぼくドラえもん2112』です。
お馴染み「あったまテカテーカ♪ さえてピカピーカ♪」の曲。2112版は少し豪華なメロディに仕上がっています。
不思議な光を見付け、森の中へ探検しに行くシーン。みんなを振り返りながら歩くドラえもんが可愛い!
張り切るのび太が一番にヘタれるのも、お馴染みの光景。
森や川の風景が美しく、セル画ならではの味わいも感じられます♪
エンドロール・主題歌
エンドロールで流れる曲(主題歌)は、矢沢永吉の『Love is you』です。
日本を代表するロックミュージシャン・矢沢永吉さんが、今作の主題歌を担当。
バラードながら、力強い歌声で生命力を感じさせる曲となっています!
悪役が優しく生まれ変わる…という、ドラ映画の中でも珍しいタイプの作品で、しずかとホクロさんの友情には心を打たれました。
でも、前科100犯だともう世の中には出て来られなそうだけど。笑
先が長く無いと知りながら執筆した藤子・F・不二雄先生の遺作は、生命の大切さを学べ、美しくスカっとする映画でした!
何度でも観よう!「のび太のねじ巻き都市冒険記」をもっと楽しめる小ネタと見どころ
クリティカルなネタバレはできるだけ避けていますが、初めて『のび太のねじ巻き都市冒険記』を観る人は事前情報なしで一度観てから以下の秘話を観ると、2回目も楽しめておすすめです!
小ネタ1:
本作で登場した「生命(いのち)のねじ」。他にもねじ型のひみつ道具があります!
- 引力ねじまげき(6)
- ハッスルネジ巻き(11、24)
- ねじ式台風(39)
- 命を与えるネジ(カラー作品集第5巻)
また、クローンを作り出す、よく考えたら恐ろしい道具「タマゴコピーミラー」と、孵化を促す「エッグハウス」。卵をモチーフにした道具もたくさんありますよ。
- なんでも卵にする機械(6)
- 台風のたまご(6)
- カッコータマゴ(27)
- 刷りこみたまご(37)
- 瞬間成長ミニチュア渓流魚のタマゴ(38)
- 卵生ませ灯(38)
- 架空人物たまご(40)
- 動物生まれ変わりタマゴ(43)
- 深海用海草胞子と魚の卵各種詰め合わせ(海底鬼岩城)
カッコータマゴは割とトラウマもののお話…。
小ネタ2:
藤子・F・不二雄先生は本作を作る過程で、プロデューサー、柴山監督、チーフアシスタントの萩原伸一さん(むぎわらしんたろうさん)に、あらすじや最後の結末を詳しく話したそうです。
今までそういった事は無く、18作目にして初めてのことだったので、みんな怪訝な気持ちになったのだとか。(『映画ドラえもん超全集』より)
また、完成原稿に詳細なコメントを付けており、スタッフに宛てた手紙は「『藤子プロ作品は藤子本人が書かなくなってからグッと質が上った』と言われたら嬉しいのですが」という言葉で締めくくられていました。こういった事も今までに無かったそうです。(『藤子・F・不二雄大全集第一期予約購入者特典 Fノート』より。)
また、死期を悟って、もうすぐ産まれる予定のお孫さんへお祝いの封筒を残すなど、最期まで人を思いやり、マンガ、ドラえもんと共に生きた人なのだな…と思います。
小ネタ3:
萩原伸一さん(現在のペンネームはむぎわらしんたろうさん)は、本作の連載第3回から藤子・F・不二雄先生の遺志を継いで執筆。『のび太の太陽王伝説』まで「大長編ドラえもん」を執筆しました。
解読会議を開いて藤子先生の癖字を解読し、話を推測・組み立ててパズルのように最後まで制作。
これが萩原さんにとってのデビュー作となっており大成功をおさめましたが、藤子先生には「こんな話だったのでしょうか」と尋ねたい気持ちがあると話されています。(藤子・F・不二雄大全集大長編ドラえもん第6巻より。)
『太陽王伝説』のあとは、『のび太の恐竜2006』のおまけマンガや、『のび太と奇跡の島 〜アニマル アドベンチャー〜』から『のび太の新恐竜』まで、マンガの執筆・企画協力をされていますよ!
小ネタ4(見どころ):
映画を見返したくなる、豪華な声優陣をご紹介!
- ピーブ役は、『幽遊白書』浦飯幽助、『21エモン』の21エモン、『キャプテン翼』大空翼役などで有名な佐々木望さん。
- プピー役は、『ドラえもん』出木杉英才、『サザエさん』中島弘役などで有名な白川澄子さん。
- トーマス・メエージソン役は、『クレヨンしんちゃん』ぶりぶりざえもん、『名探偵コナン』初代白鳥警部役などの塩沢兼人さん。
- ウッキー役は、『ドラえもん』ドラミ、『のび太の恐竜』ピー助、『天空の城ラピュタ』のシータ役などのよこざわけい子さん
- 種まく者(少年)役は、『シティーハンター』槇村香役などの伊倉一恵さん。
- 熊虎 鬼五郎役は、『北斗の拳』のラオウ、『魔法使いサリー』サリーのパパ役などの内海賢二さん。
錚々たる声優陣ですね!他のドラ映画にも出演されている方ばかりです。
筆者の『のび太のねじ巻き都市冒険記』のグッズ紹介
2004年発行の「ぼく、ドラえもん」20号では、本作の特集が組まれています。
執筆が萩原さんに交代したため、微妙に絵柄が違う単行本のラストでは、素直になったと報道されている鬼五郎が描かれていますよ!
この頃発売された切手。すごい使ってあるけど誰に手紙を出したのか…?ねじ式おもちゃも集めてみました!
『ドラえもん のび太のねじ巻き都市冒険記』の前後作品
前作:
ドラえもん映画『のび太と銀河超特急』の主題歌を解説!
続きを見る
次作:
ドラえもん映画『のび太の南海大冒険』の主題歌を解説!
続きを見る